【東京モーターショー2009】
カセットガスボンベで発電する“エネポ”、電気自動車とオール電化の共同提案など


10月24日から一般公開される第41回東京モーターショー2009
 第41回東京モーターショー2009が10月21日、千葉県の幕張メッセで開催した。21、22日は報道関係者向けで、一般公開は10月24日から。

 今年の東京モーターショーは、海外自動車メーカーの出展取りやめが相次ぐ一方で、日本の自動車メーカーから電気自動車などの次世代カーの展示が相次いだのが特徴。それに伴って、電気自動車とオール電化家庭とを連動した展示も見られた。


三菱自動車、電気自動車とオール電化の親和性の高さをアピール

三菱自動車が展示した「MiEV HOUSE」
 三菱自動車が展示した「MiEV HOUS(アイミーブハウス)」は、オール電化家庭と電気自動車との連動を、具体的なシーンを見せながら大々的に展示していたのが目をひいた。同社は「自然エネルギーの利用、オール電化、それに電気自動車のi-MiVEとともに暮らすというコンセプト。創エネ、蓄エネの観点からも、新たなライフスタイルを提案している」と説明している。

 電気自動車のi-MiVEは、100%電気で走るエコカーで、大容量のリチウムイオン電池と高効率、高出力の永久磁石式同期モーターを搭載。2009年7月から法人、官公庁、自治体などを中心に出荷している。2010年度からは個人ユーザーに対しても販売する計画だという。

 また、展示したMiEV HOUSEでは、シャープの太陽電池パネル、コロナの自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機「デザインエコキュート」といった創エネ機器のほか、遠藤照明のぺンダント型LED照明、三菱電機の液晶テレビや冷蔵庫などの省エネ商品、高岳製作所の電気自動車急速充電器、バナソニック電工の電気自動車用充電スタンドなどを展示。さらに、i-MiVEには、インテルのATOMプロセッサを搭載したクラリオンのMID端末「clarionMiND」を搭載。一般公開日には、電機自動車で走行した情報などをそのまま家の中に持ち込んで、よりエコな生活に活用するといったデモストレーションが行なわれる予定だ。

 三菱自動車では、「電気自動車とオール電化家庭の親和性の高さを知っていただき、エコな生活を提案する内容にした」としている。

排気ガスが出ない電気自動車のため、家の中にも入れられるという提案高齢者もリビングやキッチンからすぐに車に乗れるという電気自動車を家庭用電源で充電。停電時は車が逆に蓄電池の役割を果たし、家庭内に電気を供給できる

MiEV HOUSEの屋上にはシャープ製の太陽電池パネルが設置されていたコロナのエコキュートも設置されていた。オール電化住宅と電気自動車の親和性は高い【訂正】初出時、燃料電池と記しておりましたが、正しくはエコキュートです。お詫びして訂正させていただきます


ホンダ、ソーラーパネルで走る自動車、家庭用カセットガスボンベで発電する「エネポ」など展示


 一方、ホンダは、同社のCIGS薄膜太陽電池をメインステージ横に展示するとともに、同社が掲げる低炭素社会への取り組みである「HELLO(Honda Electric Mobilty Loop)」を紹介。太陽電池を利用してつくった電気で、電動化したモビリティカーを走らせる提案を行なった。

 HELLOの成果の1つであるコンパクトシティコミューター「EV-N」では、天井部にはソーラーパネルを搭載し、それによって走行するコンセプトを展示した。

ホンダのブースでは、同社のCIGS薄膜太陽電池を展示。CIGSとは原料の頭文字のこと(銅、インジウム、ガリウム、セレン)コンセプトモデルであるコンパクトシティコミューター「EV-N」は、天井部にはソーラーパネルを搭載する

ホンダブースではガスパワー発電機「エネポ」を展示。カセットガスボンベを使用することで、より手軽に発電することを狙った
 さらに、ホンダブースでは、ガスパワー発電機「エネポ」を展示。従来のビジネスユースが中心だったガソリンを燃料とした発電機の市場に、カセットガスを使用することで、より手軽にパーソナルに発電できる用途を創出することを狙っている。

 ホンダでは「収納式キャリーハンドルとホイールを装備し、片手での楽な移動を可能とするなど、取り扱い性、保管性、移動性のすべてにおいてパーソナルユースを追求した」としている。

家庭菜園やガーデニングに利用するガスパワー耕うん機「ピアンタ」。同排気量のガソリンエンジンに対して、作業時間あたりのCO2排出量を約10%低減できる
 また、家庭菜園やガーデニングに利用するガスパワー耕うん機「ピアンタ」は、エネポ同様に燃料の取り扱いや、移動、収納、操作の簡単さを追求した製品で、メンテナンス性にも優れている。同排気量のガソリンエンジンに対して、作業時間あたりのCO2排出量を約10%低減できる。こちらはすでに発売済みだ。


 そのほか、トヨタ自動車、日産自動車も電気自動車を相次いで展示しており、日本の自動車メーカーの電気自動車への積極的な取り組みや、エコカーへの先進性が浮き彫りになったといえよう。

各社が展示していたのが、家庭用電源からも充電を可能とする“プラグインハイブリッドカー”。トヨタは、「PRIUS PLUG-IN HYBRID Concept」を展示。トヨタが提案した「e+smile」は、太陽光発電により車両のバッテリーを充電し、CO2ゼロの走行を実現するシステム。auの携帯電話で自動車の充電状態や走行履歴などを表示するアプリケーションも用意しており、現在実証実験中電気自動車のリーフと、カルロス・ゴーン氏。走行中にCO2を出さないゼロエミッションを実現。1回の充電で160km以上の走行が可能という。搭載したITシステムで、電池残量に応じて航続可能なナビゲーションを表示する
日立オートモティブシステムズでは電気自動車への採用を狙ってリチウムイオン電池モジュールなどの展示を行なっていたこちらは日立のHEV用円筒形リチウムイオン電池セル角形リチウムイオン電池




(大河原 克行)

2009年10月21日 17:49