家電製品ミニレビュー

睡眠中も乾燥しない! 顔周りだけ保湿する「パーソナル保湿機」

パーソナル保湿機「SH-JX1」

 乾燥が気になる季節、加湿器を活用する人も増えていると思います。しかし、加湿をすると発生するのが結露。特に寝室に加湿器を置くと、結露の発生で悩んでいるケースが多いと聞きます。

 そんな悩みを解消してくれるのが、三菱電機のパーソナル保湿機。その実力をご報告します。

メーカー名 三菱電機
製品名 パーソナル保湿機「SH-JX1」
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 28,000円

人の顔に集中して蒸気をあてる新機構

 まずこの製品が従来の加湿器と違うのは「睡眠中の保湿」を主目的とした新しいタイプだということ。製品名を「加湿器」ではなく「保湿機」としているのもそのため。部屋全体ではなく、本体の吹き出し口から75cmまでの範囲に蒸気が届き、顔周りの湿度だけをあげる設計です。

 加湿方式はスチーム式で、水を沸騰させて蒸気を放出するタイプ。しかし、蒸気は軽いため上昇してしまい、機器から離れて寝ている人の枕元に届けるのは物理的に難しいもの。そのため、本体上部にあるスライド部分「送風ダクト」から風を吹き出して、蒸気の上昇を抑える構造を開発。運転中はこの「送風ダクト」を前に出して使います。

使用時は上部の「送風ダクト」を前にスライドして使う
上の穴から風が吹き出し、格子の部分から出る蒸気の上昇を抑える

 このように蒸気を水平に吹き出すことで、寝ている人の顔に向けて蒸気を届けられ、のどや鼻の乾きを緩和し、肌や髪にも潤いが得られます。室内全体を加湿する加湿器と比べると、部屋全体の湿度を高くしないので結露になりにくいほか、顔周りメインなので部屋の広さに関わらず使えます。

 従来の1/2の電力かつ間欠運転で省エネ、1Lの水で8時間運転可能、少ない水で加湿効果が得られるため水垢の量も減りお手入れがカンタン、など実にたくさんのメリットがあるのがこの製品の魅力です。

 それでは、構造を見ていきましょう。「送風ダクト」をスライドした状態で本体後方のカバーを外すとタンクがあります。デザインを重視したためタンクとカバーは一体型にせず、2アクションになっているとのこと。しかし、タンクは0.97Lとコンパクトサイズのため、ほぼ一晩ですべての水を消費します。確かに外観はキレイに仕上がっていますが、給水は毎日必要となるため、給水のためにいちいちカバーを外さなくてはならないのがやや面倒に感じます。

後方のカバーを取り外すと中に給水タンクが入っている
給水のたびに毎回外カバーを外さなくてはならないので、給水時はやや面倒

 次に、本体前方のカバーを外すと、蒸気発生部分となります。外側から順に、フード・蒸気ガイド・クリーニングフィルターと、スチーム発生の機構が納められています。

 ここで沸騰した水が蒸気となり放出され、「送風ダクト」の風と混ざり前方に吹き出されていく仕組みです。ちなみに、取り扱い説明書を見なくても感覚的に分解できるので、お手入れ時に戸惑いません。

本体前方のカバーを外すと、内部の蒸気発生部分が出てくる
フードを取り外したところ
フードを外すと、乳白色の蒸気ガイドがある
乳白色の蒸気ガイドの中は、水を加熱する蒸発皿
蒸発皿の中には、水をろ過する「クリーニングフィルター」が入っている

実空間でベストポジションに置けるかが課題

ベッドと同じ高さのサイドテーブルが必要

 それでは筆者が実際に使用した様子をご報告します。先にも書きましたが、パーソナル保湿機は吹き出し口から75cmまでの範囲に蒸気が届く設計です。そのため、顔までの距離を75cm離して、頭と同じ高さに本体を置くことが推奨されています。

 しかし、実際にこの条件で置いてみようとすると、なかなか難しいのが現実。というのも、枕に向かって吹き出し口を向けて置かなくてはならないので、本体の奥行き分(約328mm)+アルファで約40cmのスペースが必要になります。

 もちろん75cm以内であれば十分に蒸気が届きますが、風が強く感じるため75cmがベストとのこと。筆者の場合、ベッドの頭側にカウンターがある宮付きベッドなので、これでは蒸気が適切に届かずうまく効果が発揮できません。保湿機を置くには、新たにベッドサイドにテーブルを置く必要がありました。

 筆者宅は150cmのダブルベッドを夫婦で使用しているので、ふたりの真ん中が75cm。これだと顔がないところがベストポジションになってしまうという不具合も……。最適なポジションで使おうとすると、うまくスペースが確保できないのがネックになるかもしれません。

