世界最大の燃料電池展「FC EXPO 2009 ~第5回 国際水素・燃料電池展~」が、25日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は2月27日までの3日間。入場料は5千円。家電Watchでは、会場にて展示された家庭用の燃料電池など、一般消費者向けの製品を中心に紹介する。

|
エネファームの展示スペース。写真右の2つのユニットから成る。右端が貯湯ユニットで、その左が燃料電池ユニット
|
国際水素・燃料電池展では、今春より一般向けに販売される「エネファーム」が数多く展示され、注目を浴びていた。
エネファームとは、主に都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電する、燃料電池を応用した家庭向けの給湯・発電装置の愛称。発電の際に発生する熱を使って、同時にお湯を沸かすこともできる。自宅で発電することでエネルギーのロスが少なく、さらにCO2発生量も少ないため、省エネ性・環境性に優れるという特徴がある。燃料電池ユニットと貯湯ユニットの2つの機器から構成され、正式名称は「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」。
ここでは、会場にて展示されていた各ガス会社のエネファームを、写真をメインに紹介する。
|
|
|
燃料電池の基本的な仕組み。水の電気分解と逆の原理を用いて電気を取り出す
|
燃料電池ユニット内部のカットモデル
|
ユニット内部の図解
|
【会場に展示されていたエネファーム一覧】
メーカー | 出力 | 発電効率 (LHV) | 総合効率 (LHV) | 貯湯タンク容量 | 燃料電池ユニット サイズ (幅×奥行き×高さ) | 貯湯ユニット サイズ (幅×奥行き×高さ) | 燃料 |
パナソニック | 1kW | 38% | 55% | 200L | 780×400×860mm | 750×480×1,883mm | 都市ガス |
荏原バラード | 37% | 50% | 600×450×900mm | 800×450×1,840mm |
TOTO | 700W | 45% | 85% | 70L | 650×360×939mm | 750×360×1,400mm |
京セラ | 540×350×960mm | 700×300×1,700mm |
東芝 | 36%(都市ガス) | 86%(都市ガス) | 200L | 890×300×895mm | 750×440×1,900mm | 都市ガス/LPガス |
ENEOSセルティック | 750W | 36% | 84% | 900×350×900mm | LPガス |
新日本石油 | 700W | 45%(目標値) | 85% | 70L | 700×360×955mm | 830×330×1,900mm | 灯油 |
※LHVとは、燃料を完全に燃焼させた際に、水蒸気の凝縮潜熱(蒸気が水に戻る際に奪われる熱)を差し引いた発熱量のこと。低位発熱量基準。
|
|
パナソニック製のエネファームは銀色の本体カラーが特徴。東京ガスより5月1日発売に発売される予定で、希望小売価格は346万5千円
|
荏原バラードのエネファームも東京ガスから346万5千円で発売される。発売日は7月1日
|
|
|
|
京セラのエネファーム。容量は70Lと少ないが、その分コンパクトサイズとなっている。貯湯ユニットには長府製作所のロゴが見える
|
トイレメーカーとして知られるTOTOもエネファームに参入。貯湯ユニットの高さは1,400mmと、この中では最も背が低い。こちらはノーリツのロゴが確認できる
|
東芝燃料電池システムのエネファームは、都市ガスのほかLPガスにも対応する。大阪ガスより6月1日に発売される予定で、価格は325万5千円
|
|
|
ENEOSセルテックのエネファーム。会場ではLPガス仕様のみの展示だったが、都市ガス仕様も用意されており、大阪ガスより325万5千円で9月1日に発売される
|
新日本石油のエネファームは、ガスではなく灯油から水素を取り出す仕様が特徴
|
■URL
東京ガス
http://home.tokyo-gas.co.jp/
東京ガス・エネファーム
http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm/
大阪ガス
http://www.osakagas.co.jp/
大阪ガス・エネファーム
http://www.ene-farm.info/enter.html
■ 関連記事
・ 第31回:燃料電池とは(2009/01/09)
・ 東京ガス、家庭用燃料電池の名称を「エネファーム」に変更(2008/06/26)
・ 松下、世界最高の環境性能を誇る家庭用燃料電池システム(2008/04/15)
( 本誌:正藤 慶一 )
2009/02/26 00:18
- ページの先頭へ-
|