家電製品ミニレビュー

すぐに暖まり、縦横自由に置けるセラミックファンヒーター

パナソニック「セラミックファンヒーター DS-FTX1200」

 暖房の効いた部屋から、ひと気のない洗面所やトイレへ行くのが億劫になる冬の到来だ。そんなひと気のない場所を暖めるのにピッタリな暖房器具、パナソニックの「セラミックファンヒーター DS-FTX1200」(以下、DS-FTX1200)を紹介しよう。

メーカー名パナソニック
製品名セラミックファンヒーター
品番DS-FTX1200
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,000円

 DS-FTX1200の特徴は、以下の通り。

・電源を入れるとすぐに温風が吹き出す。
・「ひとセンサー」が搭載されており、温風のON/OFFを任せられる。
・縦、横どちらでも置けるので、場所に合わせて置き方が選べる。
・ナノイーを搭載しており、運転中は部屋の空気の汚れを抑制し、ニオイも抑えてくれる。

 暖房の目安は、コンクリート住宅ならば約4畳、木造なら約3畳。トイレや洗面所などの、小さい部屋に向く。

 カラーはブラックとホワイトの2色。今回はホワイトを選んだ。

正面、背面、側面の様子。全体的にスッキリとしたデザインだ
部屋の広さ、用途に合わせて置き方が選べる

安定感のある本体。操作は簡単で見やすい

 大きさは215×140×415mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約2.8kgだ。縦と横のどちらでも置けるのが本製品の特徴だが、立てて使っても重心が低い位置にあり倒れにくい。透明で目立たない滑り止めもついており、いずれも安定して置ける。コードの長さは約1.8mだ。

 立てて使う場合、置き場所はA5サイズ(210×148mm)程度で済むので、狭い空間にも置きやすい。

 操作はスイッチを押すだけと簡単。全部で5つあるスイッチは、温風吹出口のある面に一列にまとめられているので、縦置きと横置きのどちらの置き方をしても操作しやすく、運転状況も確認しやすい。

 使い方はとてもシンプルだ。プラグをコンセントに挿し、「電源 切/入」を押せば運転がスタートする。

透明で目立たないすべり止め。縦置き、横置きどちらの置き方でも安定する
わかりやすい操作部。ボタンとLEDが一度に見渡せる。運転中、離れたところからも確認しやすい

スイッチを入れるとすぐに暖かく!

立ち上がりがとても早い! 10秒もしないで温風が吹き出してくる

 快適なのは、とにかく立ち上がりが早い事だ。運転をスタートすると、10秒もしないうちに温風が出てくる。普段は寒いトイレや洗面所で使っても、温められた空気が循環するので、器具から離れていても1分もしないうちに暖かいと感じられた。

 「温風」ボタンで「弱」「中」「強」とパワーが3段階に切り替えられるのも特徴的だ。このタイプの暖房器具は「強・弱」と2段階のものが多いが、本製品は「中」も選べる。室温や広さに合わせて調節しやすい。

 また、空気をキレイにしてくれる「ナノイー」も搭載している。ナノイーをONにすると、カビ菌、アレル物質、ウイルス、ニオイも抑制してくれるという。操作は、運転中に「ナノイー」ボタンを押すだけだ。

 ナノイーの単独運転はできないが、一度ONにしておけば運転の度にナノイーが機能する。ナノイー吹出口は温風とは別。ニオイがこもりがちなトイレや洗面所の空気が、少しでもキレイになるのはやはり嬉しい。

 ひとセンサーをONにしておけば、運転のON/OFFは任せられる。人を感知すると瞬時に運転が始まり、人が居なくなれば自動的に停止する。人の動きの量に合わせて、3分後または7分後に自動停止する。検知範囲は上下左右に約30度ずつで、到達範囲は2m以内とされている。

温風とナノイーの吹出口は別々にある。風邪の流行る季節、トイレや洗面所でも空気がキレイになるに越したことはないだろう
人センサーの検知範囲(取扱説明書より抜粋)

