やじうまミニレビュー

セイコークロック「SQ760W」

~スピーカーがメインの目覚まし時計でマイルドな目覚めを
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


セイコークロック「SQ760W」

 この冬は、まったく時間通りに目覚められなくなってしまった。もともと目覚めが悪いタイプではあるが、それに加えて朝の空気が寒いため、布団からなかなか出られない。起きてもまた温かい布団の中に戻ってしまい、再び目覚めた後に時計を見て焦るのが常だ。

 これじゃイカン、新しい目覚まし時計を導入しよう、と思ったが、すでに我が家には何台かの大音量目覚まし時計がある。これらを使ってもダメなのだから、もっと違う角度からアプローチした製品がほしい。

 そこで今回選んだのが、セイコークロックの「SQ760W」だ。


メーカーセイコークロック
製品名SQ760W
希望小売価格5,250円
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格3,568円

 もしかしたら、右上の製品写真を見て「どこが目覚まし時計なんだ!」と思われる方がいるかもしれない。平べったいデザインに、中央部に空いた謎の溝と、一般的な目覚まし時計のデザインからはかけ離れた姿をしている。しかし、これはれっきとした目覚まし時計。中央部のスリットは、本体内のスピーカーから流れる音を通すためのもの。本製品は、“音”をテーマにデザインされた目覚まし時計なので、こうしたスピーカーが中心のデザインになっているのだ。

平べったいデザインに、中央に時計ではなくスピーカーを配置した、独特のデザインを採用するパッと見では、これが時計とは分かりにくい。右は過去にレビューで紹介した目覚まし時計「RAIDEN(ライデン)

 本体デザインに加えて、アラーム音も特徴的だ。心を落ち着かせるという「ブルーラグーン」と、気分をリフレッシュさせるという「フォレスト」という2つの“癒しの音”が選べる。「ピピピッ」とか「ジリリリリ」といった、一般的なアラーム音は用意されていない。やさしい音で心地よく目覚めることを狙っている。

 しかし、本当にそんなやさしい音色で起きられるのか? さっそく試してみたいが、その前にまずは時計の準備をしよう。まずは本体背面に、電源となる付属の単三電池を2本投入する。

 時計部分は、スピーカーの下の細長い液晶に、ひっそりと用意されている。表示項目は現在時刻と日付・曜日、温度。電波時計なので、本体背面のリセットボタンを押して置いておくだけで、自動で時間も日付も設定してくれる。手動の設定にも対応している。

電源は単三乾電池が2本。本体に同梱されるスピーカーの下には、ちゃんと時計の表示もある

 目覚まし時刻の設定は簡単。本体背面の「+」「-」ボタンを押せば、液晶の日付表示部が、目覚まし時間に変わる。時間を設定し終わったら、本体側面の「ON - OFF」スイッチを「ON」にスライドさせれば、設定時刻にメロディが鳴る。このあたりは、普通の目覚まし時計と何ら変わりはない。

 ちなみに置き方は基本的には横置きだが、本体背面に埋め込まれているパーツを使うことで、縦置きにも対応する。本体サイズは152×106×26mm(幅×奥行き×高さ)、重量は220gで、普通の目覚まし時計とほとんど変わりない。また、メロディは本体背面の「SELECT MONITOR」ボタンを押すことで、音を確認しながら切り替えられる。

写真中央のスイッチで、アラームのON/OFFを切り替える。その隣にあるツマミは、目覚まし時の音量を調節するもの本体上部にはスヌーズボタンもある。ここを押すと一時的にメロディが止むが、5分おきに再開される
縦置きもできる縦置きの際には、本体背面にあるスタンドを使う

 こうして時刻を設定した翌朝、何やら目覚まし時計らしくないメロディが、SQ760Wから流れてきた。ピアノの美しい旋律に、鳥のさえずりなど、目覚まし時計とは思えないほど、和やかな音色だ。

“目覚ましメロディ”が鳴っているところ。心を落ち着かせるという「ブルーラグーン」気分をリフレッシュさせるという「フォレスト」

 このメロディ、使う前に予め聞いていたのだが、最初は「こんなやさしい音で起きられるわきゃないだろ! 」と疑っていた。しかし実際には、ちゃんと目覚めることができた。

 よくよくメロデイを聞き返してみると、前半は「ピアノの美しいメロディ」だが、後半は「同じ音が繰り返される、アラームっぽい音」になっていることに気づく。そういえば、目覚める前のことを思い返してみると、最初は「なんか美しい音色が聞こえてくるな。テレビ消し忘れたかな」と感じるものの、後半の繰り返される音で「ああ、これは目覚まし時計のアラームだ。起きるんだった」と、眠い頭で気付かされた。ただ単に環境音楽を流すだけじゃなくて、しっかり目を覚ます構成になっているのだ。

 起床時の感覚も良かった。「ジリリリ」といった大きなアラーム音は、頭をガツンと叩かれるようなパワフルさがあるのだが、突然起こされるのでとても不快だ。しかし本製品は、メロディがやんわりと夢の中に入って来て、やさしく頭をノックされているような感覚がある。そのため、マイルドに気持よく目覚められた。

 しかし、弱点もある。それは、目覚ましのパワフルさに欠ける点だ。セイコークロックでは、以前紹介した「RAIDEN(ライデン)」シリーズのような大音量の目覚まし時計を出しているが、それと比べると、耳にガツンとくる強烈な音がない。私自身、SQ760Wのアラームに気づかず寝過ごしてしまうことが1度あった。夜更かしした翌日に早起きしなければいけない場合は、ボリュームのダイヤルを最大にしたり、ほかの目覚まし時計を用意するなどの対策が必要だろう。

音量は本体側面のツマミでコントロールできる

 これまでは音量ばかりを重視していた我が家の目覚まし時計に、美しいメロディでゆったりと目覚めるという、新たなアプローチが増えた。普通の目覚まし時計では起きられない人こそ、一度使っていただきたい。





2012年 2月 7日   00:00