【次世代照明技術展】
Lumiotec、有機ELパネルを用いたインテリア照明を公開

 LEDや有機ELなど、次世代の照明装置・部品・材料の展示会「次世代照明技術展 ~ライティングジャパン~」が、4月15日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は17日までの3日間。入場料は5,000円だが、事前登録で無料になる。本誌ではLED電球など、家庭用の照明器具を中心にお伝えする。


 Lumiotec(ルミオテック)のブースでは、有機ELパネルを用いた照明器具「Floating」「Scope」を参考出品した。

 ルミオテックは照明用有機ELパネルの専門メーカー。同社は10月にパネルを発売する予定だが、今回はパネルの発売に先立って、照明の導入例として有機ELを使用した2種類の照明器具を展示した。なお、いずれも参考出品のため、製品化については未定。

 有機ELは、石油などの有機原料に電気を通して発光する光源。従来の光源と比べて、薄さとコンパクトさ、広範囲を照らせるなどの点で優れており、次世代の照明機器として期待されている。現時点では家庭用照明として一般向けに発売された例はない。

Lumiotecのブース
10月に同社が発売する有機ELパネル。今回はこのパネルを用いた照明器具の試作品を展示している

 「Floating」は、有機ELパネルを上下3枚ずつ配置した、天井吊り下げ型のペンダントライト。下に設置されたパネルは、下向きに光を放つことで、テーブルや床を照らすことができる。一方、上のパネルは天井に向けて光るよう設置されており、間接光として利用できる。下のパネルは1枚が白熱電球20~30W程度の明るさで、3点合わせて100Wクラスの明るさになるという。パネル1枚当たりの寿命は1万時間。厚さは3.9mm。上下別々に点灯することも可能。

上下に有機ELパネルを重ねたペンダントライト「Floating」テーブルライトと間接照明を兼ね備えている下から見たところ。3パネル合わせて白熱電球100Wクラスの明るさを備えているという

 「Scope」は“ヒーリングライト”を謳ったインテリア照明。178×52mmの長方形の有機ELパネル3枚を内向きに重ねることで、パネル内部で光が分散、反射し、さまざまな光が楽しめるという。Scopeはロウソクの光をイメージしており、1/fのランダムな“揺らぎ”が表現されている。設置方法は天吊りのほか、テーブルや床に縦置きすることも可能。

 また、Scopeに使用する長方形パネルを用いたスタンドライトも展示された。

「Scope」は“ヒーリングライト”を謳うインテリア照明天井に吊って使用中のようすテーブルに置くことも可能

Scopeが点灯しているところを動画で撮影。ロウソクの光をイメージしているため、光がユラユラと揺らいでいる
Scopeでも採用されていた長方形パネルを用いたスタンドライト壁に取り付けて、壁面照明としても使用できる

 このほかブース入り口では、有機ELパネルを六角形のフレームで組み合わせた「フェナレン」という照明も展示されている。これは家庭などでの使用を想定したものではなく、展示の際にアピールするためのものだという。

有機ELパネルを六角形のフレームで組み合わせた「フェナレン」。展示会でのアピール用に作られたフェナレンを側面から見た写真。有機ELパネルの厚さは3.9mm
有機ELはモニターとして映像を映し出すことも可能。モニター用では青・緑・赤の発光層を並列に配置しているが、照明用では三原色を重ねることで、白色の光を放つ仕様となっているLumiotecは照明用有機ELパネルの専門メーカー。本社が山形県米沢市にあるということで、ブースには山形産のワインが多数展示されている



(本誌:正藤 慶一)

2009年4月16日 15:06