やじうまミニレビュー

手の熱が伝わり、冷たいバターもなめらかに塗れる「バターナイフ」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

バターを薄く削れるところがポイントです!

 なんてことはないんだけど、解消されるとすっきりすることって結構あります。そんなことのひとつ、冷蔵庫から出したてのバターは固くて、気持ちよくパンに塗れない……。このストレスをなくすために紹介したいのが、THaT! (ザット)の「スプレッド ザット バターナイフ II」です。

THaT! の「スプレッド ザット バターナイフ II」
メーカー名THaT!
製品名スプレッド ザット バターナイフ II
実売価格2,667円(Amazon)

 手の体温がナイフに伝わって温まり、固いバターを溶かしながらすくえる、というシロモノ。つまり、熱伝導率の高い素材で作ったバターナイフ、ということなのです。ザット社は、キッチンでのちょっとした不便を最新テクノロジーにより便利にしよう! というアメリカの会社。

 そんなザット社のバターナイフは、銅合金(チタン加工)でできています。普通のバターナイフよりやや大きめサイズで厚みもあり、重さも思ったよりずっしり。この商品の特性から考えれば、少し大きめのほうがメリットを生かせるのかもしれません。

17×176mm(幅×長さ)。素材は銅合金(チタン加工)で、重さは85g。普通のナイフより重く、安定感があります
ギザギザになった部分。これにより、冷たいバターも波型に薄く削れるのです。鋭くないので、触っても安全
シリコン製のタグ。これがあることでひっかかりになり、手で持ちやすい感触に

 早速使ってみます。冷蔵庫から出したバターの表面を滑らせるようにナイフで薄く削っていくと、バターが溶けながらフリル状になります。それをパンに塗ってみれば、あら、まぁ! 思ったよりもずっとなめらかに塗れるではありませんか!

冷蔵庫から出したばかりの新品のバターのかたまり。すぐにパンに塗りたい時の手強いヤツだけど……
バターナイフを当てると、ソフトにごく浅くめり込みます
そのまま薄く削るようにナイフを手前に滑らせて……
さらにそれを繰り返すと、溶けながらフリルのように薄くなったバターが出現
何回か滑らすとこんな感じになります。では、これをパンに塗ってみます

 固いバターを無理やりすくって、そのブロック状のバターでパンの表面を荒らしていたストレスとは無縁。トーストしていない常温の食パンにもなめらかに伸びていきます。うーむ、なかなか優秀。

すくったバターそのものが薄いので、パンの上でもなめらかに伸びます
常温のパンに冷たいバターを塗って、この状態。すくう時だけでなく、塗る時のスムーズさにも驚き!
いつものバターナイフですくったバターはこんな感じのかたまりになりがちで、無理に塗りつけるとパンの表面がぼこぼこに
左側がいつものナイフで、右側が熱伝導のバターナイフで削ったバター。状態の違いははっきりしています

 でも、使い方にはコツが要ります。いくら熱が伝わりやすいといっても、手に取って数秒ですぐに温まる、というものではないので、ある程度ゆっくり使うほうがベター。指だけで持つよりは、手のひら全体で握ったほうが温まるのも早いようです。

 また、バターそのものが温まるわけではないので、バターを固まりで大きく削り取ったのでは、パンの上でゴロゴロと固いまま。薄く柔らかく削ってこそ意味があります。

 もちろん、バターに大きく切込みを入れることはできますが、ナイフそのものにも厚みがあるので、料理の際に○g使いたいからその分量をスパッとカット、とか、きっちり薄くシャープにスライスするのはちょっと苦手かも。

削る以外にも、バターをカットすることももちろんできます。冷たいバターにも、このようにすぐに入っていきますよ
氷で試してみました。普通のナイフ(左)とザットのナイフ。ほんの5~6秒でここまで違いが出ます
バターより氷のほうがその実力がはっきり実感できます。ほとんど抵抗なく、氷がどんどん溶けていくのですから!

つけごろ、食べごろを選ばずに使える便利さがうれしい!

 ナイフそのものがほんのり温まることですくいやすくなるものは、ほかにもあります。

 例えば、クリームチーズ。冷蔵庫から出したばかりでも、すっとナイフが入って抵抗なくすくえ、スムーズに塗ることができます。ピーナッツクリームもなかなかの頑固者ですが、こちらもすぐにすくえました。結晶化して固くなったハチミツは、ナイフに触れた部分がとろりとして、必要な量だけがすんなり取り出せます。

クリームチーズにもすんなり入ります。冷たいままでもすぐに塗れるので、便利便利
固くなったハチミツにも上手に対応してくれました。小さなストレスから解放された気分

 バターやチーズなどを混ぜたい時にも、このナイフを使うと、適度な温もりでだんだん柔らかくなり、ちょうどいい感じ。自然にまかせていては時間がかかりすぎ、かといってレンジを使うと溶けすぎてしまう、なんて場合には便利です。

 食洗器で洗えることも使いやすさのひとつ。使った後は当然ベタベタしますから、食洗器が使えるのはうれしい! バターを薄く削るタイプのナイフは何種類か出ていますが、余分な穴などがないことは、洗いやすく、バターも無駄になりません。

 サイズが大きめなので、普通のバターケースには入りません。でも、もともとバターと一緒に冷やしてしまっては意味がないもの。バターとは別にしておきましょう。

独特の重みと厚さが特徴。持ち重りがするのでしっかりした印象ですが、慣れるまでは少し使いづらい面も?

 パンが焼ける間に、温かいコーヒーやスープのカップの上などに置いておけばその分早く温まるので、さらに使いやすいと思います。

 事前にバターを出して柔らかくしておく必要がなくなり、時間がない時でも気持ちよくなめらかに塗れる……。バターナイフとしては少し価格が高いかもしれませんが、パンが好きなかたは持っていて損はないアイテム。

 ゴロゴロバターにさようなら、スルスルバターにこんにちは、ができそうなナイフです。

パンのお供として強力な助っ人といえそう。スプレッド類がいつでも塗りごろ、というのはうれしいですね

座間 佳子