やじうまミニレビュー

ペーパードリップのおいしさを再認識させてくれるドーナツドリッパー

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

ペーパードリップを見直すための道具

TORCH「ドーナツドリッパー」

 今日は、「ドーナツドリッパー」というコーヒーを淹れる道具を紹介しよう。

 ドーナツドリッパーは、ペーパードリップでコーヒーを淹れるための道具だ。ペーパードリップは、紙フィルターを使い、自分の手でお湯の量を調整しながら淹れる方法だ。

 ペーパードリップで使う道具は、ペーパーフィルターと、それを支えるドリッパーの2つだけだ。準備も後片付けも簡単なので、良く普及している。私も、ずっとペーパードリップでコーヒーを楽しんできた。

 しかし、ペーパードリップには、「濃いコーヒーが淹れられない」とか、「香りが立たない」と批判する人も多い。

 今回紹介するドーナツドリッパーは、ペーパードリップの美味しさを引き出すための道具として、改めて考えられた製品だ。それだけに、ちょっと変わった部分も多く、使う前から楽しみにしていた。

メーカー名 TORCH
製品名 ドーナツドリッパー
購入先 Amazon.co.jp
購入価格 2,415円

ドーナツドリッパーの3つの特徴

 ドーナツドリッパーの目標は、「しっかり濃いのに、重くなく、スッキリした飲み心地のコーヒー」だという。

 そのため、ドーナツドリッパーは、通常のドリッパーとはかなり異なった形をしている。特徴は次の3つだ。

1)ドリッパーの角度が急
2)空いている穴は1つで、直径が大きい
3)ドリッパーの内側に段々がある

 つまり、お湯が通るコーヒーの層を厚くしたい、穴の大きさや数でお湯を貯めることはせずに自然に流したい、コーヒーに触れずにドリッパーの壁を伝って下に落ちるお湯はなくしたい、ということだ。

ドーナツドリッパーでは、大きな穴が1つ空いている
ドーナツドリッパーの内部には段差が作られている
【参考】一般的なカリタ式のコーヒードリッパーでは、小さい穴が3つ空いている。メリタ式では小さい穴が1つだ

 また、外観上の特徴として、ドリッパーには支えとなる部分がなくコップのような形をしている。使用するときは、木で出来たリングを使ってドリッパーを支える。

 白いドリッパーとナチュラルな木のリングとの取り合わせは、普通のドリッパーとは異なった、特徴的な外観だ。普段とは、ちょっと違う特別な道具を使っているという気分を味わわせてくれる。

ドリッパーをセットする

コーヒーサーバー代わりにガラス製の急須を使った

 ドーナツドリッパーでは、1〜3人分のコーヒーを淹れることができる。1人前のコーヒー豆の量は12g、お湯の量は120mlと指定されている。

 一般的なドリッパーと異なり、底部が下にはみ出すので、基本的にコーヒーサーバーを使う。私は、ハリオの茶茶急須の700mlタイプをコーヒーサーバーの代わりに使っているので、今回もこれを使用した。豆は中挽きのモカで、いつも2杯分入れている。

 茶茶急須の上に、ドーナツドリッパーの木製の輪を置き、そこにドーナツドリッパー本体をはめる。これに、ペーパーフィルターをセットすれば準備完了だ。このペーパーフィルターの折り方が、ちょっと変わっている。

 ドーナツドリッパーは、1〜3人用だが、ペーパーフィルターは「4〜7人用」の大きめなフィルターを使う。メリタで言えば「1×4」、カリタで言えば「103」と呼ばれるサイズだ。

 折り方もちょと変わっていて、通常の折り方よりも、折りしろが大きく、尖った角度に折る。これは、写真を見て欲しい。

ドーナツドリッパーでは4〜7人用の大きなペーパーフィルターを使う
左が今回使った103タイプ、右が一般的な2〜4人用の102タイプ
重ねてみると、底辺部分は同じ大きさであることがわかる
ペーパーフィルターを1枚用意する
底部を斜めに折る
裏返す
底の部分が4cmほどの大きさになるように、大きく折り返す
ペーパーフィルターをドーナツドリッパーにセットする
横から見ると、ちょっとはみ出して見えるがコーヒーをセットしてお湯を注ぐとちょうど良い高さになる

 最初は、どうして、大きいフィルターを使うのか分からなかったのだが、ドーナツドリッパーにセットしてみると分かった。ドーナツドリッパーは、大きめのフィルターでないと深さが足りなくなるのだ。

活かすも殺すもお湯のさし方しだい

 ペーパードリップは、豆やドリッパーという道具立ても重要だが、お湯のコントロールがコーヒーの味を決める大きな要素だ。もちろん、そのためには湯量のコントロールができる、コーヒー用のポットは大前提だ。

 ドーナツドリッパーについても、豆の入れ方、蒸らし、お湯を注ぐ速度のイメージ、などが詳しく指示されている。ドーナツドリッパーのサイトには、動画もあるので、それを見るとお湯を注ぐスピードのイメージが掴みやすいだろう。

 簡単に抜書きすると、次のようになる。

・蒸らしは「内側から全体に染み渡らせるイメージで、25〜35秒ほど待つ」
・分量の半分までは「ぽたぽたと、ゆっくり」
・残りの半分は「少し速く、前半に抽出したコーヒーを薄めていくイメージで」
・最後はえぐ味が出るのを避けるため、ドリッパーにお湯のある状態でサーバーから外す

 これらの指示に従いながら、コーヒーを淹れてみる。動画を見ると、特に前半はお湯を少しずつ注いでいるので、できるだけ心がけてみる。淹れたコーヒーは、いつものコーヒーに比べると、はっきりと美味しい。かなり濃く、香りが立っている。一緒に飲んだ家族も同じ感想だ。

フィルターにコーヒーを入れる
これで2杯分。中央部をちょっとへこませる
最初にお湯をさし、蒸らす
しばらく待って、香りが立ったところでお湯を注ぐ

自分の技術を見直すきっかけとして優れた道具

無事にできたコーヒーをカップに注ぐ。香りが強い濃い目のコーヒーだ

 ペーパードリップのように、道具と手技が組み合わさって結果が出る作業では、お湯の注ぎ方という手技が、コーヒーの味のかなりの部分を左右する。ドーナツドリッパーを使ったからと言って、乱暴なお湯の注ぎ方をすれば、やはりコーヒーの味は台無しになってしまう。

 今回、ドーナツドリッパーで淹れたコーヒーが、普段のコーヒーよりも美味しかったのは、ぞんざいになってきていた淹れ方が、基本に則った正しい淹れ方に近づいたという部分も大きいと思う。

 そうであったとしても、新しい道具を使うことで、基本的な作業を改めて学べるのは意味のあることだ。また、ドーナツドリッパーは、丁寧な正しい方法で行なわれた作業を、美味しいコーヒーとして返してくれる優れた道具だということだ。

 コーヒーを淹れる作業にマンネリを感じている人や、新しい道具に挑戦してみたいと思っている人におすすめしたい。いつの間にか緩んでいた、作業や手順を見直すきっかけとしても推薦する。

(伊達 浩二)

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