家電製品ミニレビュー

パナソニック「レッグリフレ EW-NA31」

~持ち運びできるコンパクトなフットマッサージャー
by 但見 裕子
パナソニック「レッグリフレ EW-NA31」。上の大きいのが脚用アタッチメント。ピンク色の部分は機動部。下はACアダプターと、足裏用パッド

 私の実家には、かなり立派で大げさな脚マッサジャーがある。脚をはさんでブルブルと振動させる、据え置き式の製品で、ちょっと持ち上げる気にはならないくらい大きくて重い。帰省したときに使ってみると、脚の疲れがとれてそれなりに具合がいいものだと思うが、大きさといい振動音といいい、存在感がありすぎだ。

 マッサージャー自体の効果はとても感じているが、ああいうものが部屋の中にガツンと置いてあるのは、インテリア性を妨げることおびただしい。自分の部屋にはちょっと置きたくない。

 そう思っていたところに見つけたのが、パナソニックの「レッグリフレ」だ。振動ではなく、空気圧で脚を揉んでくれるタイプのマッサージャーらしい。

 パナソニックのホームページには「会社や旅行などへの携帯に便利なコンパクトサイズ」とあり、会社のデスクや旅先のベッドで使っているイメージ画像が載っている。かさばらなさそうだし、カラーリングもきれいで、「いかにも健康器具」という無骨さがないのが気に入った。


メーカーパナソニック
製品名レッグリフレ EW-NA31
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格14,800円

 「レッグリフレ」は左右それぞれの脚用アタッチメントと、ACアダプターで構成されている。これに足裏をマッサージするとき用のプラスチック製パッドと、収納用ポーチが付属する。重量は約450g。

 アダプターのコードは約2mの長さがあるので、狭い範囲なら、着けたまま歩くこともできる。据え置き式のものだと身動きすることができないから、これは便利だ。

 色はピンクとグリーン、そしてホワイトが選べる。今回はピンクにした。あとで知ったのだが、この鮮やかなピンク色は、パナソニックの美容関係製品のイメージカラーでもあり、イチ押しらしかった。

 さっそく使ってみよう。アタッチメントは、幅の広いベルト状になっていて、ふくらはぎに巻き付けて面ファスナーで固定するようになっている。

 実際に巻いてみて、自分で笑ってしまったのは、パッケージの外人モデルさんが着けている様子とイメージが違いすぎることだ。モデルさんの脚は細くて長いので、いかにも軽やかでおしゃれな感じがしたのだが、なかなか現実はそうはいかない。

操作ボタンはシンプルで使いやすいふくらはぎに巻き付けて使用する

 操作ボタンは「弱・中・強」と「足裏/ふくらはぎ」の2つだけなので、操作は簡単だ。まずは「弱」で動かしてみる。

 スイッチを入れると「ブーン」という動作音とともに「プシュー」という感じで、アタッチメント内のエアーバッグがふくらむのがわかる。血圧検査をされるときの空気圧によく似た感じだ。予想していたより圧力は力強い。思わず「おおー」と声が出てしまった。

 「ギューッ」と、キツキツな状態までいったん全体的に締めつけ、そして「ギュッ ギュッ ギュッ」と3回揉んで、もう一度全体を締めつけ、シューッとエアを抜く。これが1セットで、繰り返し運転される。

 はっきり言ってこれは気持ちがいい。振動タイプのマッサージャーも気持ちはいいが、エアータイプは「もむ」感じにかなり寄っていて、マッサージの性質が全然違うのだ。

 昔、立ち仕事をしていたころ、夜帰ってくるとふくらはぎがパンパンに張っており、ルームメイトにワインボトルでたたいてもらって筋肉をほぐしていたことがある。骨さえ叩かなければ筋肉は叩いても大丈夫だったし、ワインボトルを使うのはガラスが厚く重いからだ。いま思えば非常に乱暴な方法なので、人さまにはお勧めできないが、そんな荒療治をしたいぐらい脚が疲れるときがあったのだ。あの頃の私に、この「レッグリフレ」をプレゼントしたいくらいだ。

 運転の強さだが、少なくとも現在の私には「弱」でも十分に気持ちがいい。「中」だと、最初のギューッと締めつける段階で少しだけ痛く、「大」までにするとかなり痛くて息詰まる感じがする。

 もちろん、こういうのは体感に個人差があるわけで、「うんと強くマッサージしたい」人のために伸びしろが用意されてるのはとてもいいと思った。

 マッサージは、1日1回、10分以内の使用が推奨されており、運転が10分経過すると自動的にタイマースイッチが切れる仕様になっている。

 次に、足裏用パッドをつけて、足裏マッサージを試してみよう。アタッチメントに、突起のついたパッドを差し込み、足を包むように巻く。

足裏マッサージ用の突起パッドを装着したところ足に巻いて使用する

 スイッチを入れると、ふくらはぎの時と同様、いったん全体的にギューッと締めつけ、ギュッ、ギュッ、ギュッと押してくる。

 パッドの突起が足裏のまん中を押さえる感じが、大変に気持ちいい。指で押してもらっている感じに、かなり近い。運転の強さは、「弱」でもいいが、「中」、「強」と上げていくのもいいと思った。少々痛いところがかえって気持ちがいいのだ。

 また、突起の当たる位置は多少調節できるので、足の疲れ方や使う人の好みで、位置を変えて楽しめると思った。

 この日は、おおむね一日座って用事をしていたあとで試したのだが、あとで足が軽くなりスッキリした気持ちがした。むくみがとれたのだろう。

 「レッグリフレ」は、会社や旅行などへの持ち歩き用にと専用ポーチが付属しており、また、気兼ねなく使用できるようにと動作音も低くしてあるそうだ。

使っていないときはコンパクトに収納できる

 ポーチは、片手で持てる大きさであり、持ち歩きに無理はない。ちょっと髪やメイクに気合いを入れている女性ならこのくらいの大きさの化粧ポーチは持つだろう、というサイズである。

 持ち運ばないにしても、使っていないときにきちんとしまっておけるのはいいと思う。おしゃれでコンパクトなデザインの「レッグリフレ」とはいえ、健康器具は健康器具である。そこらに裸で転がしておくのはあまりステキではない。

 音に関しては、「自分で使っている分には、ほぼまったく気にならない」という感想だ。テレビを見るにも、電話するにも妨げにならないと思う。

 ただ、近くでほかの人が使っている場合、それなりに耳につき、気になるような気がする。ブーンという運転音が、一定でなく断続的に鳴るためもあるだろう。実際にオフィスなど人中で使うのはややきついかもしれない。休憩室などオフの空間でならアリという感じか。

 とはいえ「レッグリフレ」は、女性向きにいろいろ考えられた、バランスのいい製品だと思う。マッサージャーとしては値段的にも手頃だし、若い女性の「健康器具デビュー」として、導入する価値があるだろう。



2010年5月11日 00:00