やじうまミニレビュー

タニタ「スモールスケール HD-386」

~宅配便の荷物やスーツケースも量れる小型スケール
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


タニタ「スモールスケール HD-386」

 この夏、長野県松本市にある、はかりを専門的に収集した「はかり資料館」という施設を訪ねた。一帯はもともと養蚕が盛んだったということもあり、館内にはまゆを量る紙製の折りたたみ枡や、まゆの雌雄を選別する天秤など、珍しい計量器が沢山揃っていた。

 現代でも、いろいろなはかりがある。体重を量る体重計や、荷物の重さを計る上皿はかりなどだ。 なかでも最近我が家で便利に使っているのが、タニタの「SMALL SCALE(スモールスケール)」。これは、荷物の重量から自分の体重まで色々量れる計量器なのだ。


メーカータニタ
製品名SMALL SCALE
希望小売価格5,250円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,618円

 SMALL SCALEの本体はコンパクトだ。サイズは135×190×24mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は512g。A5サイズより一回り小さい程度だ。

セットは、SMALL SCALE本体、黒いポーチ、説明書の3点本体裏面と説明書は、11カ国の言語で書かれている

 表面には、重さを表示する液晶パネルを搭載。液晶のサイズは98×60mm(横×縦)で、素材には強化ガラスを採用している。

 本体裏面にはON/OFFを切り替えるスイッチが付いており、電源にはボタン電池CR2032を1個使用する。カラーは今回使用しているグリーンのほか、パールホワイト、ブラック、レッド、オレンジが用意されている。

本体表面。中央が重さを表示する液晶パネル本体背面。左側にON/OFFスイッチが付いている横から見た図。厚さは24mm
本体裏面にはON/OFFを切り替えるスイッチが付いている電源にはボタン電池CR2032を1個使用する

 本体にはクッション性のあるソフトケースが付属する。SMALL SCALEがすっぽり収まるサイズで、ケースにいれてもたいしてかさばらない。

クッション性のあるソフトケースSMALL SCALEがすっぽり収まるサイズ
新書サイズよりやや大きめケースにいれてもそんなにかさばらない

宅配便の荷物や旅行用スーツケースの計量に

 使い方は簡単だ。本体裏面のスイッチをONにして、量りたいものを載せるだけ。計量は1~150kgまで対応し、小数点以下第1位まで表示する。調理やお菓子作りに必要な、1g単位での計量はできない。

 計量にかかる時間は数秒。液晶パネルの上に物を置いて計るため、計量中には数値を確認できない。だが、計り終わるとピピッと音で教えてくれるから大丈夫だ。液晶パネルの表示は、数字が大きく見やすい。

 我が家では、宅配便の荷物や郵便物の計量に使うことが多かった。仕事柄、荷物を受発送する機会が多く、業者に集荷の依頼をする際などに、事前に電話口で荷物のサイズと重量を伝えなくてはならないからだ。

郵便物を量る計っている最中は、液晶パネルは見えない

 旅行用のスーツケースのような大きな荷物も量ることができる。飛行機の旅では、荷物の重量制限が定められていることもある。そんな時に、スケールがあると心強い。

  自分も過去に一度、よその国の空港で、飛行機の重量制限に引っかかったことがある。写真集や画集など、重たい本を買い込みすぎたのだ。結局、追加料金(確か1万5千円前後だったと思う)を払うのも、荷物の中身を捨てるのも嫌で、荷物の少ない同行者に、荷物の一部を預けてなんとか事なきを得た。

 その時はまぁなんとかなったものの、言葉もよくわからない異国の地で、いきなり想定外のことが起きるのは心臓に悪い。離陸時刻が迫っている中でなら、なおさらだ。念には念を、ということで、事前に重さを確認できるスケールがあれば無用な心配はいらないだろう。

 SMALL SCALEでスーツケースの重さを量る時は、計量中にスーツケースがグラつかないよう、バランスを見ながら上に乗せる必要があった。計量が終わったら、スーツケースを降ろして結果を確認する。結果は、約15秒ほど点滅表示されているので、焦って降ろす必要はない。

2、3日の旅行に適した小さめのスーツケースSMALL SCALEにスーツケースを丸ごと乗せる計量が終わったら、スーツケースをSMALL SCALEから降ろして、結果を確認する
長期旅行用の大きなスーツケース計量中。ケースが丸みを帯びているため、やや計りにくい結果はきちんと出た

 

 ほかにも、体重計として使うことができる。旅先で、ついつい食が進んで、帰ってきたら服がキツくなっていた……なんてことのないよう、日々自分の体の状態を確認することも可能だ。ダイエット中の方や、医師の指導の下に体重を毎日記録している方には、小さな体重計が1つあると心強いと思う。

体重も量れる計測中結果。数字が大きく見やすい

 コンパクトという面でも、SMALL SCALEは便利だ。サッと取り出してすぐに使えるので、荷物の出入りの多い玄関の戸棚に収めておくにも良い。スーツケースにも収まりやすい。

 持ち運びにも適している。本体重量は約500gだが、スーツケースに入れて持ち運ぶぶんには気にならないだろう。

スーツケースに入れたところ薄型なので収納しやすいバッグにも入れやすい


 気になる点をあげるとすれば、計量中に液晶パネルが見えないのは不便だ。表示された重量を見ながら、中の荷物の量を減らしたりすることはできないからだ。

また、手荷物柔らかい布や皮製のバックなど、SMALL SCALEに乗り切らないものは、計量できない。

ボタン電池の消耗が意外と早いので、スペアを用意しておいたほうが無難

 そしてもう1つ、ボタン電池の消耗が意外と早かった。本体裏のON/OFFボタンはこまめに切っておいたほうが良い。ボタン電池は、スペアを用意しておいたほうが無難だろう。

用途が広く、持ち運びに便利

 冒頭に長野県松本市の「はかり資料館」について触れたが、そこの展示によると、日本の“はかり”に関する歴史は、8世紀初頭に定められた大宝律令にまで遡るらしい。

 1千年も前から、さまざまな計測器具を使って、日本人は量り続けてきた。それから1千年以上の時が経ち、SMALL SCALEという、1台で色々計れて、かつ薄型で小型という製品が誕生したのは、大げさかもしれないが、じわじわと感動を覚える。

 自宅で荷物の発送が多い方、渡航先で荷物を計量したい方には特にオススメだ。





2011年 9月 1日   00:00