スペースセイバーハンガー

　洋服の収納にはいつも頭を悩まされる。約5年間に渡り、アパレルメーカーでアルバイトしていたこともあり、洋服だけはそれこそ売るほどある。引っ越しの時に処分したり、妹にあげたりと、なんとか数を減らしてはいるが、数えてみたらデニムだけで52本もあった――不要なものはもちろん処分するのがベストだが、思い入れのあるものや、季節によって使い分けたりもするし。なんてことを思っていたらいつの間にか、6畳一部屋がほぼ洋服になっていた。

　洋服の中でも特に場所を取るのが、ハンガーを使って収納しているジャケットやアウター類。我が家ではラック2つに、クローゼット2つを使って収納しているが、1つのラックに洋服を掛けすぎているせいか、出し入れがしにくく、目当ての洋服を探すのにも手間がかかる。そこで、購入したのが、今回紹介する「スペースセイバーハンガー」だ。

　この製品を始めて知ったのはテレビの通販番組だった。いわく、洋服1枚のスペースに5枚分の洋服を収納できる! しかも5本セットでこのお値段! ついつい、その場で電話しそうになったが、深夜の通販番組にあまり良い思い出がない私はひとまず我慢。後日、東急ハンズで現物を見て、改めて購入した。

　1枚分のスペースで5枚の洋服を収納できてしまうというこの製品。本体の造りは意外と単純なもので、5個の穴が開いたハンガー掛け部分の両端にフックが設置されている。使い方はこれまた簡単。ラックに、左右のフックを掛けて、それぞれの穴にハンガーを掛ける。後はどちらかのフックを下に落としてしまうのだ。すると、それぞれの洋服が微妙にずれて、下に落ち、スペースが省略できるという。

中央にハンガーを掛けるための穴が5つ開いていて、左右にフックが備えられている	フックは、一周ぐるりと回る造り	ハンガーを掛けるための穴はやや小さめだ

今回は5個セットのものを購入した	フックに掛けたところ	5個の穴、全てにハンガーを掛けたところ

　最初は半信半疑の気持ちがぬぐえなかった私だが、使ってみるとほとんど興奮状態(笑)
何コレ、ホントにイイ! その日のうちにもうワンセット購入してしまったほどだ。

　まずは、下の写真を見て欲しい。クローゼット一杯だった洋服が、スペースセイバーハンガーを使ったあとはガラガラになってしまった。

スペースセイバーハンガー使用前のクローゼット。これでも撮影のために間引きしてある	使用後のクローゼット。洋服の枚数は使用前と同じだ。それでもここまで空きスペースができた	このスペースに25枚の洋服が掛かっているのだ

　この製品の強みはいくつかあるが、まず私が感動したのは本体の丈夫さだった。ラックの荷重以上の洋服を掛けて、いくつものラックを破壊してきた私としては、本体の丈夫さは何より気になるところ。今回は、冬物の重くて、かさばるアウターを中心に収納したが、本体はびくともしなかった。

　また、洋服を取り出す時のこともよく考えられている。洋服を取り出すときは、まずフックを持ち上げてラックに掛けてからとりだすのだが、ハンガーを引っ掛ける穴の間にスペースが設けられているため、使っていない時に比べるとはるかに、取り出しやすく、見やすい。

　ただ、洋服5枚分の重さが掛かっているので、本体を下から持ち上げるのにはそれなりに力が必要。日常的に使うものというよりは、普段は使わないけど、手の届く所に置いておきたいというアイテムを収納するのがおすすめだ。

ボリュームのある冬物のアウターをかけても、本体はびくともしない	洋服を取り出すときは下に下がっていたフックを持ち上げる	後は、ハンガーを取り外すだけだ

左が収納時、右が洋服を着脱するときの形	スペースセイバーハンガーを使っていないときのクローゼット。洋服が密集しているため、どこに何があるかわかりにくく、取り出すのにも一苦労だ	スペースセイバーハンガーを使うと、洋服同士の間に間隔ができるため見やすく、取り出しやすい

　また、5枚単位で収納するというのも絶妙だ。我が家の場合なら私の冬物のジャケット、夫の冬物のジャケット、というようにアイテムごとに分けて収納することができる。5枚単位で、なんとなく分けられているので、洋服を取り出す時も迷いが少なく、取り出しやすい。

片方のフックを下に落として使うので、ラック下のスペースには余裕があった方がいい

　使用上の注意としては、まずスペースセイバーハンガーをセットするラック自体の耐久性。スペースセイバーハンガーを使うことで、収納できる洋服の数が格段に増えるので、耐荷重には充分注意する必要がある。

　もう1つ、ラック下のスペースも要チェックだ。スペースセイバーハンガーでは下のスペースを有効に使うことで、収納スペースを確保している。クローゼットの下のスペースにクリアケースなどをいくつも置いてある人には向かないだろう。

　また、スーツのジャケットやワイシャツなど形状を保ちたい衣類にも不向きだ。衣類が重なりあうのでシワが付いてしまう。

　私の場合は、前述したようにシーズン外れのジャケットを中心に活用している。また、デニムジャケットやカーディガンなどの収納にも便利だ。長々と説明してきたが、写真を見てもらえばこの製品の魅力は一目瞭然。洋服の収納に困っているなら、試してみる価値はあるだろう。