やじうまミニレビュー
オークス「レイエ グリルダッチオーブン」
~魚焼きグリルで本格的なオーブン料理が楽しめる!
(2013/5/27 00:00)
調理器具を調べていたときに、おもしろそうな商品を見つけた。ガスレンジの魚焼きグリルを利用して、ダッチオーブン風料理ができるという蓋付き鍋だ。
一般的なダッチオーブンに比べ、小さく軽いが、ダッチオーブンと同じような料理が短時間で簡単に作れるという。気になったので試してみることにした。
メーカー名 | オークス |
---|---|
製品名 | レイエ グリルダッチオーブン LS1507 |
希望小売価格 | 5,250円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 4,772円 |
ダッチオーブンとは、フタの上に炭を載せて調理できるアウトドア用の蓋付き鍋のことだ。アウトドアで使うダッチオーブンは、鋳鉄製で重く、女性には取扱が難しいが、最近ではル・クルーゼなど自宅のキッチンで使える鉄製鍋も人気で、我が家でも長く愛用している。
分厚い鉄でできた鍋は、温度が均一に保たれるので、じっくりと火が通っておいしく仕上がる。ル・クルーゼは、我が家にはなくてはならない鍋で出番も多いが、鉄製のこういったダッチオーブンは重いので扱いづらいと敬遠する方も多い。
そんな方が気軽に使えるように作られたのがグリルダッチオーブンだ。魚焼きグリルに収まるサイズで、コンパクトなだけでなく軽いのが特徴だ。サイズは310×207×45mm(幅×奥行き×高さ)、重さは実測で1,300gとなっている。ル・クルーゼなどの鍋を持ったことがない方は少し重く感じるかもしれないが、一般的なダッチオーブンに比べると、かなり軽い。
基本的な使い方は、コンロでダッチオーブンの下面を焼き、その間にグリルを予熱する。あとは本体を丸ごとグリルで焼くだけ。両面から火が通り、短時間で仕上がる。両面グリルの場合は、グリル調理だけで調理できる場合もある。
我が家は片面グリルなので、コンロで加熱してからグリルで調理することにした。IH調理器にも対応している。
プリプリでジューシーなガーリックチキン
ダッチオーブンの醍醐味といえば、大きな肉の塊を豪快に焼くこと。グリルダッチオーブンでも、鶏のモモ肉2枚を一気に調理できる。今回は野菜と一緒に4人分のレシピで作ってみた。
下ごしらえは、鶏肉の厚い部分に切り込みを入れ、皮全体にフォークで穴をあける。塩・胡椒をして30分ほど常温においておく。
野菜は一口大に切り、先にオリーブオイルとにんにくで軽く炒める。あとは真ん中に鶏肉を皮面を上にして入れてフタをし、コンロの中火で3分炒めて、グリルに移して強火で7分ほど焼く。このとき、持ち手が熱くなっているので必ずミトンを使用する。
上のほうが少し焦げてしまったが、ジューシーなガーリックチキンが完成した。切ってみると、じゅわっと肉汁があふれる。一緒に調理したにんじんとじゃがいもはとても甘い。特にじゃがいもは、スイートポテトのように甘くなっていたので、子供達も驚いていた。
肉がほんのり甘い塩麹豚のロースト
次に試したのは、豚肉の塊肉だ。下ごしらえに塩麹を使って、1~2日ほど置いてから調理した。
十分に時間を置いた豚肉は、焼く前に袋の上からたたいて厚さを3cmほどにする。肉は加熱すると縮んで厚みが増して、ダッチオーブンのフタが持ち上がってしまうのだ。他の食材もそうだが、必ずフタがしっかり閉まるような厚さにしておくことが重要だ。
あとはクッキングシートを敷き、豚肉を入れて塩胡椒をふり、さらにクッキングシートをかぶせてフタをする。コンロは弱めの中火で5分、続いてグリルで7~10分ほど焼き、10分ほど予熱で仕上げる。
我が家のグリルはあまり火力が強くないので、少し長めに10分ほど焼いたのだが、思ったより火力が強かったようだ。上の方が少し焦げてしまったので、こそげ落としてから切ってみた。
中は少し赤みが残っているが、レシピの写真と同じ程度の赤さだ。火は通っているようなので、このまま食べてみることにした。
塩麹の効果で豚肉がとてもやわらかくなり、ほんのり甘くてこれもとてもおいしい。見た目も豪華なので、特別な日の料理としてもおすすめだ。
根菜類のオーブン焼き
パッケージに「野菜の持つ水分で調理するので、ほっくりと甘味がある仕上がりに。根菜類がおすすめです」とあったので、根菜類のオーブン焼きを作った。
水は一切いれず、にんにくとオリーブオイル、厚切りにしたベーコンと根菜類をいれて、同じようにコンロで3分、グリルで7分ほど加熱する。
野菜がほっくりして、ほどよいベーコンの塩味が野菜のうま味を引き出す。副菜に困ったときは、冷蔵庫にある根菜類をササッとグリルすれば、メイン料理に負けない一品になるので大変助かる。これまでに何度も作っている料理だ。