 トイレで使ってみると、ドアを開けた瞬間に運転が始まった。寒いと感じるのはほんのわずかな時間だけで、直ぐに足元が暖かくなる。トイレから出ると3分後には確実に停止した。ナノイーでニオイも抑えられるようだ。

 洗面脱衣所での使い勝手も良い。浴室のドアを開け放して「強」で5分間運転させるだけで、浴室まで暖かくなり、脱衣もずいぶんとラクになった。

トイレで使用している様子。人感センサーが付いているので、運転・停止は任せっきりにできる
洗面脱衣所にもバッチリ。浴室のドアを開けておけば、温風が直接入り浴室内も暖められる。入浴の5分前に運転するだけで、脱衣もずいぶんとラクになった

スッキリデザインは、居室でもマッチ

 小型のセラミックファンヒーターなので、広い部屋の暖房向きではない。だが、居室のサブ的な暖房器具として活用できる。背面には大きめの取っ手もついているので、持ち運びしやすい。直方体に近いスッキリとしたデザインは、居室にもマッチしやすい。

 我が家の場合、仕事用の補助暖房器具としても重宝している。デスクが窓際にあるので、冬はどうしても足元が冷えやすい。ところが、窓側に置いて弱運転するだけで、足元から背中にかけてほんのりと暖かく、昼間ならメインの暖房器具をつけなくても暖かく感じられるほどだった。ファンの音はハッキリと聞こえるが、弱運転ならばさほど気にならなかった。

大きな取っ手が背面にある。気軽に持ち運びができる
居室でも補助の暖房器具として利用できる。見た目もスッキリ、居室のインテリアに合いやすい
キッチンで使用している様子。温風式なので、衣服が多少触れても大丈夫だ

 キッチンの足元暖房にも適している。発熱体が器具の中にあるので、多少器具の表面に衣服が触れても大丈夫。人感センサーを設定しておけば、キッチンを離れれば自動で停止してくれる。

 消費電力は、「強」が1,110W前後、「中」は680W前後、「弱」で480W前後だった。中で強の約半分になり、弱はさらに抑えて運転できるので、ちょっと暖まりたい時にも利用しやすい。ナノイーを運転しても、消費電力の違いはワットチェッカーに表れなかった。運転停止時は、ひとセンサーで待機中でも消費電力は0Wだった。

 切タイマー運転もできる。ボタンを押すごとに、1時間→2時間→3時間→解除と切り替わる。なお、運転して8時間後に「切り忘れ防止」機能が作動して、自動で停止してくれる。

 手入れは難しくない。背面の吸気フィルターカバーを外し、黒い「スーパーアレルバスターフィルター」を取り出し、フィルターのホコリを掃除機で吸い取るだけだ。目詰りすると運転が停止する場合があるので、こまめにホコリを取る。アレル物質、菌、カビ菌などを抑制するフィルターなので、水洗いは避けること。

消費電力は最大で1,110W強、最小時は500Wを下回る。人センサーを設定しても、停止時の待機電力は0Wだった
手入れは、フィルターカバーを外して(左)、カバーからフィルターを外して掃除機をかける。水洗いはしないこと

 最後に、気に入った点の1つとして、運転停止後の加熱防止の送風が10秒程度で終わる事も挙げたい。外出時に暖房器具のコンセントを抜いておきたい自分にとって、10秒で送風が完全に停止するのはかなりありがたい。

 価格は他社製品より若干割高かもしれない。だが、温風による暖房の立ち上がりが早く、パワーも3段階選べる。ひとセンサーで無駄な電気も容易に抑えてくれるし、空気もキレイにしてくれる。デザインもスッキリとしており、トイレや洗面脱衣所だけでなく、居室の局所暖房器具としても魅力的だ。本格的な冬到来の前に、用意しておきたいセラミックファンヒーターだ。

藤原 大蔵