家電製品ミニレビュー
武器すぎるシャープの掃除機をスーパー戦隊ヒーローが使ってみた
by 藤山 哲人(2015/8/19 07:00)
毎日毎日繰り返す掃除機掛け。多くのヒトは、その面倒さにガマンしつつも毎日の家事としてこなす。それに「耐えられん!」というヒトは、ロボット掃除機で少し楽をしているだろう。
しかし目の付け所がシャープな会社は、掃除機にエンターテインメイント性を盛り込み、「毎日掃除して楽しくなる」という革新的なスティック掃除機「FREED 2」を発売した。
メーカー名 | シャープ |
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製品名 | スティッククリーナー FREED 2 レッド系 |
品番 | EC-SX310 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 52,060円 |
一見するとフツーの掃除機なのだが、持つヒトが持つと、ソレにしか見えなくなるという、非常に中毒性の高い武器的なデザイン。しかもシャープは、美少女フィギュアでも定評のある壽屋(コトブキヤ)とコラボレーションして、この掃除機を武器として持つ、アーマードスーツに身を包んだ美少女フィギュアを公開した。
同社の、オチャメにしゃべったりするロボット掃除機「ココロボ」や愉快なスマホの仮想人格「エモパー」など、エンターテインメント家電のパイオニアだけに、FREED 2もいい塩梅のエンターテインメント性がふんだんに盛り込まれている。
ということで「ここまでは怒られないだろう」という点を探りつつ、ちびっ子のヒーロー、スーパー戦隊のみなさんにお願いして“武器すぎる掃除機”FREED 2をレビューしてもらおう!
手にかかる重さを軽減! 女性隊員でも扱いやすい
以降は私、スーパー戦隊スイハンジャーのFREED Blueがレビューしよう! 本当は5人のスーパー戦隊なんだが、あいにく他の4名は帰省しているため、当直の私のみで地球(おもに横浜)の平和を守りたい。
我々が日曜朝の時間帯に愛用している武器「FREED」だが、実は日本のシャープに開発を依頼している。ぶっちゃけシャープならこの設定でも許してくれるんじゃないか? という皮算用である!
しかしここに1つの疑問が残る。なぜ武器なのに掃除機のようなデザインをしているのか? その答えは、部屋に置いてあっても、敵に武器と悟られず、出動時には「いつでも、どこでも、だれでも」持ってスクランブルに対応できるからだ。
FREED 2最大の特徴は、その機動性にあるといってもいいだろう。12話まで登場していた従来型に比べると、手にかかる重さが約40%軽減され1.1kgまで軽くなり、女性隊員でも片手でラクラク扱えるようになっている。
また、電気自動車などでも利用されている高回転・高トルクの新型ブラシレスモーターを採用。大風量のターボ化を行なったことで、吸引風量は30%アップしさらにパワフルに!
やや気になるのは駆動音だ。我々は屋外で使うのでそれほど気にならないが、高回転型のターボファンなので「フューン!」と高い駆動音が目立つ。壁の薄い集合住宅などでは、夜の利用はいささか、ははばかられるだろう。
さて我々スーパー戦隊は、会社登記簿上では民間警備会社となっているため、エコロジーにも配慮している。敵が潜んでいるが、じゅうたんかフローリングかを自動で見極めパワーコントロールするため、意識せずに省エネを実践できる。
心臓部はサイクロン、リチウムイオン弾で連続20分の一斉掃射
心臓部はサイクロン方式でモーターとのコンビネーションも抜群。サイクロンの遠心分離と高性能フィルターにより、0.3μmの微細な粒子も99%を殲滅させる。性能的には床置きのキャニスタータイプと互角だ。
ん? ちょっと気を抜くと、掃除機のような話をしてしまっているが、FREED 2の武器としての性能を続けよう。
