やじうまミニレビュー

タカラトミーアーツ「体験王~鑑識捜査編~」

~捜査官気分になれる体験系知育アイテム
by 林 佑樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


 インターネットで検索すればほとんどの情報がそろってしまう世の中だが、それでも体験は大切。というか、実際には体験しないとよくわからないことばかりだ。今回は、自宅で鑑識捜査を体験できるというおもしろアイテム、タカラトミーアーツ「体験王~鑑識捜査編~」を紹介しよう。

タカラトミーアーツ「体験王~鑑識捜査編~」「体験王~鑑識捜査編~」に入っている体験キット一式。スポイトや簡易的な虫眼鏡まで用意されている

メーカータカラトミーアーツ
製品名体験王~鑑識捜査編~
希望価格2,499円
購入場所Amazon.jp
購入価格2,497円

 「体験王~鑑識捜査編~」はドラマや映画で見る鑑識捜査一連の流れを体験できてしまうというもので、血液鑑定、pH測定、顕微鏡観察、指紋検出の4つの体験ができる。パッケージを見た第一印象では、指紋検出に強く惹かれた。

 というわけでさっそく指紋検出をしてみよう。指紋検出薬とポンポンことタンポ、そして別途用意したセロハンテープを使用する。手順は指紋が付いていそうなコップや手すりに、タンポで指紋検出薬を付着させていく。それからセロハンテープで指紋を写し取り、指紋採取シートに貼り付ける。そうすると見事に指紋が確認できる。コツとして、セロハンテープで指紋を取るときは、まずゆっくり貼り付け、面に対して垂直に押してしっかりとセロハンテープに付着させるとばっちり指紋採取できる。

タンポに指紋検出薬をまぶして使う。粉は銀色でけっこうキレイコップに指紋検出薬をつけてみたところ。タンポでポンポンとやさしく付着させていくのがポイント。この段階で指紋が見えている
 
金属面でもテストしてみたが、とりあえず付着している感じになった付属の指紋採取シートで確認。左から軽くセロハンテープをつけてはがしてみた状態、中央はしっかりとセロハンテープを押した状態、右が金属面の結果。中央だけが指紋がくっきりと判別できる

 

pH値のチェック。左からpH測定薬、中央が水道水、右が浄水器を通した水道水。チェックシートは本体パッケージから切り抜いて使用する
 pH測定では水道水などの水溶液を調べてみよう。まずは、水道水と浄水器のpH値を調べてみた。付属のスポイトで溶液を採取し、試験ビンに入れてからpH測定薬をひと液垂らす。その後、試薬ビンを振ると液体の色が変化していく……と捜査というよりも実験感覚でおもしろい。なおpH値は0~14までの目盛りがあり、7を中性として、0に近づくほど酸性、14に近づくほどアルカリ性となる。

 顕微鏡観察はプラスティック製ではあるが、意外にもしっかりした造り。プレートも付属しているので塩や砂糖といった細かい物体を覗いて楽しめる。ほかの3捜査と比べてみると、けっこうフツーという印象だが、中学時代の理科の授業を思い出しつつ楽しんでしまった。

プラスチック製ながら意外と出来のいい顕微鏡顕微鏡で見るなら指紋検出薬がオススメ。ユニークな形状をしているので見てもらいたい

 そして、血液鑑定。血液型関係ではなく、ルミノール反応を楽しめる。ルミノール反応とは血液が付着した部分に作成した液体を垂らすと、暗がりで発光するという……これも捜査モノドラマでお馴染みのヤツだ。TVでは犯人が血痕をしっかり拭きとっていても、ルミノール反応が出てしまい、ホシが割れる――なんてシーンをよく見かけるが、このキットではしっかり拭いた場合、反応はなかった。

 発光具合はかすかなもので、部屋を真っ暗にしないとよくわからないほど。また時間も短く、ルミノール試薬を垂らした直後はけっこう明るく発光するが、数分で淡く光る程度になってしまう。実験はカッティングマット上でやってみたが、発光を考えるとティッシュやタオルなど白色の生地を土台に試すとよさそうだった。当然だが、これは人の血液でなくても魚などの血液でも確認可能だ。

ルミノール試薬は、血液判定薬A・Bをゆるま湯に混ぜて生成する。なおすぐに使用しないとダメで、蓋をして保存しておくと酸素が発生して、試験ビンが割れる可能性がある説明書をよく読むと、食料品の血液でOKとあるのだが、しっかり読んでいなかったので……がんばって指先を切って血液を用意したルミノール試薬を垂らしたあと、部屋を暗くすると血液であれば青く発光する。左が反応を開始してから3分経過した状態、右が約10分経過した状態で、長時間発光しないことがわかった

 自宅にいながらにして、普段できない体験ができる。親子で楽しむだけでなく、大人だけで十分楽しめる。もちろん、「体験王~鑑識捜査編~」から化学反応に興味もってさらに自分で追求してみるのもおもしろい。小生としては短時間で意外と遊べて気分転換になるナイスアイテムという印象だ。




2010年 3月 25日   00:00