やじうまミニレビュー

タカラトミー「ポテチの手」

~プログラマ必見、手を汚さずにお菓子を食べる便利グッズ
by 藤山 哲人


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



タカラトミー「ポテチの手」

 人間は2つの種族に分けられれる。それは、

 パソコンが汚れてても一向に気にせず使うヒトと、パソコンがキレイじゃないないと気が済まないヒトだ。

 そう思いません? ウチの奥さんは前者の人種で、キーボードが真っ黒になろうと、ディスプレイにホコリが積もろうと、まったく気にせず使うヒト。で、こんなヒトがキレイじゃないと気が済まないっていうヒトのパソコンの前に来ると大変だ。

 液晶パネルに指をつけて「ココ!これどうするの?」

 とか聞いてくる。筆者は、後者のヒトなのでディスプレイ指紋をつけるなんて言語道断! 「あーーっ!画面に触るなっ!」となる。

 そして会社でよくあるシーンが伝言メモ。前者のヒトが電話を取ったりすると、

机にガラスクリーナーが置いてある人のディスプレイに、伝言メモを貼ってはいけません!

 うわぁ~!ディスプレイにポストイットが貼りやがった!

 という結末に。キーボードのキートップに貼る人もいるけど、あれもチョットだけ糊が残ったりするので、勘弁して欲しい。

 今回紹介する超便利グッズは、パソコンがきれいじゃないと気が済まない!というヒトの救世主だ。その名も「ポテチの手」だ。



メーカータカラトミー
製品名ポテチの手
希望小売価格699円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格664円


潔癖症が多いプログラマは、ハシを使ってお菓子を食べる?


箸でも手を汚さずに食べられるけど、利き手が自由にならないという問題点がある。「ポテチの手」なら、利き手でなくても使用できる

 こんなこと書くと差別って言われるかもしれないが、少なくても筆者の周りのプログラマは、どんなに部屋や机が汚れていようとも、ディスプレイとキーボード、そしてマウスはピカピカだ。

 そんな彼らも、また2つの人種に分けられる。

 飲み物系しか口にしないプログラマと、お菓子バリバリ食ってるプログラマ(笑)

 お菓子を食べた手でプログラムを書けば、キーボードはデロデロになって当然なんだが、不思議とキレイになっている。作るプログラムは素晴らしいけど、言動がちょっとバグってるプログラマにいたっては、朝から晩まで「煮干し」をポリポリ。魚臭せーっ!

 こんな仕事中に何か食べてるプログラマは、みんな申し合わせたように、お箸やら100円ショップで買ったトングの小さいヤツを使って食べている。もちろんキーボードが汚れないようにするためだ。おそらく日柄一日パソコンを使う仕事であれば、同じような光景が全国津々浦々、いや世界中で見られるだろう。

 そこに登場したのが、タカラトミーから売された「ポテチの手」だ。メーカー希望小売価格は699円(税込み)なので、まあ100円ショップのトングやお箸に比べると割高だが、「手を汚さずにお菓子を食べる」ための専用機だけあって素晴らしい機能が盛り込まれている。


コンピュータの最新テクノロジーみたいな4文字アルファベットの機能

 パッケージの裏を見ると、さすが専用機! と思わせるさまざまなテクノロジーが搭載されている。以下に順番に紹介しよう。

・NBCS - NoBroken Clutch System(対象物破損防止クラッチ)
 写真のように取っ手についているボタンを押すと、指先が開閉するようになっているが、ボタンを強く押してもポテチが割れないように力を調整するクラッチ機構が搭載されている。

パッケージにある3つのキーテクノロジー。「NBCS」「FECS」「NTTS」って、それどんなファイルシステム? みたいな名前が付けられているどんなに強く、どんなに素早く押そうと、ポテチが割れることのないクラッチ機構。それがNBCSの実力だ

 試しに思いっきり強く押してみたが、ポテチが割れることはなかった。ゆっくり強く押しても問題なし。バネ選びやクラッチのすべり具合、ネジのトルクなど、開発したエンジニアたちの努力の結晶と言えるだろう。実験中に割れたポテチはどうなったのかが非常に気になるが、「おそらくエンジニア一同でおいしくいただきました」というテロップが表示されるに違いない。

・FECS - Finger Easy Cleaning System(擬似指先クリーニング機構)
 英語の正式名称と日本語が若干違って気になるが、日本語圏と英語圏で発売した場合の文化の違いを意識してのことだろう。この最新テクノロジーは、押し込んだボタンをそのまま前にスライドさせると、マニピュレータ(ポテチの手の指のことです)の親指と人差し指を擦り合わせるというものだ。これにより指先に付着したポテチの塩などを振るい落とし、常に一定のグリップが得られるというもの。

