【特別企画】
LED電球、どれを買う?
トライテラス「スマートシャンデリア」
トライテラス スマートシャンデリア TSC3NAL26-3W (昼白色相当) |
LED電球は、発売当初から比べれば、明るさや光の質、形状などがどんどん向上している。さまざまな製品が出そろう中、それまでのLED電球とは異なるコンセプトで開発されたユニークな製品も登場してきた。今回紹介するトライテラスの「スマートシャンデリア TSC3NAL26-3W」もそんな製品の一つだ。
メーカー | トライテラス |
製品名 | スマートシャンデリア |
品番 | TSC3NAL26-3W (昼白色相当) |
希望小売価格 | 5,250円 |
購入場所 | トライテラス オンラインショップ |
このスマートシャンデリアが一般的な電球と大きく異なるのは、電球の形状、そしてそこから放たれる光り自体を「見て楽しむ電球」という点だろう。E26口金の器具に取り付けられるLED電球ではあるのだが、都会のモダンなビルのように光り輝き、強い個性を放っている。これはつまり、電球部を露出させることで、電球自体を一つのインテリアの要素として楽しむためのLED電球なのだ。
テレビCMで多く放送されているため、ご覧の方も多いと思うが、CMではスマートシャンデリアを大量に、そして立体的に並べて表現している。そのため、一般家庭ではどんな使い方ができるのか、ちょっと想像しにくいかもしれない。そこで今回は、スマートシャンデリアの電球としてのスペックもおさえつつ、現実的なあかりとしての具体的な使用例を考えてみよう。
■「見る電球」――直接目に触れてもまぶしすぎない
LED電球としてのスペックを見る前に、白熱電球と比較しながら本体を見てみよう。
まず、目をひくのがその外観だ。放熱部からスッと直線的に伸びた透明度の高い樹脂は、硬質でモダンな印象を受ける。サイズは163.5×54.5mm (高さ×直径)で、白熱電球の高さ(94mm)を大きく上回るものの、電球の径はほとんど変わらない。電球を上から覗くと、樹脂の根元からLED素子が透けて見える。重量は166gとLED電球としては若干重めだが、器具に負担をかけるほどではないだろう。
本製品を点灯すると、エンボス加工された樹脂がLEDの光を受け、樹脂全体がキラキラと美しく光る。その様子はとても個性的で、これまでのLED電球と違って、大きく広がる。白熱電球が電球を中心に球状に広がるのに対し、スマートシャンデリアは鋭角的な光りが四方八方に遠くまで放射状に広がっている。
【白熱電球】 ソケットぎりぎりまで明るく、電球を中心に球形に光が広がっている | 【スマートシャンデリア】 揺らぎのある輝きが放射状に遠くまで届く。ほかのLED電球とも異なった光の広がりだ |
光の広がりは得られる一方で、明るさは40Wの白熱電球よりも暗い。とはいえ、見て楽しむインテリアライトとして考えるなら、十分な明るさが得られる。また、光が投影されるようすは、光そのものに揺らぎが加わり、立体的で独特だ。LEDから放たれた光が、樹脂をそのまま透過したもの、エンボス加工で乱反射したものという2種類の光に分かれている影響があるだろう。
【白熱電球40W:437Lx】 なお、照度は光源より高さ55cmの位置のもの | 【スマートシャンデリア:315Lx】 立体的な揺らぎのある光が広範囲に広がっている |
■インテリアライトとして使うのがお勧め
スマートシャンデリアは多少暗めではあるが、一般的な電球では得られない煌き感や光の広がりがあることがわかった。ここからは、実生活のさまさまなのシーンに取り付けて、どう使えばよいかを探ってみたい。
まずは、暗くなるのを承知の上で、廊下のダウンライトに取り付けてみた。器具の印象が大きく変わり、とても個性的ではあるのだが、やはり単体では十分な明るさは得られない。また、電球の光色は直接見ると白色だが、照らされるものは樹脂内で屈折して透過する光のためか、緑色っぽい色被りが感じられてしまう。したがって、単体で全体照明を任せるには物足りなさを感じる。
標準的ななダウンライトの印象が大きく変わる | ダウンライト一灯では十分な明るさは得られず、光色もあまり良いとは言えない |
次に、電球がそのまま見えるシンプルなガラス器具に取り付けた。ガラスのシェードの内側に光が反射して、より一層強調される煌き感が美しい。白熱電球や蛍光灯、はたまた一般的なLED電球とは全く違った、小気味良い硬質な光がインテリアに新鮮に映る。単体使いの場合は、このように直接目に触れる場所に置いて、煌き感を楽しむ使い方が向いているようだ。なお、今回はクールな色調の昼白色を使っているが、ラインアップには電球色もあるので、好みに合わせて選べる。
シンプルなガラス製の器具にスマートシャンデリアを装着。放たれた光がシェードの内側に映り美しい | 目に触れるところに置いて、光源の煌き感を楽しむ使い方が向いている |
ところで、スマートシャンデリアはLED電球であるがゆえ、発熱量がとても低い。特に光っている樹脂部は直接触れても熱を全く感じない程だ。一方、放熱部を触ると他のLED電球同様に熱くはなっているのだが、放熱効率が良いのか、一般的なLED電球に比べると低温で、長い時間触っていられる程だ。
その特徴を利用して、敢えて「裸電球」の状態で、観葉植物の中に紛れ込ませてみた。すると、有機的な形を持つ葉と、無機的な形のスマートシャンデリアのコントラストがそれぞれを引き立てあい、室内により一層印象的な空間ができあがった。植物の中から放たれる光は室内に複雑な影を映し、単純に観葉植物を照らす方法とはまた異なった光と影が楽しめる。発光面が熱くならない特徴を活かして、このような使い方をするのもアリだろう。
発光部は全く熱くならないので、葉が直接触れても大丈夫。有機的な葉と無機的なスマートシャンデリアのコントラストが楽しめる。とはいっても、放熱部はさすがに熱くなるので葉が触れないように設置した | 植物の内側からの輝く立体的な光とともに、これまでの照明とは違った印象的な雰囲気が演出できる |
■消費電力はたったの1W
消費電力を実測すると、たったの1W。E26口金LED電球の中でも極端に消費電力が低い |
電球単体で、インテリアライトとして楽しめるスマートシャンデリアだが、もうひとつ特徴がある。それは、消費電力はたったの1Wと、LED電球の中でもとりわけ低いところだ(実測値。カタログでの定格消費電力は3.1W)。毎日8時間点けっぱなしにしたところで、ひと月の電気代はせいぜい5円たらず。しかも他のE26口金のLED電球と同様に、40,000時間と長寿命なのである。
LED電球の価格が下がってきている中、5,000円を越えるスマートシャンデリアははっきり言って高価だ。また、現在のところ量販店では扱っていないので、敷居も高い。しかし、とても長持ちするうえに、安い電気代で他の電球では得られない雰囲気が演出できるのは、大きな魅力といえるだろう。
無機的で鋭角的な姿と光を放つ電球なので、ガラスや金属などの硬質なアイテムと合わせてシャープなインテリアを演出するのも良いし、植物など有機的なものと対比させるのも面白い。一つのインテリアライトとして、これまでの電球とは異なる新しい光と戯れてみてはいかがだろうか。
2010年9月24日 00:00