長期レビュー
三菱電機「熱いまま急っと瞬冷凍 MR-E45P」 その2
三菱電機「熱いまま急っと瞬冷凍 MR-E45P」 |
前回は、冷蔵庫の導入にあたっての機種選びやトレンド、搬入までをお伝えしたが、今回からは実際の使い勝手に関して詳しい機能を見ながら説明していきたい。
まずは庫内から見ていこう。MR-E45Pは冷蔵室、冷凍室、野菜室、製氷室、切替え室から構成される6ドアタイプの冷蔵庫で容量はそれぞれ以下の表の通りだ。なお、カッコ内の数字は実際の食品収納スペースの目安となる。
定格内容積 | 445L |
冷蔵室 | 223L |
冷凍室 | 91L(63L) |
野菜室 | 81L(53L) |
製氷室 | 13L(4L) |
切替え室 | 27L(15L) |
冷蔵室 | 庫内灯は両サイドに設けられている | 卵ケースは引き出し式 |
チルドケース | ドアポケットは高さや幅の異なる3段構成 | ドアポケットには一般的なサイズの牛乳パック4本まで収納できる。写真では長方形サイズの豆乳も合わせて収納している |
冷蔵室の左下に設けられている製氷室。引き出し式になっている | 製氷用の給水タンクは冷蔵室内に設けられている | 給水タンクを取り出すことなく、直接給水できる |
「瞬冷凍」や「切れちゃう冷凍」機能用の切替え室。冷蔵室の右下に設けられている | 冷凍室。透明ケースで仕切られた2段構成になっている | 一番下の野菜室。MR-E45Pの野菜室では、光を野菜に吸収させることによって野菜のビタミン量が増えるとして、天井部にLEDを設けている |
■動くん棚(冷蔵室)
冷蔵室の庫内は棚板が3枚設けられている |
冷蔵室の庫内レイアウトは、中央に大きな棚が3段、左右にそれぞれドアポケット、下部分にチルド室と卵ケースが設けられている、ごく一般的なものだ。特徴的なのは、可動式の棚、その名も「動くん棚」が設けられていること。上下2段の棚の下に設けられているツマミを移動させるだけで、簡単に棚の幅を変えられる。
実は導入前までは、冷蔵庫のレイアウトなんて早々変える事なんてないだろうと思っていたのだが、使い始めてからはヤミつきになってしまった。例えば大きめの皿や、大きめの鍋まで収納できるのはかなり便利だ。
特にこの季節は、多めに作った味噌汁やカレーなど出しっぱなしにしておいたら1日でダメになってしまう。そうはいっても皿やボールに移す一手間が面倒で、余計な洗い物まで出すのも憂鬱だった。MR-E45Pを購入してからは、カレーの鍋もそのまま、お味噌汁の鍋もそのまま冷蔵庫でまるごと保管できるのでかなり楽になった。
上下の棚板の下部分には棚板の間の幅が変えられるツマミが設けられている。棚板にモノが載った状態でも移動できる | 大きめの鍋もそのまま収納できる | 皿や食材に合わせて自由に棚板の幅が変えられる |
また、中央の棚は入れるものに合わせて棚の幅を変えられる仕組みになっている。
そのほか、ドアポケットの配置も簡単に変えられる。前の冷蔵庫からのクセでとか、どうしてもこの位置になど自分の使い方に合わせられるのはやはり便利だ。
3段あるドアポケットのうち、上2段のポケットは場所を変更できる | ドアポケットの側面には場所を設定するためのくぼみが設けられている |
■動くんバー(冷凍室)
冷凍室では、食品を効率的に収納できるように可動式の「動くんバー」が設置されている。小さな板とバーで構成された動くんバーは、それほどすごい仕掛けではないのだが、冷凍食品を多用する人にはかなり便利な機能だ。冷凍食品を横に立てて、側面から押さえるようにすることで、庫内に食材が散乱することなく、見やすい状態で収納できる。
感心したのは、バーは横だけでなく縦にも移動できるということ。位置を自由に設定できることで、サイズが同じ冷凍食品だけでなく、魚や冷凍ピザなど大きめのものにもある程度対応する。
冷凍室に設けられている「動くんバー」 | 動くんバーが冷凍食品を押さえるので見やすい収納ができる | 庫内の側面には動くバーの位置を固定する穴が設けられている。食品の大きさや幅に合わせて場所を変えられる |
■まずは説明書を読むべし!
