長期レビュー
パナソニック「ラムダッシュ ES-LA92」 その3
ラムダッシュ ES-LA92 |
これまで2回に渡ってラムダッシュの最新モデルについてお伝えしてきたが、最終回となる今回は、シェーバーを長く使い続ける上で重要なお手入れについて見ていこう。
■前回使った汚れを落とし、剃る前も大切な爽快感
突然だが、シェーバーに何を求めるか、と聞かれたら何と答えるだろうか?
個人的には1に剃り味、2に爽快感を挙げたいところだ。もちろん、人によって項目や順番は入れ替わるかもしれないが、毎日欠かせないことを考えると、なるべく手間をかけず、快適に、それでいてキレイにヒゲを剃りたい。この「キレイ」に剃りたいというのは、剃った後の肌の感覚、つまりどれくらい良く剃れるかというのも大切なのだが、実は剃る前の感覚も重要なのだ。
カミソリのように毎回新品を使えるならまだしも、電動シェーバーの場合、毎回同じものを使うことになる。となると、前回剃ったときの汚れが残っていたり、ニオイが気になるようだと、肌に当てた瞬間に気分が萎えてしまう。これでは朝の気分が台無しだ。
要するに、前回の汚れをキッチリ落とし、毎回、爽快な気分でヒゲを剃れるかどうかというのがシェーバーに求められる重要な要件ということになるわけだ。
■自動洗浄システムで手間なく清潔に
そういった意味では、今回取り上げているパナソニックの「ラムダッシュ ES-LA92」は、いつでも爽快な気分でヒゲを剃れるシェーバーといえるだろう。
付属の洗浄充電器は、自動洗浄システムに対応しており、本体をセットし、スイッチを押すだけで、洗浄・除菌・感想・充電を全自動でしてくれる。これにより、毎回、キレイな状態でヒゲを剃れるというわけだ。
それでは、具体的な使い方を見ていこう。普段は前述したように、洗浄充電器に本体をセットしてボタンを押すだけでかまわないのだが、最初は洗浄用の水や洗浄剤カートリッジをセットする必要がある。
購入時のセットには洗浄剤カートリッジが1つ付属しているので、まずはこれを取り付ける。カートリッジの上部と前面にあるシールをはがし、洗浄充電器の背面から差し込むようにしてセットする。
続けて、水タンクに水を入れる。洗浄充電器の背面、洗浄剤を取り付けたちょうど上の部分が水タンクになっているので、引っ張るようにして取り外し、上部のカバーを開けて水を入れる。タンクに刻まれた目安の目盛りまで水を入れたら、フタをして再び本体に戻せば完了だ。
セットには1つの洗浄剤カートリッジが付属。これと水タンクをセットして洗浄の準備をする | まずは洗浄カートリッジをセット。シールをはがして背面に押し込む | 水タンクを準備。背面から取り外す |
上のキャップを外して目印まで水を入れる | 元通りにセット |
テストとして2回ほどヒゲを剃った状態で洗浄。写真は洗浄前 |
この状態にしておけば、いつでも本体を洗浄することができる。通常はヒゲを剃った後、充電を兼ねて毎回洗浄するのが理想だが、今回はテストもかねて、比較的ヒゲを伸ばした状態で、2回ほど剃った後に洗浄してみた。
セットするというよりは、ヘッドを下に向けて入れるという感じで、本体を洗浄充電器に入れ、前面にあるボタンを一回押す。しばらくすると、ヘッドが水の中で小刻みに振動するような音が聞こえ、洗浄が開始する。
10分ほどもすると、音が静かになり、代わりにファンが回転する音が聞こえてくる。水と洗浄剤による洗浄が終わると、これを乾かすための乾燥が始まるわけだ。この後は、気候や温度によって異なるのだが、だいたい2~3時間ほど放っておけば、乾燥と充電というすべての動作が完了する。一度始めてしまうと次に使えるまでに時間がかかるので、完全に使い終わってから洗浄すると良いだろう。
洗浄の様子 |
取り出して見ると、ヘッドはすっかりキレイになり、ニオイもまったく気にならないどころか、洗浄剤の香りだろうか、比較的さわやかなニオイが漂ってくる。洗浄直後は温風による乾燥でヘッドが暖かくなっているが、完全に冷ましてから使うと、肌に当てたときの印象がとても爽やかだ。単純に洗うだけでなく、除菌、乾燥も兼ねているので、とても清潔感がある印象だ。
一方、洗浄剤のカートリッジを見てみると、ヘッドに溜まっていたヒゲがこちらに溜まっていることが確認できる。比較的長めのヒゲもあったのだが、キレイに掃除されているのに感心させられるところだ。
すっかりきれいになった | 洗浄剤のカートリッジを確認すると、ヒゲが溜まっていることがわかる |
なお、洗浄剤カートリッジの寿命はやく1カ月といったところだ。最終的に、どれくらいヒゲが溜まったかで判断されるので、たとえば2回ヒゲを剃るごとに1回洗浄したとしても、結局のところヒゲが溜まる量は変わらない。よって、どうせ寿命は同じなのだから、常に気持ちのよい状態で使えるように毎回洗浄した方が良いだろう。
また、洗浄剤には潤滑剤も入っているため、洗浄することで自動的に刃の手入れもすることができる。そういった意味でもこまめな洗浄をおすすめしたいところだ。
■手動洗浄もOK
水洗いもOK |
このように、普段は洗浄充電器にセット後、ワンタッチで自動洗浄ができるが、もしも出張などで本体のみを持ち歩く場合でも安心だ。
本体は水洗いが可能になっており、ヘッドにハンドソープなどを付けてから、本体のスイッチを2秒ほど長押しすると、「音波洗浄モード」で動作させることができる。これでハンドソープを泡立てて洗ってから、カバーを外して内部も洗浄すれば、外出先などでもキレイに洗うことができる。
水洗いの様子 |
場合によっては、一旦、手動洗浄でヘッド内部のヒゲを取り除いてから、洗浄充電器で自動洗浄するというのも1つの手だろう。こうすれば、よりキレイに洗うことができるうえ、洗浄剤カートリッジに溜まるヒゲの量も少なくすることができるので、洗浄剤の寿命を長くすることもできそうだ。
ちなみに、洗浄剤の寿命が訪れると、本体のランプが赤く点灯してお知らせしてくれる。この場合は、背面から洗浄剤カートリッジを取り出して捨て、水タンクも取り外して水を入れ替える必要がある。
正直、なるべく洗浄剤を長持ちさせ、交換のタイミングを遅らせたい気もするが、交換時に、洗浄剤カートリッジに溜まったヒゲや、水タンクの汚れなどを見ると、「うーむ」とうなりたくなってしまうほど汚れてることがある。肌に当てたときの爽快感のためにもこまめに交換した方が良いだろう。
以上、パナソニックの「ラムダッシュ ES-LA92」を3回に渡ってレビューしたが、さすがハイエンドに位置する4枚刃のシェーバーだけあって、高級感があり、その剃り味も抜群だ。そして何より、いつも爽快な気分でヒゲを剃れるのが良い。誰にでもオススメできる手堅いシェーバーと言えるだろう。
2009年8月28日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)