人差し指が左右に動き、指先に付いた付着物を払い落とすFECS指をすり合わせたところ。ちょっとだけ指が動いているのがわかる

 試してみるとさほど効果はないように感じた(笑い)が、これは営業部マターのアイディアと思われる。この時代、いい製品が売れるという時代ではなく、遊び心や広告的なインパクトが重要なのだ。突如として営業判断で落ちてきたこの機構を実装するために、どれだけエンジニアは会社に寝泊まりしたのかを考えると、一筋の涙を禁じえないテクノロジーである。

・NTTS - No Touch Table System(指先机上非接触機構)

指は完全に机から離れている状態を保つNTTSテクノロジー。流行りの「非接触」機能だ

 突然だが、Suikaをはじめとした無線・電子式定期券や会社のセキュリティーロック、さらに電子マネーやタスポまで、現代のエレクトロニクス技術のキーワードは「非接触」にある。この「ポテチの手」は、電源不要という技術ながら、非接触というキーワードを盛り込んでいる。

 この最新テクノロジーは、本機を机の上に置いてもマニピュレータの指が机に接触しないという画期的なものだ。従来式のトングやお箸では、ないがしろにされていた部分だが、これにより衛生面での大幅な向上が期待できそうだ。

 パッケージにはこれらの3つのテクノロジーしか記載されていなかったが、数日間の検証実験をしていたところ、隠し機能を発見した。これは次のバージョンで正式採用される機能かもしれないので、メーカー的には伏せておきたい機密事項かも知れないが、家電Watch読者にだけコッソリお教えしよう。

・OLOS - Object Lock On System(対象物ロック機構)

メーカー非公開の機能。俗に言う「アン・ドキュメント」なしくみだ。次のバージョンで正式採用されるのかが待ち遠しい
 このテクノロジーの名称は、筆者が勝手につけたもので、メーカー側の正式回答ではない点に注意して欲しい。

 ポテトチップの袋には、大小さまざまなチップが入っている。そして「これうちわになるなぁ」という言うような、いわゆる「当たり」の大きなポテチが入っていることをご存知だろう。これらはとても一口で食べることができないが、OLOSを使うと、ボタンを離してもオブジェクト(多くの場合ポテチ)をロックでき、食べやすくなるという機能だ。

 操作は簡単で、まずボタンを押しオブジェクトを掴み、続けて5mmほどボタンを前にスライドさせる。マウスのオペレーションで言えば、半ドラッグと言った感じだ。これでオブジェクトはロックされ、あとはボタンから指を離しても食べられるようになる。


陸海空軍ならぬ「のりしお」「しお」「コンソメ」の3バリエーション

 このポテチの手、前述のテクノロジーもそうだが、そのバリエーションにも驚かされる。写真の「ポテチの手」は、緑と黄色がベースカラーになった「のりしおカラー」だが、そのほかにオレンジと黄色の「しおカラー」、茶色と黄色の「コンソメカラー」が用意されている。

カルビーのポテトチップシリーズに準拠したカラーリングの3バリエーション。写真はタカラトミーのホームページより

 どうやらこれは、カルビーのポテトチップ「のりしお味」(東日本版/西日本版)と「うすしお味」、そして「コンソメパンチ」に準拠しているようだ。

 このようなカラーリングを採用しているところを見ると、もしかすると「のりしお味」用ポテチの手で「うすしお味」を掴むと、割れたり掴めなかったりすることもあるかもしれない。また同じ「のりしお味」でも、カルビーのポテトチップで掴めても、小池屋のポテトチップは割れてしまう可能性もある。

 おそらく読者も、各社のポテトチップ間の互換性が非常に気になるだろう。そこで、各社の互換性テストを行なってみた。

【ここで豆知識】

・カルビーのポテトチップ「のりしお味」には、東日本版と西日本版がある

 カルビーのポテトチップのテクニカルドキュメントによれば、「のりしお味」には東日本版と西日本版があるという。その境目は、三重、愛知、岐阜、福井の西側の県境というのだ。

 東日本仕様は、シンプルな塩味ベースのポテトチップに、瀬戸内海産の青海苔がまぶしてある。かたや西日本仕様では「塩」ではなく「ダシが利いた和風テイストのポテトチップ」がベースになっており、これに同様の青海苔がまぶしてあるというのだ。

左側が東日本仕様の「のりしお味」、右側が西日本仕様の「のりしお味」。西日本仕様は、パッケージ左上に「西日本版」と明記されているのが分かるだろう。写真は、カルビー社のホームページより引用

 以降の実験では、入手できなかった西日本仕様は実験を行なっていない。しかしドキュメントからは「ダシの風味」の違いだけで、ポテトの薄さや強度は同様であると読み取れたので、実験の信頼性を左右するものではないと思われる。

「ポテチの手」と各種スナックの互換性をチェック!