一見するとエネルギー弾のマガジンに見えるクリアパーツがダストビンだ。着脱はワンタッチ。レバー1つでロック解除、装着はガチャン! と本体にドッキングする。
ダストビンは、殲滅させた敵を残らず捕らえる。遠心分離サイクロンで大きな敵を、花粉のような微粒子はその奥にあるフィルターで捉えるダブルキャプチャー方式だ。中でもオレFREED Blueがフィーチャーしたいのは、フィルターの目詰りの手入れができるダイヤル式のダストクリーナー。
フィルターの奥に捕らえた微粒子でも、ダイヤルを回し振動を与えることで、フィルターの目詰まりを抑える。この機能があるとないとでは、フィルターの目詰まりを大きく左右し、結果吸引力に差を生む。
適応弾は、大容量リチウムイオン弾で約1,100回の利用に耐える。通常のリチウムイオンに比べると2倍以上のロングライフ設計だ。オートで使った場合は30分の連続掃射が可能。巨大化した敵などに対応する「強」モードの場合は、ターボパワーで8分の掃射が可能だ。
エネルギー弾のチャージは、専用チャージャーにドッキングするだけでOK。一般家庭では壁ぎわなどに置いて利用するが、我々はチャージャーをベルトに装着し、エネルギー弾をドックオン! させている。
チャージにかかる時間は80分なので、劇場版で我々の活躍を見てもらっているうちにチャージが完了する計算だ。
チャージが完了したら本体のキャノピーをオープンして、バッテリーバイザーにベントイン!「ファイナルベント!」という音声による呼応はないが、キミもスーパーヒーローになれる!
基本形態のハンバーシャークヘッド形態
4つのエレメントでざらつき感なしの一斉掃射
基本形態のハンマーシャークヘッドは、自走式でスイスイと軽々一掃できるのが特徴だ。ヘッドはパワーモーター式で、ブラシを回転させパワーアシストするとともに、隙間に隠れたガンコな的を掻き出し吸い込む。
ブラシにもとびきりのギミックがあり、4thエレメント方式を採用している。我々ヒーローの4エレメントは、火・風・水・土だが、FREEDは特殊エレメントを採用。
赤は火でなく自走ハードブラシ、緑は風でなくソフトブラシ、水色は水ではなくAg+(銀)イオンブラシ、黄色は土ではなく床磨きブラシとなっている。
結果、コードレスなのにキャニスターなみに、潜んだ粒子を一斉掃射して吸い込む。フローリングを裸足で歩くと感じるザラッと感がなく、まるで拭き掃除までしたかのようになる。
しかもウェイトバランスがよく、コードレスによくありがちな重さをほとんど感じない。なぜならバッテリーやモーターといった重い部品の重量を、ノズルを経由して床に載せているからだ。
そのためキャニスターと変わらない重量しか手首にはかからない。また多くのコードレスタイプは、ハンドルが上部にあり引き上げながらヘッドを押す。FREED 2のハンドルが横にあるのは、キャニスターのホースとそれほど重さが変わらないという証拠だ。
驚くべきは、自立するほど安定した重心。ちょっと休憩という場合でも、その場にFREED 2を立てておけるのだ。これは凄い! しかも短い形態でも自立する!
キュッ! とハンドルを左右にふれば、思い通りの方向に進んでくれるだけでなく、またソファーの下へ潜らすときも軽さがモノを言う。
本体の機動性とハンマーシャークヘッドの集塵性、そしてウェイトバランスのよさは、階段掃除や車の掃除で威力を発揮する。
巷では延長管と呼ばれているエクステンションバレルを外せば、ハンマーシャークヘッドがそのまま本体にドッキング。これで狭い場所で戦わなければならない市街戦での機動力が確保できる。
先端ツールの交換であらゆる戦闘にも対応
付属の先端ツールを交換すると、多種多様な敵との戦闘でも武器を変形させて優位に戦える。日曜朝の男の子向け番組で「変形」と「巨大ロボ」と「飛び道具」は欠かせないアイテムなのだ!
