冷却効果を謳うジェル入りマット3製品、朝まで冷たさが持続せず

 国民生活センターは、睡眠時の冷却効果を謳うジェル入りのマットについて、最初の30分程度しか効果が出ず、朝まで冷たさが持続しないという調査結果を発表した。メーカーに対し誤認をするような表示を改善するよう訴えるとともに、ユーザーに対して、長時間の効果を期待しないようアドバイスしている。

 冷却効果のあるジェル入りのマットは、“熱帯夜でも朝まで涼しく眠れます”や“冷房を使用せずに安眠が得られます”といった謳い文句のもとに発売されていることが多い。しかし同センターによれば、「最初は冷たいが、後から暑くなってくる」など、効果が長続きしないことに対する苦情が増加しているという。

 そこで同センターが、ジェル入りマット3銘柄を用いて、室温30℃の状態でモニターテストを行なったところ、最初は冷たく感じられたものの、30分を経過すると効果が感じられないモニター例が多かったという。また、冷却効果が感じられなくなるのはおおむねマット表面が34℃を越えた場合が多く、人体のように温度を一定に保てるマネキンをマットの上に置いた実験では、表面温度が30分で34℃を越えていたという。

国民生活センターが行なった、ジェル入りマットの効果を試すモニター調査。グラフはモニターの評点(平均)だが、使用開始後を除けばどれも同じ結果となっている


 この結果を受け、同センターでは消費者へのアドバイスとして、蒸し暑い室温30℃の条件では、冷たくなるのは30分程度で、長時間の効果は期待できないとしている。また、薄さの割には重く、移動する場合には取扱いにくい点も付け加えている。

 同センターでは、メーカーへの要望として、朝まで冷却効果が持続するという表示を改善することを求めている。

 



(正藤 慶一)

2009年7月9日 18:23