やじうまミニレビュー
夏本番! 本当に使える“涼感シーツ”はどれだ!
梅雨も明けてないというのに、連日の真夏日・熱帯夜続きに早くも夏バテ気味だ。“節電の夏”と言われる今シーズン、企業やお店では軒並み設定温度を低めに設定している。そのため、心なしか去年より暑く感じる。節電しているのは、会社や公共機関だけではない。自宅でもなるべくエアコンを付けるのを我慢して、設定温度も高めに設定している。
そこで、導入したいのが、夏を乗り切るための「涼感グッズ」。タオルや個人で持ち歩くタイプの扇風機など様々なものがあるが、今回は寝る時に使う寝具、シーツをご紹介しよう。
「暑さをしのぐ」「寝苦しい夜に」などの謳い文句が並んだ、いわゆる「涼感シーツ」と呼ばれる製品だが、暑さをしのぐためのアプローチは製品によってかなり違っている。今回選んだのは、昔ながらの「竹シーツ」、冷感が得られるジェルが内蔵された「ジェルマット」、最新技術が使った高機能繊維を使用した「アウトラスト」の3種類だ。実際に自宅で使って、使い心地を試してみた。
■竹のひんやり感が気持ちいい「竹シーツ」
快眠ふとん・まくらの羽島「ひんやりゆったり竹シーツロール・ダブル」 |
まず紹介するのは、快眠ふとん・まくらの羽島「ひんやりゆったり竹シーツロール・ダブル」だ。竹は涼感を得る素材として古くから枕やラグなど様々なものに加工されている。竹シーツは、そんな竹の特性を活かして、竹をそのままシーツにしてしまったというもの。
メーカー | 快眠ふとん・まくらの羽島 |
製品名 | ひんやりゆったり竹シーツロール・ダブル |
購入価格 | 3,880円 |
本体は大きめの細長い段ボールに入って届いた。見た目はシーツというよりも床に敷いて使うラグマットのようだ。梱包から取り出してみても、その印象は変わらなかった。表面の硬さも、香りもまさに「竹」そのものだ。
実際にベッドに敷いてみると、思いがけず涼しげな印象。竹の色と、雰囲気がなんだかアジアンチックでさえある。今回はダブルサイズのものを購入。サイズは、1,350×1,950mm(幅×長さ)で、サイズはぴったりだった。
製品本体 | 竹製の本体は固い | 枕やかけ布団などとコーディネートしたところ。竹がアジアン風の雰囲気を演出してくれる |
本体素材は竹なので、普通のシーツやマットに比べるとかなり固い。手でたたくとトントンと音がするほどだ。肝心の涼感はというと、これがなかなか。表面がひんやりして良い気持ちだ。一般的な寝具に比べて通気性が良く、熱がこもりにくい。そのため、夜中寝ていて寝返りを打つと、その部分が冷たくて気持ちいい。暑さは、かなり軽減できるといっていいだろう。
しばらく使っていると、肩や腰が痛くなってしまった。本体はラグとしても使えるので、身体に合わなかった場合も安心 |
その一方、大きな問題が寝心地だ。暑さが凌げるといって、4日間ほど喜んで毎晩使っていたところ、朝起きると首や腰に痛みを感じるようになった。最初は体調を崩したのかなと思っていたが、シーツを柔らかい一般的なタイプに戻すと痛みは消えた。
寝ている本人はそれほど、固さを感じていなかったのだが、腰や首には負担がいっていたようだ。なお、体の痛みや固さについては体質によって好みの差があることを、あらかじめご了承いただきたい。
ひんやり感は気に入っていただけに、少し残念な結果だが、ひんやりゆったり竹シーツロールはラグとしても使える。寝具は、寝心地を左右するものだけに、ほかの道が用意されているというのは嬉しい。
快眠ふとん・まくらの羽島(楽天市場 直販サイト)
http://www.rakuten.co.jp/hashima-shinsou/
製品情報
http://item.rakuten.co.jp/hashima-shinsou/02sk-bamboo-rolld/#02sk-bamboo-rolld
■さらっとした寝心地。ハイテク素材の「アウトラスト」
アウトラスト「敷きパッド エスタシオン」 |
次に紹介するのは、温度調節機能があるという「アウトラスト」を使ったシーツ「敷きパッド エスタシオン」。アウトラストとは、NASAのために開発されたというハイテクな素材で、肌の表面温度を快適にコントロールするという。本体の中にはマイクロカプセルが内蔵されており、暑いときは余分な熱を吸収、寒い時には吸収した熱を放出して、体温をコントロールするのだという。
ほかの2つの製品が暑さ対策専用の製品なのに対して、アウトラストは年中使えるという点が大きな違いだ。
メーカー | アウトラスト事務局 |
製品名 | 敷きパッド エスタシオン ダブル |
購入価格 | 7,980円 |
枕やかけ布団と組み合わせたところ | 敷き布団に固定するためのバンドが付いている | アウトラスト商品であることを示すタグが付いている |
普通のシーツと同じように洗濯できる |
