家電製品ミニレビュー

ダイキン工業「モップ付きパワフル空気清浄機 キレイのしっぽ」

~ふわふわのモップで、ホコリをはたいて吸い込む!
by 小林 樹
ダイキン工業「モップ付きパワフル空気清浄機 キレイのしっぽ」

 掃除中や、布団を取り込んだあとのホコリっぽい部屋にいると、どうも鼻がムズムズする。花粉の季節はとっくに終わったが、アレルギー性鼻炎持ちの自分には、年間を通して、ホコリやハウスダストは避けたい存在。自宅にいる時はなるべく窓を開けて、部屋の風通しを良くするのはもちろんのこと、欠かさず運転しているのが空気清浄機だ。

 だが、空気清浄機を運転していようとしてなかろうと、ホコリはどんどん溜まる。これまで使っていたダイキン工業製の空気清浄機は部屋のホコリを吸い込んでくれるものの、電子機器の周りや棚の上のホコリには当然ノータッチ。これらのホコリは、一週間に一度は布で拭っても、すぐに積もってしまうから厄介だった。

 そこで試したのが、同じダイキン工業から出たユニークな空気清浄機「キレイのしっぽ」。ネーミングからもわかるように、一風変わった空気清浄機で、モップが付属している点が特徴だ。空気中のホコリだけでなく、棚の上のホコリなども絡め取って落とせる。しかも、モップに付いた汚れも吸引してくれるのだ。


メーカーダイキン工業
製品名モップ付きパワフル空気清浄機
キレイのしっぽ
ACM70MMP-W
購入場所直販サイト
購入価格34,800円

意外と大きい本体

 キレイのしっぽは、適用畳数26畳の空気清浄機だ。本体サイズは505×230×576mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は10.5kgあった。

普通の空気清浄機に加え、モップの収納ケースも付属するため、箱は横長で大きかった空気清浄機本体空気清浄機上面
空気清浄機の正面向かって右側側面。ここにモップの収納ケースが連結する反対側の側面空気清浄機背面の上部には取っ手が付いている
ACプラグ底面
表示パネル対応図(取扱説明書)

 本体には、「帯電式ハンディモップ」とモップの収納ケースが同梱されている。細長いモップケースは、強力なマグネットで本体側面に連結する。

モップの収納ケース側面にはマグネットが付属
収納ケース上面。ここにモップを差し込む強力なマグネットによって、本体とモップの収納ケースはしっかり連結する

 モップの見た目はフワフワしていて、その名の通り、動物のしっぽみたいだ。色は違うが、アライグマやタヌキのそれを連想させる。だが実際の手触りは、化学繊維の糸が硬くなったようなゴワゴワ感がある。毛はナイロン製だ。

 なお、本体もモップ自体も、カラーは全て光沢のある白で統一されていて、清潔感がある。

帯電式ハンディモップ。グリップ部は輪っかのような形状になっていて、握りやすい上から見ると、円柱型だナイロン製で、手触りは意外とゴワゴワ。ホコリを絡め取ってくれそうな質感だ

 付属のカード型リモコンは薄くて小さい。電源のボタン電池CR2025はあらかじめセットされている。なお、本体上面には、リモコンの収納スペースが用意されている。

コンパクトなリモコン薄型で、赤外線で通信する
電源には付属のボタン電池CR2025を使用する本体上部にリモコンをセットできるスペースがある

大風量の空気清浄機能。加湿機能はナシ

 まず、基本的な空気清浄機機能を確認しておこう。キレイのしっぽ本体は加湿機能を搭載していない空気清浄機だ。消費電力は6~58Wで、待機電力は1W以下となっている。

 空気清浄機能は大きく分けて2つある。1つ目は、集塵。ホコリのほか、花粉、カビの胞子、ダニのフンや死骸を素早く吸引できる。

 吸い込んだこれらのアレル物質は、プラスに帯電させられ、本体内で帯電したプリーツフィルターに吸着し、同社独自の「光速ストリーマ」技術によって分解される。「光速ストリーマ」技術とは、同社独自の除菌技術で、空気清浄機内部の「ストリーマ放電」により酸化分解力を持つ高速電子が放出され、空気中の窒素や酸素と合体して強力な活性種に変化する。この活性種が、アレル物質を分解、除去する効果があるという。

 2つ目の空気清浄機能は、脱臭だ。吸着した臭いは、前述の光速ストリーマ技術によって分解されるという。

 運転ボタンを押すと、風量は、「自動/しずか/弱/標準/強」の5段階から選べる。「自動」は空気の汚れ具合に応じた自動運転、「しずか」は運転音を抑えた微風運転となっている。「自動」を押すと、運転音は静かだが、本体の周りの空気がかすかに流れ出す。

 一方、早く部屋の空気をきれいにしたい時には「ターボ運転」を押す。すると、「ゴォーッ」という大きな音を立てて空気を吸い始める。最大風量は、1分当たり7立方メートルで、8畳を空気清浄する目安は11分という。運転音は最大48dBとなっている。