互換性検証のために購入した、ポテトチップをはじめとするお菓子類。写真にはお惣菜も写っているが、冷蔵庫にしまい忘れ、ゾンビになってしまった。夏は怖い……

 閑話休題、ポテチの手がどのお菓子に使えるかの実験を始めよう。実験内容は、できるだけ実生活に近くするように心がけた。

1.スナックは袋に入ったままの状態で取る
 お皿などに広げて食べるのは、パーティーなどの特殊な条件のため。

2.掴む際は右手のみを使用し、左手などで袋を押さえない
 左ききのヒトは逆になるが、要は“片手で食べられるスナック”のアイデンティティを根底から覆さないよう、手で押さえるのはNGとした。

3.袋の中を見ずに「ポテチの手」を突っ込み、取り出す
 実生活では「袋の中のポテトチップの位置を目視で確認、そこに座標をあわせて手を動かす」ということはない。袋に手を突っ込んでゴソゴソするのが一般的だ。

4.実験室の室温は28℃だが、スーパーから帰ってくる際に34℃の気温に20分晒された状態のスナックを利用

 チョコレート系のスナックも試験対象としたので、以降の結果は夏の条件下であることに注意して欲しい。冬場は結果に大きな違いが出る可能性がある。。

 買ってきたのは、右上の写真に映っているスナック類。乾き物ばかり食べていると健康に害を及ぼしそうなので、ドリンクも用意した。さっそく、実験開始だ。

カルビー「のりしお味(東日本版)」→ ○

 まったく問題なく掴めた。今回購入した「ポテチの手」はのりしおカラーなので、まずこれを割れず掴み食べられなくては話にならない。

 袋の中に装置を突っ込み、適当なところでボタンを押してみたが、一切割れるコともなく、口まで運ぶことができた。また2つ折になってしまい厚みの増したチップにも十分対応でき、割れることもなかった。さすがに専用機である。

まずはポテトチップスののりしお味。まったく問題なく掴めた2つ折になっているポテトチップにも対応可能。そのワイドレンジ性は確かだ

 実験から分かったことは、袋の中を見ないで、ポテトチップスを掴むと、少し曲がったポテトチップを引いてくる確立が高いということ。結果として最後になると平らなポテトチップばかりが袋の中に残るという点。こうなるとマニピュレータの指の厚さが8mmほどあるため、平らなポテトチップは拾うことができなくなり、およそ80%食べつくしたところで、残りのポテチを掴めなくなった。

 とはいえ、実生活でもポテトチップが少なくなくなると、袋を口に運んで食べるだろう。この行為を考慮すると「最後に袋ごと口に運んだ場合の楽しみが増える」というメリットととして捉えることもできる。ちなみに袋ごと口にかき込んで3回分あった。


カルビー「コンソメパンチ」 ○

本体は「のりしお」のカラーリングだが、コンソメも問題なく掴めた。フレーバー間の互換性は、十分にあるようだ

 次に実験したのは、同社製品の味が異なる「コンソメパンチ」だが、結論からいえば、問題なく対応できることを確認した。うすしお味は実験していないが、コンソメパンチの操作性と互換性を考慮すると、問題なく対応できると思われる。フレーバーの違いで、掴みやすさが変わるといったことはなさそうだ。



コイケヤ「ポテトチップス のり塩」 ○

 カルビーポテトチップシリーズの互換性が検証できたので、味はのり塩と同じながら、メーカーがコイケヤだったらどうだろうか?

 これは偶然かもしれないが、コイケヤ製のポテトチップは、チップの中央に空気が入り膨らみ、表面が非常に薄くなっているものが多く見られた。これも割らずに口まで持っていけるだろうか?

