やじうまミニレビュー

KTM「ハンディクーラー」

~気化熱で冷やす高級携帯式クーラー
by 林 佑樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


KTM「ハンディクーラー」

 今回ご紹介するのは、ハンディタイプのクーラーというユニークなものだ。ハンディタイプの扇風機はいくつも登場しているが、ファンが剥き出しであったり、思ったほど涼しくなかったりと気になる点は多かった。だが、このKTMの「ハンディクーラー」は、気化熱を利用することで、屋外でも涼しい風を送れるというものだ。

 


メーカーKTM
製品名ハンディクーラー
希望小売価格6,980円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,980円

 クーラーというと、壁や天井に据え付けて使用するものというイメージが強いが、このハンディクーラーでは、それを手のひらサイズで実現している。その秘密は気化熱だ。あらかじめ空気の取り入れ口とタービンファンの間に水冷スポンジを挟んでおくことで、風が通過する際に熱が奪われ、冷風が出る仕組みになっている。たとえば、気化熱式の加湿器を使っていると室温が下がる場合があるが、原理はそれと同じだ。

 ハンディクーラーの本体サイズは、90×55×175mm(幅×奥行×高さ)。重量は実測で353g(単三形乾電池4本込み)。写真のように成人男性の拳ふたつ分くらいの大きさだ。本体は自立可能で、卓上設置もOK。カラーは今回使用した青のほか、ピンクもあるという。

 電源は単三形乾電池4本、もしくはUSB経由でとる。単三形乾電池4本では、約7時間の動作を確認しているが、屋外だと熱による放電もあるので、実質5時間程度と見ておいたほうがよさそうだ。

写真のように成人男性の拳ふたつ分くらいの大きさで、日本人にはちょっと大きい印象電源は単三形乾電池4本か、もしくはUSB経由側面にある電源ダイヤルを回すとタービンファンが回り出す

 使用する際には、まず水冷スポンジに水を約30ml、染みこませる。出先でも使いやすいよう、容量60mlの水用のボトルも付属している。

 ファンはタービンのようなタイプ。側面にある大きな空気の取り入れ口から空気を取り込んで、排気してくれる。ファンは可動するため、風の位置を定めやすく、お風呂上がりなんかに風を当ててると、とても快適だ。

 風量は、ダイヤル式でスピードを調整する方式を採用している。風量を中から最大程度に設定すると、“涼しい”と感じられた。

空気取り入れ口を取り外して、水冷スポンジの着脱や給水を行う付属のボトル。容量は60ml洗剤などの口と同じ作りなので、ちょっとずつ水を足していける

 そんなわけで、屋外で使ってみた。温度34℃の環境下でどれくらいまで温度が下がるのだろうか? 

 結果は下の写真の通り、34℃から31℃まで温度が下がった。これは気化熱というよりも、風によるものだろう。体感ではもっと涼しく、27℃くらいに感じた。

 ハンディクーラーから出る風は、すぐには冷たいと感じなかったのだが、じわじわと風の温度が下がっていくのがわかった。想像以上に冷んやりした風で、心地よく日向ぼっこを楽しむことができた。

このときの外気温は34度写真のように設置して、5分ほど待ってみた温度は31℃に。体感ではさらに冷風効果があり、体感で27℃程度

気になるのはサイズと静音性。ハンディクーラーは、普段から持ち歩くにはちょっとかさばる大きさだ。また、静音性という面では、風量を最大にしている状態だとうるさい。室内で音楽を聴いてる時などには向かなかった。


動作中に風量を大きくしていったところ。風量を最大にした状態だとうるさい

 また、約7,000円という価格は、この手の製品としては極めて高価であり、購入する人を選ぶ製品であることは間違いない。

 とはいえ、レジャー用としては十分に携行性があるし、自宅で風呂上がりに使えば涼しくリラックスできる。濡れたスポンジに風を当てるという、とても簡単な構造ではあるが、ただ風を送るだけではなく、気化熱を利用した冷風機能が、一応機能してくれるため、普通のモバイル型扇風機とは違う使用感は得られる。ハンディな扇風機でも、一味違った、人とは異なる製品が欲しいという方にオススメしたい。


やじうまミニレビュー
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2011年 7月 22日   00:00