やじうまミニレビュー

セイコークロック「ライデン NR710M」

~確実に目が覚める大音量目覚まし時計
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです




セイコークロック「ライデン NR710M」
 この4月からの新生活になかなか慣れず、寝坊してしまうなんて人も多いだろう。しかし私は、この春新生活をスタートしたわけでもないのに起きられない。この前も、友人との待ち合わせ時刻に見事に寝坊、1時間遅刻してしまった。新社会人の皆さん、こんなダメリーマンになっちゃダメだよ!

 さて、友人との待ち合わせで遅刻なら謝ったりオゴったりすれば何とかなるが、コレが勤務日となれば話は別。上司や他社との打ち合わせに遅刻してしまえば、せっかく手にした職も一瞬にして失いかねないのがこのご時世。労働者としての義務と責任を果たし、我が雇用を守るためには、より確かに目覚めるためのツールが欲しい。

 そこで購入したのが、セイコークロックの目覚まし時計「ライデン NR710M」だ。

メーカーセイコークロック
製品名ライデン NR710M
購入価格3,670円
購入店舗ヨドバシカメラ 吉祥寺店


 “目覚まし時計通(ツウ)”なら、ライデン(RAIDEN)の名前は一度は聞いたことがあるはず。大音量が特徴の、セイコーの人気目覚まし時計シリーズだ。本製品のアラームは、電子音ながらも最大100dBで、メーカーによれば「電車のガード下」並みとのこと。アラームというより“騒音”に近い。これなら起きられそうだと、さっそく会社帰りに購入。なお、同じような形の「NR522」という製品もあったが、NR710Mは数量限定のライムグリーンカラーで、機能はNR522とまったく同じとのことだ。

 本体はデジタル表示ということもあってとてもコンパクト。162×59×94mm(幅×奥行き×高さ)、重量は290gだから、手のひらにも簡単に乗るサイズだ。大音量の割には、非常にかわいらしい外観をしている。モニターも大画面で、時刻も確認しやすい。おまけに日付や曜日、温度や湿度も表示してくれるのもうれしい。

ライデンの「NR710M」。なお、同機能を備えたNR522という製品もあるが、カラーはブラックとホワイトというモノトーンとなるデジタル時計に加え、日付、曜日、温度、湿度も表示できる。なお、アラームをONにすると、写真のようにアラーム時間が表示される

 本製品は電波時計である点も特徴。福島の標準電波送信所から送られてくる電波を受信してくれるので、面倒な時計合わせの手間もない(西日本の場合は福岡と佐賀の県境から送られる)。電池の入れ替えで時刻が「12:00」の初期画面に戻っても、窓の辺りに置いておけば、勝手に時刻あわせをしてくれるのだ。

 本題のアラーム音に移る前に、ボリューム調節機能を紹介しておこう。本体正面右側のツマミがそれで、「MAX」から「MIN」まで、無段階で設定できる。ここをMAXにしておかないと、大音量は味わえないので注意しておきたい。

本体右にあるツマミでボリュームが無段階にコントロールできるスヌーズボタンを押せばバックライトが点灯電源はアルカリ乾電池2本。購入時に付属する

 それでは、最大音量でアラームをスタート。音は下の動画で確認していただきたい。

ボリュームをMAXにした際のアラーム音(大音量なのでボリュームにご注意ください)

 正直な感想を言うと「うるせー!」。こんな小さな本体なのに、何て大きな音を出すんだ。これが100dBの力か……。

 実際に1週間ほど使ってみたが、そのうちアラームで目が覚めないことは1度もなかった。100%の確率で時刻通りに目覚められるのである。効果テキメンとはこのことだ。ただし、叩き起こされるような感覚があるので、スッキリとした目覚めは残念ながら味わえない。

 ここでボリュームを半分くらいまで落としてみると、普通の目覚まし時計と何ら変わりがない印象。100dBの全開パワーを味わった後では刺激が足りない。逆にいえば、通常はやや弱めに設定しておいて、絶対に寝坊できない日にはMAXにしておく、というのが賢い使い方かもしれない。なお「MIN」はかなり小さいので、あまり効果はなさそうだ。

ボリュームを最小まで絞ったアラームと、半分の時のアラーム

 ちなみに、アラームは6パターンから選択可。モニター左下の「SOUND SELECT」というボタンを押すことで切り替わる。音階を使ったものや、「チュインチュインチュイン」といったロボットアニメの効果音のようなものなど、いろいろなパターンがある。私はデフォルトの「ピーピー」というものを使っているが、どのアラームも、後半になると音が強くなったりリズムが早くなったりと、目覚まし時計にふさわしいサウンドとなっている。

アナログタイプのライデン(奥)と比べると、やかましさでは分が悪いか。
 確かに大音量なのはわかったが、ここでアナログ時計バージョンのライデンも試したくなったので、「スーパーライデン NR401S」という製品を購入してみた。このNR401SとNR710Mを比べると、“やかまし度”はNR401Sに軍配が上がる。というのも、NR401Sは本体の大きなベルを叩いて音を出しているので、「ジリリリリリ」と休み無く音が鳴らされる。一方のNR710Mは「ピーピー」という間欠的な音のため、若干弱目に感じられる。もちろん、両方ともうるさいのでちょっとした差でしかないのだが、より大音量を求める人は、アナログ式のライデンが良いかもしれない。

アナログタイプのライデン「NR401S」のベルの音。音量は最大時(大音量なのでボリュームにご注意ください)

アナログ式のライデンよりもコンパクトなサイズも魅力だ
 もちろん、デジタル式ならではのメリットも当然ある。まずはサイズ。NR401Sは大きなベルを備えているため、本体サイズは126×214×133mm(幅×奥行き×高さ)と大きめ。一方のNR710Mは94×162×59mm(同)だから、圧倒的にコンパクトだ。また、当然ながらアラーム時間は1分単位で設定できるため、アナログ式よりも細かい起床時間が設定可能。AMとPMを区別する24時間式なので、朝の8時に設定したハズが夜の8時に鳴る、なんてこともない。サイズと正確性を考慮すれば、デジタル式のNR710Mがお勧めだ。

 大音量で確実に目が覚めるのはもちろん、場所を取りすぎないコンパクトサイズ、正確な時刻を刻む電波時計、温度や湿度など多彩な表示機能など、多くの付加価値を備えた、3千円台としてはかなりお買い得な目覚まし時計だ。朝が不安な人、携帯電話の目覚まし機能がパワー不足に感じられた人には、NR710Mはきっと助けになってくれるはずである。


2010年 4月 12日   00:00