家電製品ミニレビュー

予約が取れない! 高い! から愛犬のカットを自宅でやってみた

トリミングの予約が1カ月とれない! 犬用バリカンにチャレンジ

ドギーマン「ホームバーバーエキスパート NEO」

 「犬の毛のカットってオレの散髪代より全然高い……しかも予約1カ月先だって」

 愛犬をカットにつれて行った夫の一言だ。我が家で飼っているトイプードルを始め、最近人気がある小型犬は、定期的なカットを必要とする犬種が多い。シャンプーはもちろん、ブラッシング用のブラシやら、アクセサリー用のヘアゴムまで関連製品は山ほどあるが、その中でも一番高価なのが、毛のカット、いわゆる「トリミング」だ。

 我が家はずっとプロにお任せしていたが、近所のペットショップのトリミングが予約で一杯だったこと、愛犬の毛が伸びきってしまって、見た目にも暑そうなことなどから、初めてペット専用のバリカンを購入した。選んだのはペットショップで売られていたドギーマンの「ホームバーバーエキスパート NEO」というペット専用のバリカンだ。

メーカー名ドギーマン
製品名ホームバーバーエキスパート NEO
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,301円

 この製品を選んだ理由はまず、ペットグッズを多数扱うドギーマンの製品であるということ、もう1つは充電式と交流式どちらにも対応しているというところだ。つまり、コンセントにつないだまま交流式で使うこともできるし、あらかじめ充電しておくことでコードレスで使うこともできるというわけ。何しろ初心者で勝手がわからないので、どちらにも対応している方が安心だろうと思ったのだ。

 本体の見た目は、いわゆる普通のバリカンと変わらない。3/6/9/12mmと長さが変えられるアタッチメントがついており、刃には耐久性が高い「SUS420J」というステンレスが採用されている。そのほか、本体には刃に差すためのオイル、刃を掃除するためのブラシが同梱されていた。

毛がかなり伸びた状態の愛犬
本体同梱品。コンセントに繋いだまま交流式で使うことができるほか、充電式にも対応する
手に持ったところ。見た目は人間用のバリカンと変わらない
裏側
刃の部分は取り外せる
使用前には必ず刃に注油する

2人がかりで5時間……結構苦労しました

事前のブラッシングを終えて、いよいよカットスタート。運転音はそれなりに大きい

 繰り返すが、トリミングは初めての経験。夫と相談しながら、迷いながらなんとかやり終えたが、時間は実に5時間! もかかってしまった。手順は以下の通りだ。

・シャンプー
・ドライヤーで毛を乾かす
・念入りなブラッシング(ココまでで1時間)
・カット

 工程としてはごくシンプルながら、この製品の定格時間(連続使用できる時間)は約30分のため、30分経ったら10分休憩というインターバルが生じる。これは、上下の刃に摩擦熱が生じるため、定期的な注油と、熱を冷ます必要があるからだ。実際やってみると、この休憩は確かに必要。使い続けていると、確実に刃の切れ味が落ちてくるので、30分ごとの注油は必ずした方が良い。

 本体の運転音はかなり大きめ。集合住宅などに住んでいる場合、夜に使うのはためらわれる音量だ。ただし、犬がおびえたり、怖がるようなことはなかった。というのも今回は、夫と2人がかりで、1人が犬を抱っこして、もう1人がカットをすすめていくという方法にしたからだ。

 うまくカットするコツは2つある。まず1つめは事前のブラッシングがとにかく重要。特にトイプードルのようなカールがかった毛の場合、十分にブラッシングしていないと毛がからまってしまう。

 もう1つは、ゆっくり使うこと。せっかちな性分の私にはこれが結構難しかった。これもまた犬種によるが、トイプードルの場合、20cm進めるのに15~20秒かけるつもりでゆっくり刃を進めるのが良い。焦って進めても毛が絡まってしまったり、うまくカットできていなかったりするので、ゆっくり確実にやるのがおすすめだ。

夫と2人がかりで作業を進めた
刃先が確実に毛をキャッチしているのを確認しながら、ゆっくりと作業をすすめる
刃の間に溜まった毛は、付属の掃除ブラシで取り除く
5時間の成果。顔や頭周りの毛をカットするのは難しくて、途中であきらめてしまった

 夫と2人がかりで5時間。終わった時は、人間はもちろん、犬も疲れてしまっていた。仕上がりの方は……まぁ、プロがやったのはとは比べものにならない。はっきりいって虎刈り状態(苦笑)。後で調べてみると、トイプードルはほかの犬種に比べて、毛が絡まりやすく、カットが難しいという。毛がストレートな犬ならば、もっとずっと早く作業が終わるだろう。

 もっとも、この後、2回、3回とカットを続けたことで、カット時間は大幅に短くなった。それでも、シャンプー、ドライ、ブラッシングの時間を考えると3時間はみておいた方がいいだろう(トイプードルの場合)。

トリマーさんってやっぱりプロだ

 今回自分で愛犬をカットしてみて、犬の毛をカットする「トリマー」ってスゴイ技術を持っているんだなと思い知らされた。ちなみに、トイプードルのトリミング(シャンプー、ドライ、カット)は、だいたい1万円前後が相場。お金の問題を考えると、せっかく買ったのだから、もう少し自分で極めてみたいというのも素直な気持ちだ。

 最後に1つ注意したいのは、この製品はあくまで初心者用だということ。同じドギーマンでも、ホームバーバープロフェッショナルという上位機種も用意されている。こちらは高性能モーターを搭載したプロ使用の製品で、毛の長さを設定するアタッチメントもステンレス製だ。用途に合わせて、選ぶのがいいだろう。

阿部 夏子