 ちなみに、一般的なシングルベッドのマット幅は約100cm、その中央に顔の位置がくるとすると50cm前後なので、ベッドサイドからさらに本体を離さなくてはなりません。これらの制約が減り、もう少し柔軟になればより使い勝手は良くなると感じます。

サイドテーブルは本体の奥行き+アルファで、約40cmの幅が必要になる
マグネット式の電源ブラグのためぶつかると外れてしまうので、サイドテーブルの奥行きはさらに余裕が必要
ダブルベッドのため、本体から75cmだとちょうど枕と枕の間がベストポジションになってしまう

気になる保湿効果をチェック! 顔周りは平均50%前後で安定

 といいつつ、なんとかスペースを確保してベッドサイドに保湿機を設置し、いよいよ運転開始です。本体内部で発生する蒸気は約90℃。それに常温の風を混ぜて、吹き出しは約45℃のほどよい暖かさのスチームになっているのも、こだわりポイント。

 ヒーター式で吹き出す蒸気が冷たくないのも快適な要因のひとつです。約45℃の蒸気が顔周辺をほんわり包んでくれるため、なんとも心地良い気分になります。

 実際に湿度を図ってみると、部屋の湿度が35%程度の状態で、本体吹き出し部分の蒸気に湿度計をかざしていると99%まで上昇しました。枕の位置では45%前後。本体から75cm離れたベストポジションだと66%の表示。

 しかし、部屋自体の湿度はほとんど変化がありません。約1カ月間湿度を測ってみましたが、部屋の湿度に関わらず顔周りは常に45〜50%前後をキープしているので、安定した状態で保湿ができました。

吹き出し口は蒸気が直接当たるため、湿度計は99%を表示
本体から75cm離れたベストポジション、枕の端で計測
枕の端の湿度、66%
枕の中心の湿度、45%
保湿機を置いてあるテーブル上、35%

 これまでは、睡眠中に乾燥して朝は口がカラカラになっていましたが、この保湿機を使うようになってからは症状が緩和されました。もちろん医療器具ではないので完治する訳ではありませんが、乾燥対策としてはなかなか優秀です。11月に入ってからは、ほぼ毎日1Lの水分を一晩で浴びているわけですから、その効果も納得できます。

電源を入れるとメインスイッチとタイマーの数値が光って見やすいが、電気を消した時には目に入り気になることも……

 就寝用ということで、運転音も気になるところ。スペックでは27dBと一般的な加湿器と比べて静かな部類です。立ち上がり時は、水を沸騰させているので、それなりの音はします。しかし、蒸気が吹き出しはじめて安定運転に入ると、ほとんど気になりません。しかし、部屋全体の加湿器と違い枕元に置くため、神経質な人は気になることもあるかもしれません。

 また、スイッチを入れると運転時間の表示が点灯します。ランプの表示は分かりやすいのですが、睡眠中は光が気になることも。就寝時は消灯できるなどの配慮があるとなお良かったです。

コンパクトなのでお手入れは洗面所でもOK

 水を沸騰する蒸発皿やフィルターは、1週間に1回程度の定期的な手入れは必須です。蒸発皿の中に入れるフェルト素材のクリーニングフィルターは消耗品で汚れが蓄積したら交換可能ですが、もみ洗いできますので定期的な洗浄で清潔に維持しましょう。

 蒸発皿に付着した水垢も、水で流せばポロポロと流れていきます。給水タンク含め、全体的にコンパクトなので、洗面所でも手入れができるのは楽です。そもそも、加湿器はどの機種でも手入れが必要なので、特に手間がかかるということではないでしょう。キレイな蒸気を浴びるためにも、ぜひ小まめな手入れは心がけたいものです。

蒸発皿にあるクリーニングフィルターはフェルト素材なので手でもみ洗いが可能
蒸発皿にはカルキが溜まるので、週1回のお手入れが目安
水タンクも小さいので洗面所でもラクに給水やお手入れができる

部屋の湿度を上げずに保湿は、これからの定番になるかも!

 ご報告した通り、設置さえちゃんとできるなら、その効果は確実に得られます。一度沸騰した蒸気なので、顔周辺にダイレクトに浴びても安心感がありますし、何より暖かい蒸気が気持ちよいのが大きなメリット。

 電気代は、8時間連続運転した場合で約21円。これを高いと感じるか安いと感じるかは、乾燥に悩んでいるかで大きく変わるところ。筆者は「買い!」と判定しました。もう少し設置性がフレキシブルになれば、今後の定番スタイルになれる可能性大です。

(戸井田 園子)