藤山哲人のモバイルバッテリー診断

ロジテック「LPB-78U2」

〜これはお買い得! 三洋製7,800mAhバッテリーにUSB-ACアダプタも同梱

「モバイルバッテリー診断」は、スマートフォンの外部電源として普及しているモバイルバッテリーをレビューするコーナーです。(編集部)
ロジテック「LPB-78U2」

 今回紹介するのは、パソコン周辺機器メーカーのロジテックが発売した大容量7,800mAhのモバイルバッテリー「LPB-78U2」だ。スマートフォンをおよそ3回充電できるというのに、価格は5,000円程度と、容量の割にはお手頃だ。

 メーカーのホームページでは「三洋電機製リチウムイオン電池を搭載」と大々的に謳われている。三洋電機のモバイルバッテリーといえば、パナソニックと統合する以前に発売していた「eneloop(エネループ) モバイルブースター」が有名だが、現在はパナソニックブランドに統合され、三洋電機ブランドから発売されるリチウムイオン電池は皆無となっている。貴重な三洋製の電池が手に入る“お宝バッテリー”だ。

 使用前の印象は、大容量なのに低価格なうえ、本体もコンパクト。しかもデザインはどことなく高級感があるが、性能的にはどうなのだろうか。

 なおロジテックでは、容量5,200mAhで3,500円程度の「LPB-52U」という製品も同時に発売している。こちらも容量の割に安い。

メーカー名 ロジテック
品名・型番 LPB-78U2
バッテリー容量 7,800mAh
繰り返し利用回数 500回
サイズ
(幅×奥行き×高さ)
65.4×107×23.7mm
重量 190g
カラー ブラック/ホワイト/ワインレッド
実売価格 5,000円程度
対応スマートフォン Android:○
iPhone:○
iPad:○
本体上部。左がスマートフォン用の1.2A出力、右がiPadなどのタブレット用2.1A出力。中央はモバイルバッテリー充電用のコネクタとストラップを通す穴
上から見た本体右側には何もない
天面上部には青いLED4灯式の残量計が付いている
本体下部は何もなくすっきりしている
上から見た本体左側には、電源スイッチがある。若干出っ張りがあるので、カバンに入れておくと誤動作してしまうことがあるが、専用ポーチに入れておけばその心配はない
本体底部にはスペックのシールが貼られている
■■注意■■

・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。
・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。
・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。
・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。

スマートフォンが2〜3回充電可能な上にiPadとの同時充電OK

 サイズは100×202×41mm(幅×奥行き×高さ)、重さは190gと、やや厚みと重さがある。スマートフォンと重ねてスーツやYシャツのポケットに入れて充電するよりも、ハンドバッグやカバンの中で充電するというのがメインになるだろう。となれば、同梱されている50cmのケーブルはちょうどいい長さといえる。

 少し気になったのは、電源ボタンが少し出っ張っているので、無造作にカバンの中へ放り込むと、何かに当たって充電中に電源が切れてしまう場合もあるということだ。操作はしづらくなるが、あとほんのすこしだけ電源ボタンの位置が低ければ、安心してカバンに放り込めただろう。とはいえ、メーカーもその点は踏まえているようで、専用のポーチに入れて使えば、誤動作しなくなる。

ケーブル長は50cmと長め。ただカバンやハンドバッグに入れて使うのでちょうどいい長さ
同梱のキャリングポーチに入れて使えば、無造作にカバンに放り込んでも電源が切れるなどの心配もなくなる
重さは190gとスマートフォン以上にあり厚さが2cm以上あるので、スマートフォンと重ねてポケットで充電する用途ではない。あくまでカバンに入れて使うもの

 まずは、内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン「ARROWS X F-10D」を実際に充電してみた。このスマートフォンは、急速充電時でも1Aしか必要としない。なので、2つあるUSBコネクタのうち、1.2Aを出力するコネクタを利用して充電した。もう片方のコネクタは、2.1Aの出力が可能となる。

・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「2回」と「90%」(4,086mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録

 スマートフォンの充電回数はおよそ2回と90%。iPhoneなど内蔵バッテリーが少ない場合は、3回ほど充電できるだろう。

 たいていのスマートフォンなら1.2A出力コネクタを使えば急速充電が可能だが、それよりも早い“超”急速充電に対応した機種、およびiPadをはじめとしたタブレットを充電する場合は、2.1A出力コネクタを利用する。このとき空いている1.2A出力では、別のスマートフォンなどを接続して、同時充電することも可能だ。

バッテリー残量計は、ブルーのLED4灯式

 ちなみにバッテリー残量計は、1色4灯式になっており、ほぼ25%刻みになっている。残量10%以下の場合は、1灯が点滅してそれを知らせるので、5段階で確認できることになる。スマートフォンを2、3回充電きることを考えると、残量表示の“刻み”は荒くもなく細かすぎずちょうどいい感じだ。

 スマートフォンの充電が終わると、モバイルバッテリーの電源が自動で切れるオートパワーオフも備えている。

【スマートフォン充電(出力)スペック】
項目 詳細
USBコネクタ数 2(1.2A/2.1A出力2系統)
USB最大電流 2.1A
充電ケーブル (コネクタ) Micro USB - USB
残量インジケータ 1色4灯式
自動電源OFF 本体電源ON時も有効
40mAでOFFを確認(1.2Aポート)
同時充電 スマートフォン2台:○
スマートフォン+iPad2:○