コイケヤ製のポテトチップにも完全対応表裏間に空気が入り極うすになったポテトチップでも、割れるずに掴める

 結果はノープロブレム! 他社製ポテトチップにも完全対応している。なおメーカーの違いによるポテトチップの厚みも測定してみたところ、カルビーは1.1mm、コイケヤは1.2mmと、ほんの少しだけコイケヤが厚かった。


P&G「プリングルス シカゴピッツァ」→ △


プリングルスを掴むと、かならず複数枚が取れてしまい、1枚だけ掴むことはできなかった

 同じポテトチップだが、こちらは整形されたチップで、筒状のパッケージに入ったものだ。これも一般的には「ポテトチップ」と呼ばれるので、これにも対応できるかを確認してみた。

 結果は、互換性に問題あり。何度やっても5~6枚を一度にキャッチしてしまい、どうしても1枚だけ掴めないのだ。さらにいえば、筒状のパッケージは開口部が狭く、「ポテチの手」の長さが足りない。

筒状のパッケージは、ポテチの手の互換性を損なう。パッケージの中に手を突っ込むと油まみれになってしまうため、ここで実験を中断した中はこのような状態。約3割のポテトチップが残ってしまうという残念な結果に終わった

 実験結果を考慮すると、「ポテチの手」は、袋パッケージタイプのポテトチップスに対応したもの、ということが判明した。

カルビー「かっぱえびせん」→ ○

 スナック菓子の王道とも「かっぱえびせん」。ポテトチップには属さないが、これまで見てきた汎用性から十分に対応できるだろうと思われる。

かっぱえびせんは楽勝。このあと、「やめられない! 止まらない!」状態に陥る

 結果、なんら問題なく掴むことができた。ポテトチップでは2割が袋の中に残ってしまったが、かっぱえびせんは袋に1割が残るだけとなった。その汎用性の高さには、驚かされる。なお、掴んだ後は、「やめられない! 止まらない!」状態になったのは言うまでもない。



明治製菓「カール」→ ×

 「それにつけても♪おやつはカール♪」なので実験してみた。

カールは形状が災いして、掴める率は5割という結果に袋の向きを変えて実験しても、確率に変化は見られない

 その厚みと形状が災いし、掴みどころがよい場合のみ食べられるというイマイチな結果に終わった。上の写真のようなポイントを掴むことができれば、ガッチリとホールドされ口まで運べるが、袋の中にはおよそ50%のカールが残ってしまった。

 カールの背の部分は、その独特の厚みと形状のため、ポテチの手を拒んでしまうのである。カールを掴むには、指に間接部分を設け、2段階に幅広く開くなどの改良の余地がありそうだ。

ポテチの手が、カールの両端を捉えられた場合なら食べられるカールの背の部分付近を捉えてしまうと、指先がすべり掴めない

フリトレー たこやき亭→ ×

 さらに手強いのが、丸いスナック菓子。写真の「たこやき亭」や、やおきんの「キャベツ太郎」らがそれだ。

「たこやき亭」は、どの方向からも掴めなかった

 結果は1個も食べられず……。何度か試していると、対応できない原因が「球体」にあることが判明した。

球体なので指先の面で捉えることができず、指先がスリップしているようだ

 球の弧の部分は挟めるのだが、掴もうとすると指先が滑ってしまうようだ。平らな指先に少し角度をつけてやれば、球体にも対応できるものと思われる。


ロッテ「アーモンドチョコレート クリスプ」→ ×

 ここまで塩味が続いたので、今度は球体ながら甘いアーモンドチョコレートを調査してみた。夏場はポテトチップ以上に手に油が付き、困るスナックの1つである。

チョコレートコーティングはツルツル滑り、掴みづらい。スナック菓子以上に摩擦係数が低いようだ

 結果、取れたのは1個。大きさが均一に見えるチョコレートだが、アーモンドの大きさに多少のバラつきがあるようで、このパッケージでは1つだけ小さかったチョコのみを食べられた。

 基本的にチョコレートは、スナック菓子に比べ摩擦係数が低く、ツルツル滑って掴むことはかなり難しい。


トップバリュ「麦チョコ」→ △

 大きな球体のアーモンドチョコは、かなりもどかしい思いをさせられたが、麦チョコであれば大きさ的には問題ない。以下の写真のように掴むことができた。が、ここから先に問題があった。

麦チョコ程度の大きさであれば、チョコレートコーティングの球体であっても掴めるしかし、男性が口をすぼめて吸い込む姿は、“絵的”にキツイ。実に見苦しい画像で申し訳ないが、これも実験と諦めていただきたい

 対象物が小さすぎると、口に入れるのが大変なのだ。衛生上の問題を踏まえると、口の近くまで持近づけて吸い込むという方法しかないが、男性がこれをやると「絵的」なダメージが大きい。女性なら絵から受けるダメージはなく、むしろその姿がプリティーなので対応とみなしたい。