MR-E45Pの外側に設けられている操作パネル |
冷蔵庫は、生活必需品であるがゆえ、設置後すぐにコンセントを入れたら、すぐにそのまま使い始められる。そのため、説明書を熟読するという人は少ないのではないだろうか。ただし、それは最近の冷蔵庫には当てはまらない。せっかく高い冷蔵庫を買ったのなら是非、一度は説明書を読んで欲しい。というよりも「説明書を読まないと、使いこなせない」というのが正直な感想だ。
MR-E45Pでは、本体前面に操作パネルが設けられている。冷蔵庫の中ではなくて、外側に、だ。複数のボタンに加え、液晶のパネルまで設けられているソレは、この製品のキモとなる大事な機能を操作するためになくてはならないものだ。まずは各機能を簡単に説明していこう。
・「ECOモード」
MR-E45PのECOモードは、庫内の状態を自動で感知し、節電運転に切り替わる。節電運転では冷凍室の温度を少し高めに調節して運転することで、消費電力を抑える。嬉しいのは、扉の開閉時や、霜取り後など庫内の温度を感知して運転を自動で切替えてくれること。節電運転にしたからといって、冷凍庫の温度がいきなり上がるということはまずないので是非活用したい機能だ。
・急冷機能
まとめ買いをしたときや、1度にたくさんの食品を保存したいときに便利なのがこの「急冷機能」だ。こちらも冷蔵室、冷凍室、野菜室に対応している。急冷機能は約2時間で自動停止する。
・瞬冷凍機能
本体中央部に設けられてた切替え室で使用する冷凍機能。独自の技術で食材を熱いまま短時間で急速冷凍する。急速冷凍することで、食品の水分を失わずに冷凍することができ、解凍したときの食感や風味が良いという。
・庫内の温度調節
庫内の温度調節は弱・中・強の3段階が設けられている。設定できるのは冷蔵室、冷凍室、野菜室の3つ。設定温度などは下の表の通り。1番上のボタンで部屋を選択し、2番目のボタンで温度調節を行なう。
瞬冷凍機能に関しては、次回のレビューで詳しくお伝えするが、製品名にもなっているぐらいで、この製品のキモとなっている機能だ。
・製氷切替え
MR-E45Pでは、製氷設定として通常、急速、透明、停止の4つが搭載されている。特徴的なのは、透明度の高い氷を作る透明製氷機能。通常の製氷より時間がかかるものの、家庭の冷蔵庫で作った氷特有の白っぽさが少ない、透明度の高い氷が自宅で楽しめる。
ECOモードをONにした状態。節電運転に切り替わっているときはパネルにECOマークが表示される | 設定の状態は変更時にパネルに表示されるためわかりやすい | 製氷の設定は、通常、急速、透明、停止の4段階が搭載されている |
以上駆け足で紹介してきたが、これらの機能は全て外側のパネルで設定する。操作自体は複雑ではないが、説明書を読まない限り、これらの機能を使いこなすのは難しいだろう。
説明書では、これらの基本的な設定のほかにも「上手な冷凍機能の使い方」や、「節電のヒント」など役立つ機能がたくさん書かれている。
今回のMR-E45Pに限らず、冷蔵庫の最新機種にはこのような機能が多数搭載されている。説明書を熟読して、是非“使いこなして”欲しい。
操作パネルの使い方は絵でわかりやすく説明されている | 庫内の温度設定状態についてもわかりやすい表でまとめられている | 冷蔵庫を使うときのワンポイントアドバイスなども記載されていて、読み応え充分な内容だ |
■冷蔵庫がインテリアの一部になる!
木目調の「プレミアムウッド」。冷蔵庫が変わっただけでキッチンの雰囲気がだいぶ変わった |
新しい冷蔵庫を導入して、最初に変化を感じたのは意外にもキッチンの雰囲気だった。購入したMR-E45Pの本体カラーは木目調の「プレミアムウッド」。本体を置いただけで、これまでのプラスチック感丸出し、生活感丸出しだったキッチンスペースが一気に引き締まって、高級感すら感じる雰囲気になった。
前回のトレンド編では触れなかったが、実は本体カラーの豊富さというのも最近のトレンドでもある。特に三菱では、今回のプレミアムウッドのほかにも、ピンクやブラックなども取り揃えている。
一昔前までは、冷蔵庫といえば白やシルバー、一辺倒だったが、今では“選べる”ようになっている。最近のマンションは、対面式のモノも増えているため冷蔵庫がリビングから丸見えというケースも少なくない。部屋の雰囲気に合わせて、好きなカラーやデザインの冷蔵庫を選ぶ――というのもアリかもしれない。
というわけで今回は、MR-E45Pの基本的な機能を説明してきたが、次回は私がこの製品を選んだ理由とも言える「冷凍機能」について詳しくみていきたいと思う。
2009年8月19日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)