 このほか運転モードでは、ゆるやかな気流を起こして花粉が床に落ちる前にキャッチしやすくする「花粉運転」、空気の汚れ具合に応じて「しずか/弱」から自動で選んで運転する「eco運転」機能を備えており、1/2/4時間の切タイマーも搭載している。

ナイロン毛でホコリを絡め取る

 では、キレイのしっぽのモップを使ってみよう。まず、モップケースからモップを引き抜く。引き抜く際にモップとモップケースの内側で摩擦が起きて、モップの毛が帯電する。そのままテレビ台の上を拭う。

モップを抜く静電気を帯びる

 拭った場所はすっきりホコリが取れている。ホコリを絡め取るのは普通のモップと一緒だが、このモップは普通のモップよりもホコリが舞い上がりにくい。

 このホコリを吸着する力が、静電気の力なのか、ゴワゴワとしたナイロン毛によるものなのかはよくわからない。本体からモップを勢いよく引き抜いて“帯電”させてから、試しにモップのナ イロン毛に自分の頭髪を近づけても、髪はびくとも反応しなかったからだ。小学生の頃は、下敷きに頭をこすり付けて、静電気で髪を立たせて遊んだ記憶があるが、このモップに髪は吸い付かない。いずれにせよ、しっかりホコリを絡めとってくれる点に関しては満足している。

とにかくホコリの溜まりやすい、寝室のテレビ台。和室で、日々布団を出し入れしているため、ホコリが溜まりやすいようだbeforeafter

 どんどんホコリが取れるのが面白く、テレビ台のほか、棚の上や電子機器の周りなど、次から次へと試した。モップは柔らかいので、テレビの液晶などデリケートな場所のホコリも取れるし、機器の隙間の奥に入ったり、丸みを帯びたスピーカーなど色々な形状にフィットするのも嬉しい。

beforeモップでぬぐうafter
ピアノの鍵盤のフタの上。beforeafter
ラックの上。beforeafter
スピーカー。before繊細な部分にも使えるafter
棚の隙間など、細かい場所にも入る背丈のある観葉植物にも届く

 モップを使い終わったら、空気清浄機をターボ運転にして、モップを差し込み、数回上下に動かす。すると、モップに付いたホコリが落ちる。

モップをケースに戻して数回上下に動かす

 細かいホコリはモップケース内部から直接空気清浄機が吸引し、大きなホコリは、モップケース底面のダストボックスに落ちる。モップとダストボックスは水洗いに対応し、繰り返し使える。

モップのケースの底にある、ダストボックス数日使用しただけで目でわかるほどホコリが取れていた
空気清浄機本体とダストボックスを繋ぐダストボックスフィルターモップケース内部。ダストボックスにゴミを落とす穴

 正直、空気中のホコリやハウスダストが除去されたかどうかは、見た目だけではわかりにくい。だが、テレビ台や棚の上に溜まったホコリがキレイさっぱりなくなる様子は、目に見えて効果がわかって楽しい。

 なにより嬉しかったのが、掃除中に舞い上がるホコリを片っ端から空気清浄機が吸ってくれて、モップについたホコリも吸引されるので、掃除しながら鼻がムズムズすることが減った点だ。掃除する端からくしゃみに襲われる現象とは、おさらばできた。

手入れは普通の空気清浄機と変わらない

 最後に、手入れの手間について触れておこう。使用後1カ月が過ぎたが、結構ホコリが溜まっていたので、本体内のプレフィルターや脱臭触媒ユニットの汚れを掃除機で吸い取ったり、プレフィルターやダストボックス、モップは水洗いした。

 手入れの手間は、普通の空気清浄機と変わらない。強いて言えば、ダストBOXとモップの洗浄が増えたくらいだが、気にはならない程度だ。

前面パネルは、汚れが気になった時に拭き掃除緑色のプレフィルターは約2週間に1度、掃除機で汚れを吸引し、水洗いする対向極板は浸けおき洗いに対応
プレフィルターを取り外す大きなホコリを掃除機で吸い込む仕上げに水洗いする
空清フィルター(プリーツフィルター)は、フィルターランプが点灯/点滅したら交換する交換用の空清フィルターも同梱される
脱臭触媒ユニットは、水洗い不可掃除機で汚れを吸い取る安全ガードと送風ファン
前面パネルを開け、光速ストリーマユニットを引き出す光速ストリーマユニットは、約3カ月に1度、浸けおき洗いする装置はプレート状
寝室として使っている和室に設置したところ

 本体は意外と横幅があって、設置場所をとるのだが、モップと空気清浄機が一体となった独自デザインは、使い勝手が良い。

 もちろん、空気清浄機としても、きちんと役立つ。ホコリのほか、臭いにも反応するので、夜食を調理したあとに寝室に入っても、部屋に食べ物の臭いが充満していることはない。寝室は寝室として、ゆったりと過ごせる。掃除中や布団の取り込み中にホコリが舞い上がって鼻がムズムズすることも減った。

 キレイ好きな方、ホコリに敏感な方、特に私のように鼻炎持ちの方には、試してみていただきたい製品だ。







2012年8月7日 00:00