やじうまミニレビュー

東洋アルミエコープロダクツ「焼きもろこし 黒ホイル」

~下茹でなしでとうもろこしが屋台の味に!
by 藤山 哲人


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


東洋アルミエコープロダクツ「焼きもろこし 黒ホイル」

 スーパーで近頃よく見かけるようになった生の「とうもろこし」。今は九州地方産のものが多いが、これからゆっくり北上して北海道産のとうもろこしが8月辺りまで旬で楽しめる。

 塩茹でしてもおいしいが、筆者の一番のオススメは蒸し焼きとうもろこし。ツブがふっくら仕上がるだけじゃなく、適度に水分が抜けるので味が凝縮され、仕上げに醤油をかけ焦がしてやると、甘みと醤油のハーモニーが口いっぱいに広がり、香ばしさが鼻を抜ける。

 そこで見つけたのが、自宅のトースターで手軽に屋台の味が楽しめるという、東洋アルミエコープロダクツの「焼きもろこし 黒ホイル」だ。


メーカー東洋アルミエコープロダクツ
製品名焼きもろこし 黒ホイル
購入場所Amazon.co.jp
購入価格263円

真っ黒なアルミホイルで熱を吸収しやすいのがウリ

 パッケージからホイルを取り出してみてビックリするのは、その色だ。このホイルは、片面がまるで複写用のカーボンペーパーのように、つや消しブラックなのだ。裏面はフツーの銀色のアルミホイルになっている。

 パッケージには、この黒いアルミホイルで焼くと「ふっくら、香ばしく屋台のおいしさ」になるとあるが、その理由はパッケージにも同社のホームページにも明言されていない。そこで姉妹品の「石やきいも 黒ホイル」の説明を確認したところ、黒いアルミホイルで焼くと、普通のアルミホイルで包んだ場合に比べ、半分の時間で焼きあがり、麦芽糖も2倍以上増えて、甘みが増すという。

普通のアルミホイルは両面とも銀色だが、このホイルは片面が真っ黒裏はツヤツヤした銀色の普通のアルミホイル。とくに厚手ということもない

 ホイルは幅25cmで長さが2.5mある。メーカーではおよそ10回分の焼きとうもろこしが作れるとしているが、枝が少しついていたり、大きめのものだと、7回分ぐらいだった。

 今回は、熊本産の甘ーいとうもろこしを、黒ホイルと普通のホイルで焼いて味比べしてみよう。

 まずこのアルミホイルの黒い部分を外側になるようにして、生のとうもろこしを包み込む。加熱時間は1,000Wのオーブントースターでおよそ30分。結構長いので、ゆっくりできあがりを待ってみよう。

銀色の方を内側にして、生のとうもろこしに密着するように巻き、黒い部分を外側になるようにする見るからによく火が入りそうな感じだ
奥が普通のアルミホイル、手前が「焼きもろこし 黒ホイル」で包んだものうちのトースターは1300Wなので、計算してみると加熱時間およそ23分。タイマーは15分までしかないので、15分+8分で加熱したさてどっちがおいしく焼けるか楽しみだ!

 焼きあがったら、醤油をたらして再び5分加熱。できあがりは、ほぼ同じように見えるが、黒いホイルを使った方は、ツブに少しシワができていて、若干水分が飛んでいるような感じだ。普通のアルミホイルのほうは、ツブがパンパンに張った状態になっているのが特徴的。

焼きあがったらアルミホイルをはがして、醤油をたらしてさらに5分加熱する黒アルミホイルは、わずかだがツブにシワが寄っている普通のアルミホイルは、ツブがパンパンに張っている。これが熱の通り方の違いなのだろう

普通のアルミホイルと比較! 

 では家族みんなで試食して、どちらがおいしいかを判断しよう。

夕食前で「お腹がすいたー!」と言ってたところなので、ナイスなタイミング。いや、なんでもおいしく感じちゃうからタイミング悪いのか?ジャッジは、娘3人と筆者と奥さん。犬は見ているだけ(笑)

 まずは娘2人に「おいしかったものを指差して! 」と号令をかけると、意見は真っ二つに分かれた。その後、奥さんともうひとりの娘にも聞いてみたが、意見が2分した。感想をまとめると「黒ホイルで焼いたものは、水分が飛んでプリプリ感が少ないけど、甘くておいしい」「普通のアルミホイルは、ツブの食感が缶詰みたいにプリプリでジューシー」というのだ。というわけで、最終ジャッジは筆者に託された。

 改めて食べ比べてみると、黒ホイルで焼いた方が甘みが強く、食べた瞬間に甘みを感じる。かたや普通のアルミホイルで焼いた方は、ひと口目はそれほど甘みは感じられず、長く噛んでいてやっと甘みが出てくるという印象を受けた。

 もしかすると、黒ホイルで焼くと、普通のホイルで焼くより火がよく通ることで、とうもろこしのでんぷんの糊化が進むのかもしれない。お米を焚くと甘くなるのと同じ原理だ。普通のアルミホイルの場合は、さほど温度が高くないため、糊化の進行が黒ホイルよりも遅いのだろう。噛んでいるうちに甘く感られるのは、唾液ででんぷんが糖に変わるため、徐々に甘くなっていくものと思われる。

 なんでこんなことを言うかというと、とうもろこしの粒の中に温度計を差し込み、それぞれのホイルで包んだ場合どれだけ温度が違うのかを比較する実験を行なったからだ。実験結果は以下の画像の通り。

「焼きもろこし 黒ホイル」と一般的なアルミホイルで焼いた場合の、とうもろこしツブ内部の温度変化

 黒い線が黒いアルミホイルの温度上昇を示している。最初はそれほど温度差はないか15分を越した辺りから、黒いホイルはなおもまだ直線的に温度が上がるが、一般のホイルは頭打ちが来ている。

 このグラフから分かるのは、普通のアルミホイルで作るより短時間でかつ、ツブの中まで火が通るということだ。というわけで、実験結果と自らの味覚に基づき、焼きもろこし 黒ホイルに1票を投じたい。

 これからとうもろこしの美味しい季節が始まる。黒ホイルを使って、短時間で美味しい焼きとうもろこしを作ってみてはいかがだろうか。





2012年 5月 18日   00:00