本体の見た目は、特に変わったところはなく、普通のシーツと全く一緒だ。ベッドマットや敷き布団に固定するためのバンドが付いていたりと、シーツとしての使い勝手も良い。
寝心地もジェルマットや竹シーツに比べると、一般的なシーツに近い。一番大きな違いは、肌の感触だろうか。綿のシーツなど、暑い夜はそれ自体が湿気を含んでしまうが、アウトラストの表面はいつでもサラっとしていて、とても寝心地が良い。
大きな利点としては、普通のシーツと同じように洗濯できること。この季節、いくらシーツで涼感を得ようとも、どうしても汗が流れ出てしまうので、好印象だった。
アウトラスト
http://www.outlast-japan.com/
■朝までひんやり感が持続「ひんやりジェルマット」
ヒラカワの「ひんやりジェルマット ダブル」 |
最後に紹介するのは、ヒラカワの「ひんやりジェルマット ダブル」だ。ジェルマットというのは、かなり前から熱帯夜対策グッズとして注目を浴びている製品だが、個人的に使うのは今回が初めてだった。
本体内部には、水分をたっぷり含んだジェルを内蔵しており、体の熱をゆっくりと吸収するという。体の熱を含んだジェルはしばらくすると温度が上がってくるが、寝返りなどをうってその部分のジェルから体を離すと、また温度が下がるため、朝まで持続して使えるという。
メーカー | ヒラカワ |
製品名 | ひんやりジェルマット |
購入価格 | 6,980円 |
ひんやりジェルマット ダブルは、今回試した2製品とは違い、体の中央部分だけをカバーするタイプ。本体のサイズも1,400×900mm(幅×長さ)と、長さは一般のシーツの半分以下だ。本体はジェルの偏りを防ぐために、立て横に仕切りがある。
実際使ってみると、ちょっとびっくりするぐらい冷たい。綿のシーツなどと比べると明らかに温度が違うといった感じだ。横になって寝てみても、そのひんやり感は続く。
ジェルと聞くと、表面が柔らかく、身体が揺れるような感覚があるのかなと思っていたが、ひんやりジェルマットは、そんなことは全くなかった。指で表面を押すと、確かに沈み込むような感覚はあるものの、横になると一般的なベッドマットの寝心地と変わらない印象だ。
製品パッケージ | 本体には水分を多く含んだジェルが内蔵されているという |
もう1つジェルマットで気になっていたのは、冷たさの持続性について。一部のジェルマット製品では、朝になる頃にはジェルが熱を持ってしまって、冷たさがなくなってしまうという話を聞いたことがあるからだ。ひんやりジェルマットの場合、熱さを感じたことは一度もない。
一点だけ注意したいのは、室温温度が高すぎる場合についてだ。ひんやりジェルマットでは室温が30℃以上の場合、冷却効果が弱くなる場合があるという。とはいっても、最近では室温が30℃以上になるなんて良くあること。エアコンなどと併用してうまく使っていきたい。
ヒラカワ
http://hirakawa-corporation.com/
製品情報
http://hirakawa-corporation.com/item/gelmat/index.html#page07
■総評
まずは、使い比べたうえでの順位を先に発表しよう。
1.ヒラカワ「ひんやりジェルマット ダブル」
2.アウトラスト「敷きパッド エスタシオン」
3.快眠ふとん・まくらの羽島「ひんやりゆったり竹シーツロール・ダブル」
今回使った3製品は、どの製品もしっかりしていて、それほど大きな不満はなかったのだが、暑さ対策として考えた場合、ヒラカワの「ひんやりジェルマット ダブル」が一番冷たさを感じることができた。もし、これが布団全面タイプだったら、身体が冷えすぎてしまうかもと感じるくらいだったので、普通のシーツの半分の大きさという本体サイズもよく考えられているなと感じた。
また、本体は水洗いにも対応していて、汚れたら洗えるというのもポイントが高い。さすがに洗濯機では洗えないが、シャワーなどを使って水洗い、その後は影干しすることで繰り返して使用できるという。
アウトラストの「敷きパッド エスタシオン」については、特殊な機能が備わっているのにも関わらず、汎用性が高く、かなり評価が高い。ただ、「涼を得る」という目的で考えると、ひんやりジェルマットや竹シーツの方が効果が得られる。そのため、今回は2位とした。
竹シーツに関しては、首や腰が痛くさえならなかったら……というのが正直なところ。しかし、ラグマットとしても立派に役割を果たしてくれるので、一度竹シーツを試してみたいという人にはお勧めできる製品だ。
以上、涼感シーツの使い心地をレポートしてきたが、いうまでもなく暑さはこれからが本番。節電を心がけるのも大切だが、体調をくずさないように、このような涼感グッズをうまく取り入れていきたいものだ。
2011年 7月 6日 00:00
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