焼き魚は後片付けが簡単
鯖の切り身を焼いた。我が家は4人家族なので4切れ同時に焼いたが、サイズはギリギリだ。鮭の切り身などは3切れが限界だろう。もちろん、サンマや大きめの干物は入らないことが多い。
魚を焼く場合は、付属の網に油を塗ってから魚を置いて加熱する。焼き魚の場合はコンロで加熱する必要はなく、グリルだけ使用する。片面焼きの場合、途中でひっくり返さなければならない。
焼き上がった焼き魚は、皮がパリパリでおいしい。余分な脂は網の下の鍋に落ちている。魚焼きグリルは洗うのが面倒だが、グリルダッチオーブンなら洗うのも簡単だ。
魚焼きグリルを洗うのが面倒で魚を焼かない人も多いと聞くが、これなら手間がかからないのでおすすめだ。
ピザもカリッとしておいしい
ホームベーカリーでピザの生地を作り、マルゲリータを焼いてみることにした。前日の夜に生地を作り、冷蔵庫で低温発酵し、次の朝に焼いてみた。
オリーブオイルを薄く塗って、グリルダッチオーブンの上で形を整える。あとはフォークで穴をあけ、トマトソースとトマト、チーズをのせてコンロで約2分、魚焼きグリルで4分ほどで焼けた。あとはバジルを乗せて完成だ。
生地はパリッとしていて、とてもおいしい。上からの直火で一気に仕上げるので、釜で焼いたような食感だ。何より、短時間で焼けるのも嬉しい。生地は前日に作っておけばいいので、忙しい朝にも簡単にできる料理だ。
しっとりした食感のキャロットケーキ
子供達が好きそうなキャロットケーキにも挑戦した。ホットケーキミックスを使う簡単なケーキだ。
材料をよく混ぜて、他の調理と同じようにコンロの弱火で5分加熱した後、グリルの弱火で5分ほど焼いて、火を止めてさらに5分ほど加熱すれば出来上がりだ。
すりおろしたにんじんを100gも入れるが、オレンジジュースやくるみなどを入れるので爽やかな味となり、にんじん臭さはない。食感は蒸しパンに近いが、おやつにぴったりで子供達も大変喜んでいた。
これも電子オーブンレンジのように予熱で時間がかかるわけではなく、短時間でできるのが嬉しい。
ただ、フタをしているので焼き加減が確認できないのが少々不便だ。最初、少し生焼けだったので、2分ほどグリルの時間を追加した。火力によって加熱の時間がかわるので、最初のうちは、加熱時間をメモしておいたほうがよさそうだ。
鶏の胸肉もパサパサにならず、ふっくら
鶏の胸肉は「パサパサで食べにくい」と主に子供から文句を言われるので、いつもモモ肉を購入する。しかし、胸肉の価格はモモ肉の1/2~1/3なので、給料日前になると、つい買ってしまう食材でもある。
これまで我が家では、ル・クルーゼを使って鶏ハムを作るのが定番だったが、豚肉と同じように、一晩塩麹に漬け込んでから、野菜と一緒にグリルしてみたところ、これが大成功。
皮はパリッとしているが、中はふっくら。子供はいつも食べているモモ肉だと思ったようで、何も言われなかった。胸肉の調理法にお悩みの方はぜひお試しいただきたい。味付けを変えて色々楽しめそうだ。
くれぐれもサイズは確認を!
色々な調理に使えて便利な製品だが、購入の際は必ず自宅の魚焼きグリルに入るかどうかを確認して欲しい。我が家の場合、縦と横のサイズだけ確認して購入してしまったが、いざ入れてみるとガツンとぶつかってしまった。自宅のコンロはグリル内に出っ張りがあり、それが邪魔になるのだ。
網を取って直接置けば入るが、我が家のグリルは水を入れなければならないため、少し浮かせる必要がある。
そこで、小さめの石を並べ、小さな餅網を載せてからグリルダッチオーブンを載せてみたところ、きちんと収まった。このようなことにならないためにも、購入前はくれぐれもグリル内の寸法をきちんと計っていただきたい。
メイン料理はもちろん、お弁当のおかずや副菜作りにも役立つ
魚焼きグリルやガスコンロの火力は、機種によってさまざまだ。レシピには「中火」と書いてあっても、焦げすぎたり、生焼けだったりする場合がある。
何度か試しているうちに、「鶏のモモ1枚ならコンロは4分で、グリルは8分くらいだな」とコツがつかめてくる。最初のうちは面倒だが、時間をきっちり計っておくと、後がラクになる。
最初は、こんな小さなダッチオーブンで、何が調理できるんだろう? と不安だったが、容量も大きく、鶏肉が2枚同時に調理できるので、肉料理を作ることが多い。
魚は小さな切り身で4切れが限界であり、サンマなどの大きな魚は丸ごと焼くことができないが、少人数のご家庭なら出番がありそうだ。
ふだん魚焼きグリルは魚を焼くときだけ使用しているが、その魚焼きグリルを活用して短時間でおいしく調理できるのは、便利だ。空いたコンロを使えるので、同時に色々な調理ができる。メインの調理だけでなく、根菜類などの野菜をグリルすれば、豪華な副菜になるので助かっている。