なにぶん巨大ロボを持っていない我々「スーパー戦隊 スイハンジャー」だけに、スポ○サーからの「おもちゃが売れないと困るんだよねぇ~♪」という言葉に戦々恐々としている。ある意味、敵のボスや総統より最強の存在だ(笑)。
なので我々も、手を替え品を替え武器を変形させたり、フォーメーションを変えているが、嫌々やってるワケでもない。武器やフォーメーションを変えることで、あまり代わり映えしない戦闘員との戦いに、少し変わった楽しさを見つけられるからだ。
おそらく我々の日常的な戦闘と同じで「お掃除大好き♪るんるん!」というヒトは少ないだろう。そんな退屈なお掃除という任務が、FREED 2の先端ツールで楽しくなってくることを保証しよう。
射程距離が伸びるロングレンジ・アサルトライフル形態
部屋で活躍するのが、エクステンションバレルを装着したロングレンジ・アサルトライフル形態だ。
装着すると射程距離が伸びるので、手の届かないエアコンのフィルター、シーリングファンのホコリ取りから、タンスの隙間など、あらゆる隙間に潜む敵をピンポイントで一掃できる。
また付属のベンリブラシを使うと、アジトの奥に潜む敵を掻き出すこともでき、ブラシは折り畳み式で本体に格納することが可能。しかも格納した状態で、ハンマーシャークヘッドの装着もできる。
コンパクトなカービン銃形態
本体のみで使うと、階段や車と言った狭い場所でも、機動性を重視したコンパクトなカービン銃形態になる。我々も廃墟のビルや工場内で戦う場合は、この形態を使っている。
ちょいがけに便利な形態なので、リビングやキッチンで潜入工作員をサッ! と一掃するのに便利だ。
また付属のベンリブラシは、カービン銃形態にも装着可能。折り畳むとエクステンションバレルを装着できるので、通常はブラシ装着状態で戦うといいだろう。いざというときに、スグに使える臨戦態勢にできる。
ハンマーシャークヘッド形態
先にも紹介したとおり、FREED 2はパワフルモーターと4thエレメントブラシで、広範囲に展開する敵を一斉掃射できるのが特徴だ。
このヘッドはカービン形態にもアサルトライフル形態にも装着できるので、狭く接近戦を強いられる場所から広く大型銃器が使える野戦まで幅広く使える。
衣類や寝具を一掃する2WAYベンリヘッド
FREED 2に標準装備されている2WAYベンリヘッドは、布団やカーテン、衣類についたホコリや微粒子、花粉などの敵を殲滅する専用ツール。潜んでいる布などには影響せず、中に潜んでいる敵のみを殲滅するという高度な戦術が使える。とはいえ、その殺傷力は強く、カバーの下に潜んでいる敵でさえも一掃できる。
またセーフティーを解除してモードを切り替えると、ペットの抜け毛やソファーを一掃できるモードになる。先の衣類・寝具モードではエチケットブラシ状の弾幕を張ったが、こちらのモードはゴム状の弾幕でかき集めるようになっている。
最近は寝具の掃除機掛け性能も問われているので、軽くテストしてみたのが次の実験だ。およそ3μmの疑似花粉を使い、性能をテストしてみる。疑似花粉を枕の中身にひとさじまき、枕カバーをかける。さらに枕カバーにも疑似花粉を振ってみた。
さすがに枕本体に巻いた花粉は取れないと思いきや意外な結果に!
キミも後楽○遊園地でボクと握手!
さてFREED Blueがお届けしたシャープの武器過ぎる掃除機「FREED 2」が、どれだけエンターテイメント性を秘め、かつあらゆる場所を掃除できるかがお分かりいただけただろう。
カラーバリエーションは、紹介したレッドに加えゴールド、2WAYベンリヘッドが付属しない「EC-SX210」の方はブルーとピンクの、計4色を用意する。いずれもメタリックの効いたアーバン調なデザイン。幅広いコスプレにも対応できるバリエーションの広さも魅力だ。女性はぜひビキニアーマーでチャレンジしてほしい!
ファミリー向けのチョイ掛け用の2台目としてもよし、車や趣味部屋の掃除用としてもいい。独身世帯なら、FREED 2だけでも十分応戦できる。
唯一の問題は、この記事がシャープに怒られないか否かだ(笑)。もし「お詫び」という赤い注意書きがされていた場合は、察していただきたい!