家電製品ミニレビュー
回転ノズルで高い場所が掃除しやすいコードレスハンディクリーナー
by 片岡 義明(2014/1/30 07:00)
コードレスのハンディ掃除機というと、ノズルの角度が固定され、棚の上などの高いところやベッド下などの低い場所を掃除しにくいものが多いが、今回紹介するブラック・アンド・デッカーのサイクロン掃除機「pivot3 PV1220」は、ひと味違う。
ノズルを収納状態(0度)から200度まで開くことが可能なので、高い位置や低い位置も自在に掃除できるうえ、コンパクトに収納できる点がメリットだ。
メーカー | ブラック・アンド・デッカー |
---|---|
製品名 | pivot3 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,980円 |
pivot3の本体サイズは、ノズルを伸ばした状態で140×170×270mm(幅×長さ×高さ)、重量は約1.52kg。ハンディ掃除機としては大きめだが、重量バランスが良いせいか、持った感じではそれほど重くない。
バッテリーはニッカド充電池で、充電時間は約6時間、連続使用時間は約10分間。充電する際は付属の充電台に載せる。
ノズルの角度を変える場合は、電源スイッチのそばにある角度調整ボタンを押しながら行なう。
ノズルを付け変えるアタッチメント類は付属していないが、ノズル先端には先細ノズルが内蔵されており、狭い部分や窓のサッシなどを掃除する場合はこれを引き出すと掃除しやすくなる。さらにノズルの裏側にはブラシノズルも格納されており、雑貨など細かいもののホコリを取るときなどに重宝する。いずれのノズルも内蔵式のため紛失する心配がなく、使い勝手がいい。
電源スイッチはスライド式で、前方にスライドさせて「I」に合わせると運転がオンになる。スイッチはグリップの先端部分に付いているのでON/OFFの切り替えは手元で行なえる。カタログでは排気音の静かさをアピールしているが、正直、それほど静かとは感じられなかった。このクラスとしては普通の音量だと思う。
吸引力を持続させる、フィルタークリーニングシステム
この製品ならではのユニークな機能が、「フィルタークリーニングシステム(フィルター目詰まり解消機能)」だ。前述したようにこの掃除機はノズルの角度を変えられるようになっているのだが、この角度調節を行なう際に、自動的にHD(高密度集塵)フィルターをクリーニングする機能が搭載されている。
使用中に「吸引力が落ちてきたな」と思ったときに、ノズルを何回か開いたり閉じたりしたところ、カーペットに絡まって取れなかったゴミが取れるようになったりと、吸引力が回復するのを実感できた。
フィルタークリーニングを行なったあとは、ダストケースを空にする。ゴミを取り出す場合は、ダストケースのゴミ捨てレバーに指をかけて引くだけで、簡単に捨てられる。
通常のゴミ捨てはこれだけで完了するが、さらにフィルターの掃除をする場合は、ダストケース取り外しボタンを押してダストケースを完全に取り外し、中のフィルターを取り外してから、フィルター外周の蛇腹部分にたまっているチリや埃をブラシなどで取り除く。このメンテナンスは少々面倒だが、メインで使っている大型掃除機などを使えば楽に行なえるだろう。
エアコンの吸気口も簡単に掃除できる
実際にさまざまな場所で使ってみたところ、ハンディ掃除機としては吸引力がパワフルで、カーペットのホコリもけっこうよく取れる。冷蔵庫や乾燥機の上、ソファやベッドの下、自動車の中などさまざまなシーンで使ってみたが、ノズルの角度調整機構のおかげでかなり使い勝手がよく、効率的に掃除できる。
中でも便利だと思ったのが、エアコン上部の吸気口に溜まったホコリを掃除する場合だ。ノズルの角度が固定された一般的なハンディ掃除機だと、台や椅子などに乗って本体を持ち上げなければならないが、pivot3ならば台の上に乗らなくても、手を伸ばすだけで上部を掃除できる。
ノズルを動かすだけでフィルタークリーニングができるのも便利で、ダストケースを開けてメンテナンスする頻度を減らせる。ノズルを格納すればかなりコンパクトになるので、ドライブ旅行のお供に持って行くのにもいいだろう。
もう1つこの掃除機で良いと思ったのが、内蔵するニッカド充電池のバッテリーパックを自分で交換できるようになったことだ。コードレスハンディ掃除機を使う場合、バッテリーの劣化は避けられない問題だ。従来モデルは充電池を交換する際にメーカーに預ける手間がかかったが、本製品ではバッテリーを取り寄せて自分で交換できるので、長く使っていく上では嬉しい。
ノズルの角度調整範囲が広いこと、そしてその機構を利用したフィルターのクリーニング機能、パワフルな吸引力と、魅力的な要素を持ったこのpivot3、ハンディ掃除機の買い替えを検討している人にとっては有力な選択肢の1つとなるだろう。