明治製菓 たけのこの里→ ○


たけのこの里は、かなりの確立で掴める

 次は、特殊形状のスナックへの柔軟性を調べてみる。まず定番の「たけのこの里」から。

 さすがに縦に掴むことはできないが、ほぼ9割は食べられる。竹の子の模様がグリップ力を高めており、チョコレートながら滑りにくい。


明治製菓 きのこの山→ △

 「たけのこの里」をやったら、これもやらずにには入られない。「きのこの山」である。

 「たけのこの里」に比べると、掴めるポイントが少なく、7割ほどしか食べられない。掴めるポイントはクラッカーの部分だ。チョコレートのカサの部分を捉えてしまうと、滑って掴めない。

「きのこの山」は、「たけのこの里」に比べると、掴む場所に大きく依存されるチョコレートの部分を捉えようとすると、スリップしてきのこが逃げてしまう狙いはクラッカー部分だ

 たけのこの里には、チョコ部分に模様が刻まれていたが、きのこの山には、それが少ない。このためチョコレート部分を掴んでしまうと、滑って取れないのである。とはいえ、一般的な箱のパッケージであれば、目視して掴むことができるので、対応と考えていいだろう。


カルビー「ジャガビー」→ ×

 「じゃがビー」は、ポテトではあるが、チップではなくスティック。このような形態のポテトも出回りつつあるので、対応の可否を調べておこう。

 結果、取れたのは数本。その原因は、パッケージの中にあった。ほぼ同じような大きさのポテトスティックがみっしり詰まっているため、掴みどころがないのだ。

しかし、アレコレやっているうちに操作方法で回避できることが判明した。真上から「ポテチの手」をアプローチするのではなく、斜め横からアプローチすると掴める確率が格段に向上するのだ。

ジャガビーでは、最初の数本は取れたが、あとは続かず……同様の長さのスティックがみっしりと入っているので、指先が食い込む余地が少ない斜め横からアプローチすると、掴める確率が格段に向上する

 とはいえ、最後には長さの揃ったスティックが整然と並んでしまうため、6割ほどしか食べられない。残念ながら、非対応と判断せざるを得ないだろう。


グリコ「細切りトマトプリッツ」→ ×

 スティック状のスナックといえば、「プリッツ」や「ポッキー」だ。とはいえ、これらのスナックは細長く端を掴むとバランスが取りにくいはずだ。どこまで対応できるかを実験してみよう。

 んが! まずパッケージのふたが開いてくれない! 人間の手であれば片手で袋の口を開いて、中のプリッツを取り出すことなど造作もないが、ポテチの手では太刀打ちできず。

 ということで、口がシッカリあくように形を変えて、再チャレンジ。

トマトプリッツは、食べきれないときに再密封できるようにジップ状になっている。これがなかなか開かず、開口した状態を保てないかなりきわどい部分を捉えて、掴むことに成功。なにやらクレーンゲームの様相を呈している

 プリッツは同じ高さで揃っているが、ジャガビーに比べると密に詰まっていないので、取り出すことに成功。しかし、問題はこれからだった。

 スティックの端しか掴めず、ポテトチップが割れない程度でしか力がかからないため、プリッツがユラユラ。なんとか口に運ぼうとするものの、クルンっ! と回ってしまい、掴めるが食べられないというもどかしい結果に終わった。

せっかく捕らえたプリッツだが、なかなか安定せず、クルンと回ってしまう。汗をかきながら実験するほど必死だ(笑)結局、掴めるが食べられないという、もどかしい結果を残した

結論、「ポテチの手」に対応するスナックの条件とは

 これまでの実験から「ポテチの手」という名前ながら、幅広いスナック菓子へ対応していることがお分かりだろう。実験で多くのポテチやチョコレートを食べたが、手が油まみれになることなく、シャッターを切れたのが写真からも分かるハズだ。

 とはいえ、「ポテチの手」にも苦手なものがあるため、できるだけ次のようなスナック菓子を選びたい。

・パッケージの開口部が広いこと
・男性は、対象物の大きさは2cm以上。女性はその限りでない
 男性の場合、2cm未満のものを食べようとすると、周囲に深刻なダメージを与える恐れがある。
・球体の対象物は避けること
・チョコレートコーティングは凹凸のあるものを選ぶ

 プログラマーやライターなど、日がな一日パソコンなどの機器類をさわる人にとって、「ポテチの手」は「スナック」と「機器を汚さない」という相反する要求を満たしてくれる、理想的な機器である。

 ふー、食った食った……。



2010年 8月 10日   00:00