実容量率は66%と優秀。電圧は文句なしで安定

 独自の測定器を用いて、連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。なお、ここでも実験に利用したのは1.2A出力のコネクタ。2.1A出力の場合は結果が異なる場合もあるのでご注意いただきたい。

電圧は非常に安定している。グラフはほとんど動かなかった
電流は±50mAほどのブレが見られたが、実用上まったく問題ない

 独自の測定器でテストした結果、電圧は非常に安定していて、文句のつけようがない。電流は、875mA程度を中心に始終±50mA程度のブレがあるものの、スマートフォンの充電に影響することはない。実用上はまったく問題ないレベルだ。

 なお、本製品の容量は7,800mAhと大容量なので、横軸の時間がこれまでに紹介した他のモバイルバッテリーと比べて、長時間になっている点に注意して欲しい。

 連続利用の実験結果から、実際にスマートフォンを充電できる実容量を計算したところ、5,128mAhとなった。表示されている容量は7,800mAhなので、実容量率は66%と、ロスがかなり少ないモバイルバッテリーと言える。内蔵しているリチウムイオン電池が三洋製というのもさることながら、非常にロスの少ないDC/DCコンバータ(電池の3.7Vを5Vに変換する部品)を使っているのだろう。

実容量率は66%。ロスがかなり少ないモバイルバッテリーと言える

 計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次の表のとおりになる。Android系の場合、カッコ内が内蔵バッテリー容量を示している。

【実用量と各種スマートフォンの充電回数予測】
項目 詳細
バッテリー表示容量 7,800mAh
連続利用時の実用量 5,128mAh(66%)
連続実用量1,000mAh あたりの価格 975円
充電回数(理論値) Android(1,300mAh):3.1回
Android(1,500mAh):2.7回
Android(1,800mAh):2.3回
Android(2,000mAh):2.0回
Android(2,200mAh):1.9回
Android(2,500mAh):1.6回
Android(3,000mAh):1.4回
iPhone 4S(1,432mAh):2.9回
iPhone 5(1,434mAh):2.8回
iPad 2(6,580mAh):0.6回
iPad 3(11,560mAh):0.4回
ソニー PSP(1,200mAh):3.4回
任天堂 3DS(1,300mAh):3.1回

 タブレット用のモバイルバッテリーとしても、十分に役立つ容量だ。第3世代iPadは、7,800mAhをもってしても40%ほどしか充電できないが、iPad 2であれば60%充電できる。

タブレットの充電にも使える。スマートフォンとiPad2を同時充電しても問題なかった

USB-ACアダプタも同梱。充電時間は8時間で問題なし

 このモバイルバッテリーは7800mAhと大容量なのに、価格は5,000mAh程度の5,000円と安い。しかし、さらに驚くのは、USB-ACアダプタが同梱されている点だ。

 しかも、コンセントのプラグ程度の小ささで、出力は1A(5V)。重さも大きめの消しゴムほどと軽いので、充電器ごと持っていても何の苦にもならない。このUSB-ACアダプタは、別途購入したら700〜1,000円はするはず。非常にお買い得なモバイルバッテリーと言い直しておこう。

モバイルバッテリー本体に充電用ケーブル、ポーチにUSB-ACアダプタまで同梱されて、実売は約5,000円だ。なお、ポーチのポケットにスマートフォンやUSB-ACアダプタは収納できなかった

 バッテリー本体の充電時間だが、カタログ上では同梱のUSB ACアダプタを利用すると9.5時間とあった。しかし実際に充電した3回の平均時間を取ってみると、およそ8時間で充電できる。ほぼ寝ている間にフル充電できてしまうので、大容量ながら充電時間の長さを感じることはないだろう。

【本体充電スペック】
項目 詳細
本体充電用コネクタ Micro USB
添付充電器(仕様) 小型 USB-ACアダプタ(5V/1A)
充電時間(カタログ値) 9.5時間(同梱USB-ACアダプタ利用時)
充電時間(実測) 8時間03分
繰り返し利用回数 500回

この価格はお買い得。移動が多い人にジャストマッチ

 7800mAhという大容量ながら、充電器がセットになって5,000円というのはかなりお買い得だ。単に価格で見ると、秋葉原の裏路地で売っている、怪しい中国産のモバイルバッテリーぐらい安い。しかし、非常にロス率が低く、表示容量7,800mAhのうち66%がスマートフォンの充電に使えるという、優秀なバッテリーだ。

 出張など長距離の移動が多く、車中で色々な調べモノをする営業マンにピッタリ。iPad2などのタブレット用バッテリーとしても便利に使えるだろう。

【総合評価】
メーカー・品名 ロジテック「LPB-78U2」
ロスの少なさ  ★★★★☆(4)
持ち歩きやすさ ★★★★☆(4)
単位容量の安さ ★★★★★(5)
 充電の早さ  ★★☆☆☆(2)
使い勝手のよさ ★★★★★(5)

(藤山 哲人 )