やじうまミニレビュー
デザインファクトリー「携帯型熱中症計(見守り機能付き)」
デザインファクトリー「携帯型熱中症計(見守り機能付き)」 |
今年の夏は、いつまでたっても暑い。お盆を過ぎてからも猛暑日があるほどで、TVでは連日、熱中症で倒れた人のニュースが伝えられている。
熱中症は、身体の内外の熱による症状全般を指すそうだが、このところ伝えられているのは、気温の高さによる身体の不調だ。かつては、日射病と呼ばれることも多かった。熱中症を避けるためには、直射日光を避け、涼しい場所に移動し、水分補給と休息をとることが推奨されている。
しかし、現在の環境が、熱中症の危険が高いかどうかを判断するのは、実は難しい。熱中症指標(WBGT)という指標はあるが、通常の乾球温度計以外に、湿球温度計とグローブ温度計の数値が必要なので、簡単に算出することができないのだ。
デザインファクトリーの「携帯型熱中症計(見守り機能付き)」は、熱中症指標を簡単に見られ、かつ危険度に応じて警告をしてくれるツールだ。日本気象協会が監修を行なっている。
メーカー | デザインファクトリー |
製品名 | 携帯型熱中症計(見守り機能付き) |
希望小売価格 | 2,100円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,100円 |
実は、携帯型熱中症計は昨年から出ていたのだが、去年のモデルは自動的に警告をしてくれる見守り機能がなく、自分でそのつどチェックする必要があった。つまり、そろそろ危ないかなと感じたときに、ボタンを押してチェックして初めて危険性に気が付くという使い方だったのだ。作業やスポーツに熱中しているときに、自発的にチェックすることは難しいので、見守り機能は待望の機能だったのだ。
手元に届いた携帯型熱中症計は、ストップウォッチか歩数計ぐらいの大きさだった。本体サイズは65×46×14mm(幅×奥行き×高さ)、重量は25gだ。電源はCR2032という型番のコイン型電池1個で、寿命は約6カ月とされている。
スイッチは2つ。1つは銀色の丸いスイッチで、これを押すと温度と湿度が液晶に表示され、現在の危険度がLEDで示される。もう1つのスライドスイッチが、新機能の見守り機能のON/OFFだ。ONにしておくと10分に1回の割合で、熱中症の危険度を判断し、警告を発してくれる。警告は警告音が鳴るほか、本体のLEDが5段階で表示する。
パッケージ裏面。製品の概要はこれでわかる | 本体前面 | 本体背面 |
本体側面。開いている隙間は警告のブザー用 | 通電して、ボタンを押した状態 | 本体側面に見守り機能のスイッチがある |
さっそく使ってみよう。まず、本体に、伸縮ストラップを取り付ける。伸縮ストラップにはクリップがついているので、スラックスのベルト止めなどにこれを止める。熱中症計を見たいときは、本体を持って引っ張れば、伸縮ストラップからケーブルが伸びるので、熱中症計本体は、手元で確認できる。手を離せば、ケーブルは勝手に巻き取られるので、邪魔にならない。
伸縮ストラップを付けた状態 | 伸縮ストラップの裏にはクリップがついている | ベルト通しなどにクリップを挟み、本体を見るときは引っ張る |
午後1時過ぎの一番暑い時間帯に、日陰のないアスファルトの道路を歩いてみる。日差しが痛く、みるみる汗が噴き出してくる。温度計はあまり敏感ではなく、ゆっくりと上がっていく。なお、節電のためか、普段は液晶には何も表示されないので、温湿度を知るためには、そのつど銀色のボタンを押さなければならない。このボタンは親指で押すことが多いので、液晶表示は上下逆の方が見やすいと思う。
暑い中を15分ほど歩くと、警報音が鳴り出した。温度は37.3℃、湿度は43%を指していた。「危険」を示す赤いLEDが点灯していた。警報音の音量は大きくないが、「ツィー」という感じの高い音なので、注意を引きやすい。ただ、お年寄りには、もう少し低い音の方が聞き取りやすいかもしれない。
さらに歩いていると、10分ほど経った時点で、再び「危険」を告げる警報音が鳴った。温度はなんと39.5℃を指している。湿度は41%だ。この日は、この温度が最高だった。
最初に警告が出たときは「37.3℃」だった | この日の最高は「39.5℃」 | 直射日光と照り返しで暑い道路を選んで歩いた |
なお、気象庁による、この日の千代田区の最高気温は午後2時の34.4℃だった。路上を歩いていたので、直射日光とアスファルトの照り返しの影響が大きく、それよりも高い温度が表示されたのだろう。自分がいる場所の環境に応じて警告してくれるのは、ありがたい。
自宅内で警告されたときの表示。家の中で「厳重警戒」と警告されるとは思わなかった |
翌朝起きてみると、熱中症計の警報が鳴っていた。気温はそんなに高くないはずだがと思いながら確認すると、温度は32.5℃、湿度は65%だった。「厳重警戒」のピンクのLEDが点灯している。さほど気温が高くなくても、湿度によっては、熱中症を警戒しなければいけないらしい。こういう危険性は、自分では意識しておらず、見守り機能がなければ、ボタンを押して環境をチェックしようとは思わなかっただろう。
熱中症計の表示を、他の温湿度計と比べてみた。熱中症計の温度は、温湿度計の表示とほぼ変わらない。しかし、湿度は高めに表示されることが多い。また、温度と湿度に対する追随がゆっくりで、エアコンのON/OFFを繰り返しても、表示の変化がゆるやかだった。厳密に温湿度を記録するのではなく、状況の変化をとらえて警告してくれる装置なので、それなりの精度だと思った方がよい。
何日か使用していると、意外なところで警告されることがあった。やはり、自分自身が危険を感じていない状態でも、状況の悪化につれて熱中症計が警告してくれるところが良い。使っていると、いくつか気になる点(警告音にボリュームがほしい等)はあるが、現状でも充分に実用的で有効な製品だと感じた。
どちらかといえば、少し大げさに警告をする傾向はあるものの、ころばぬ先の杖と思えば、かえって好ましいともいえる。とくに、自分で危険を感じることが少ないお年寄りに持ってもらったり、幼児を乗せたベビーカーに付けておくと良いだろう。
2010年 8月 26日 00:00
やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです