家電製品ミニレビュー
下村工業「スナック工房 ポップコーンメーカー」
●できたてポップコーンを家で食べたい
下村工業「ポップコーンメーカー ACP-01」 |
昔のデパートの屋上庭園には、よくポップコーンマシーンが設置されていて、炒りたてのポップコーンを売っていた。マシーンから出てくるできたてのポップコーンは、独特の香ばしい匂いを放っていて、よく大人にねだったものだ。
それを考えると、コンビニやスーパーの棚に並んでいる袋入りポップコーンは、炒りたての香りに乏しいぶん、少しさみしい味がする。きっとこういうものは、コーヒーと同じで、香りも味のうちなのだ。
そこで今回は、家庭で簡単にポップコーンが作れる製品「スナック工房 ポップコーンメーカー」を入手したので、ここでレポートしたい。
メーカー | 下村工業 |
製品名 | スナック工房 ポップコーンメーカー ACP-01 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,159円 |
パッケージ内容。写真左から、本体、フタ兼用の計量スプーン、フード |
このポップコーンメーカーはごくシンプルな作りで、円筒状の本体、それにかぶせる黄色いフード、ポップコーンの豆を投入する用途とフタを兼ねた「計量スプーン」から成っている。スイッチはON/OFFの1つだけだ。
電源は、長さ約1.8mのコードで、コンセントから取るようになっている。消費電力が1,100Wと高めなので、コンセントは「必ず」単独で使用するように注意書きがされている。
材料となるポップコーンの豆は、最寄りのケーキ材料店で購入した。乾物店や、大きなスーパーなどでも売っているようだ。200グラム入りの小袋で、136円だった。
本体内部の銀色の部分が加熱され、ポップコーンを炒る仕組みだ | ポップコーンの豆は別途購入する。200g入りで136円だった |
●作り方は簡単だが、微妙な部分も
ここからは取扱説明書の使用方法を見ながら、実際にポップコーンを作っていくことにしよう。
最初は説明書に「フードが外れないように、本体カバーの溝にしっかりとはめこみます」とあった。そのように試みたが、どうもきちんとはまったという手ごたえがない。“パチン”とか“キュッ”とか、はまった感じがほしいものだが、どうしてもそうはならず、「のせただけ」のようになってしまう。結果的には、これで問題なくポップコーンは作れたのだが、疑問を抱きながらのスタートとなってしまった。
次に、付属の「計量スプーン」にポップコーンの豆をとる。豆の量は特に計量する必要はなく、このスプーンに収まる量を入れることになっている。今回は少し控えめに、スプーン7分目くらい、約40グラムを入れた。
フードの上にスプーンをセットしてクルリと回す。すると、こぼれることなく豆をセットでき、しかもこれがフタ代わりになるというわけだ。ちょっとしたことだが、便利な仕掛けだ。
しかし取説のイラストには、この楽しい仕掛けが反映されておらず、普通に「計量スプーン」を手に持って投入していることになっている。どうも、製品を作った人と取説の文章やイラストを書く人とのコミュニケーションがうまくいっていない感じで残念だ。
フードをセットしたところ。スッキリとハマらず、写真でもやや傾いている | フードの上に、豆を入れた計量スプーンをセット | スプーンをひっくり返すと、本体内に豆が入る |
●やかましくて面白い
さて、ポップコーンの豆を投入したところで、受け皿用に手持ちのボウルをセット、本体のスイッチをオンに入れた。
と、すぐに「グオーン」「ブオーン」という運転音がしはじめる。似ているのは掃除機の吸引音だろうか。かなり大きな音だ。豆が早くもはじけるようなカチカチという音も混じる。
1分ほど経つと、どんどん香ばしい匂いがしてきて、3分を過ぎると「パン」「パンッ」という音とともに、フードの口からポップコーンがはじき出されはじめた。
見ているうちに、はじき出る勢いはどんどん増し、たちまちポップコーンが山となってくる。パンパンいう音も勢いがすごく、やかましいかどうかというと、はっきりとやかましいのだが、そのやかましいのが逆に面白い。
調理中のようす。ポップポーンがどんどん飛び出てくる |
直径20cm以上の受け皿が必要ということだったので、ちょうど約20センチのボウルを用意したのだが……盛大にこぼれてしまった |
ポップコーンを受けるボウルは直径20cm以上が指定されている。今回は、ほぼ20cmのものを用意したが、飛び出す勢いが余ってボウルからこぼれる。これもご愛敬。はっきりいって楽しい。大人でもそうなのだから、まして子供ならきっととても面白がるだろう。
たまに、はじけなかった固いままの豆も飛び出してくる。これは、はじけたものと違って丸いので、テーブルから転げ落ちてずっと向こうまで転がっていくことがあった。この豆にすぐに触るととても熱いので気をつけたい。
なお説明書には、「固いままだった豆は、再加熱はしないように」という趣旨の注意書きがある。はじけない豆があるのは想定されていることのようだ。
パンパンいう音が静まったのでスイッチをオフにする。約40グラム、1つかみほどの豆から、ボウルにほぼいっぱいのポップコーンができた。
食べてみると、ホカホカでとてもおいしい。味をつけないでもどんどん食べられる感じだ。市販のポップコーンには植物油やバターパウダーなどの油脂が使われていることが多いので、油を使わない、塩味もつけないでおいしいポップコーンはヘルシーでうれしい。
はじける前のポップコーン | 調理後はこうなった。ホカホカで、味付けしなくてもおいしい |
ちなみに使用後の手入れだが、フードと「計量スプーン」は普通に洗える。本体は洗うことができないので、絞ったふきんやキッチン用ウェットティッシュなどで拭くのがいいと思われる。ただし、使用する食材はポップコーンの豆だけなので、油汚れやこびりつきなどの問題はなく、手入れしやすいと思う。
プレーンだけだと少しさみしいので、手近にある調味料で味付けしてみよう。キッチンから塩、こしょう、カレーパウダー、ハーブ塩などを持ってきた。ポップコーンをビニール袋に入れて調味料をふりかけ、シャカシャカと振る。こうすると味がなじみやすいようだ。
「カレーパウダー + 塩」は、ポップコーンの香りとカレーが拮抗する感じでおいしかった。「塩 + ブラックペッパー」は、より大人の味という感じだ。ただ、粗挽きのペッパーだったのでポップコーンになじみにくい。なじみにくいところをまぶしながら、つまんで食べるのがまた楽しいのだが、次回はもっと細かく挽いたペッパーで試してみたい。
家にあったスパイス類で味をつけてみた | ビニール袋に入れて振ると、味がよくなじむ |
蛇足ながらポップコーンの豆の話をすると、いわゆるコーン(とうもろこし)には、スイートコーン種、デントコーン種など6種があるらしく、ポップコーン種はそのうちの単独の種だ。昔は「はぜとうもろこし種」と、あまりにも直訳の名前で呼んでいたらしい。
このポップコーン、普段私たちがコーンとしてよく知っている、いわゆる「スイートコーン」とはまったく違う種類である。だから、ポップコーン種以外のコーンではポップコーンは作れない。このポップコーンメーカーにも、ポップコーン豆以外の食材の使用は禁じられている。
●ラクなだけではなく、イベント性も抜群。おやつにもビールのおつまみにも
何といっても、パンパンと元気よくポップコーンが飛び出してくる、おもちゃ的な楽しさがウリだ。単にポップコーンが楽にできるというだけでなく、ただ単純に面白いのがいい。
また、材料も安上がりだ、コストパフォーマンスも抜群。前述の通り、ポップコーンの豆は200g入りで136円だったが、今回使った約40gで換算すると、わずか30円弱となる。さらに、油脂や添加物が入っていないため、ヘルシーだ。
お子さんのおやつに、あるいは大人のビールのおつまみに、目の前で作ってあげると、楽しい食のイベントになるだろう。
2010年8月12日 00:00