家電製品ミニレビュー

焼き鳥にとどまらず、香ばしい「焼き物」も調理できる小型グリル

ピーナッツ・クラブ「お一人焼き鳥名人 KA-00266」。コンパクトな小型グリルだ

 片手でいただける焼き鳥は、おかずとしてはもちろん、ビールやお酒の肴にもぴったりだ。家庭でも簡単に、作りたての焼き鳥が簡単に調理できる、ピーナッツ・クラブの「お一人焼き鳥名人」を今回は紹介しよう。

メーカー名ピーナッツ・クラブ
製品名お一人焼き鳥名人
品番KA-00266
購入場所ヨドバシ.com
購入価格1,880円

 焼き鳥名人は、発熱する電熱線で食材を炙り焼きできる、少人数向けの小型グリルだ。本体の大きさは約315×105×105mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、重さは約620g。焼き網の広さは200×100mm(幅×奥行き)。焼き鳥が一度に置ける。電熱線はU型のステンレス製で、取り外しのできる焼き網までの距離は12mm。下段プレートの取り外しはできない。

 使い方はとても簡単で、電源プラグをコンセントに差し込んだら、スイッチを入れるだけ。温度調節機能は無く、食材の様子を見ながら焼くシンプルな調理器だ。電源を入れると黒い電熱線が鈍く赤くなって発熱する。

本体の大きさは、約315×105×105mm(同)、重さは約620gでコンパクトだ
ステンレス製の焼き網は乗っているだけ。簡単に外せる。下段プレートは外せない
側面にスイッチがある。温度調節のないシンプルなもの
電源を入れて2分程で、電熱線が赤くなり発熱する。ストーブの側にいるような熱を感じる

焼き鳥はできたてが美味しい!

 使い方がとてもシンプルなので、とにかく焼き鳥を作ってみよう!

 一口大の鶏モモ肉、白ネギを交互に串に刺して、塩を振っただけの「ねぎま」を用意。取扱説明書にしたがって網を5分弱しっかり熱してから、生のねぎまを網の上に並べて焼き始めた。なお、下段プレートは取り外しができないので、後で掃除しやすいようにアルミホイルを敷いておいた。

 片面を焼いていると、脂が焼けて徐々に焼き鳥らしい良い香りが立ち上り、その時点でワクワクしてくる。焼き目を見ながら6分弱でひっくり返し、さらに4分焼いて出来上がった。焼きたてを頬張ると、鶏肉の中までしっかり火が通っていてジューシー! 皮も適度に脂が落ちて香ばしい! きれいな焼き色が付いたネギは、甘くほっこりと柔らかい!

鶏肉と白ネギを用意し、ねぎまを作り焼き始めた。5本は一度に調理できるだろう
表面6分、裏面4分で美味しそうに焼きあがった!自分で作る焼き鳥はマジで美味いっ!

 焼いている途中、結構時間がかかるなぁ、と感じたが、出来上がりは肉もネギもパサつかず、味も食感も見た目も上々。実は、焼き鳥を自分で作るのは今回初めてなのだが、大成功だった。加減を見ながら落ち着いて調理できるので、とにかく簡単。網を熱してから焼いたので、こびりつきもさほど無かった。自分で作る焼き鳥は、買ってきたものよりも数段美味しいのが一番嬉しかった。

 もちろん、買ってきた調理済みの焼き鳥の温めなおしにも重宝する。買ってきたものは串の長い、タレのついたもの。電熱線に平行に並べたが、3~4本は一度に焼ける。両面合わせて7分程で、甘いタレもさほど焦げずにアツアツに仕上がった。

買ってきた焼き鳥の温めなおしにもOK。焼き鳥が長いなら、電熱線と平行にすれば4本は並べられる
表面4分、裏面2分半で焦げすぎず、アツアツに温めなおしができた
調理中、触れられる程度ではあるが、本体の周囲が熱くなる。台の材質によって、本製品を木製のまな板の上に載せたり、水で絞った布巾を周りに敷いたほうが安心だろう

 使っていて気になったのは、本体の周囲が結構熱くなることだ。触れられない熱さではないのだが、10分も使い続けると本体の長辺が向く台の上が結構熱くなる。

 気になる場合は、大きめのまな板の上に設置するか、水で絞った布巾を周囲に敷いておくと安心だろう。下段プレートの真下の面は気になるほど熱くならなかった。

 また、食材の脂やタレが電熱線に落ちると煙が上がり、ストーブの目の前にいるような熱も感じられるので、換気扇の近くで調理した方がいいだろう。

焼き鳥以外もバンバン焼ける

 自分で作った焼き鳥は、思いの外美味しかった。火の通りにくい鶏肉が、香ばしく美味しく焼けるなら、他の食材だってきっと調理できるに違いない! そこで、思いつくままに、焼いてみたい食材を用意した。

 用意したのは生鮭、夏野菜、ロールパン、お餅、そして握った白飯。生の焼き鳥で調理時間が10分かかったように、調理にある程度時間がかかるが、それぞれ美味しく出来上がった。

・焼き鮭

 厚みが2㎝程の鮭は、両面13分で焼きあがった。軽く焦げ目が付き、中はふっくらと美味しい。魚グリルとしても十分に代用できると感じた。

厚さ2㎝の生鮭を焼いている様子。焼き面の幅にピッタリ収まった。2切れは同時に焼けるだろう
片面それぞれ7分ずつで焼きあがった。軽く焦げ目が付き、中はふっくら。魚の切り身にもバッチリだ

・焼き餅

 両面合わせて7分ほどできれいな焼き色が付き、しっかり中まで火が通ったお餅が焼けた。火加減は調節できないのに、焦げすぎず、ちょうどいい仕上がりだ。

・焼きおにぎり

 握っただけの白飯に、みりんでのばした味噌を塗り焼いた。焦げが香ばしく、美味しい焼きおにぎりができた。おにぎりは小ぶりに握ったほうが、中まで温まりやすかった。

お餅も美味しく焼ける。片面4分ずつ焼いて出来上がり。周りはカリッと仕上がり、お餅もしっかり伸びるほど火が通った
片面5分ずつ、焦げ目が付くまで焼いた。焦げ目が香ばしく、風味のある焼きおにぎりができた

・夏野菜のグリル

 夏野菜は12分程で焼き上がった。5mm厚の南瓜にも、プチトマトにもしっかり火が通った。野菜本来の甘みが楽しめる。2日目のカレーに添えて夏野菜カレーにアレンジした。

・ロールパンの温め

 上下、1分ずつ焼くだけで、さほど焦げずに中までアツアツに温められた。ロールパンは背が高く、オーブントースターでは失敗しやすいが、こちらはとても美味しく温めることができた。

南瓜、ズッキーニ、プチトマト、オクラ、パプリカを一度に焼いた。両面12分で全てに火が通った。焼き野菜は、野菜本来の甘さが引き立ち、カレーとも相性抜群だ
高さのあるロールパンの温めにも良い。片面につき、1分ずつで軽く焦げ目がついたが、中までアツアツに仕上がった

 焼き鳥を焼いているところでも触れたが、調理時間は全体的にかかる。本製品の消費電力は、実測で454Wと、一般的なオーブントースター(1,000W前後)よりも低く、火力は弱めと言えるだろう。

 火力が弱めで温度調節はできないが、「周りは焦げたのに、中が冷たい」というのが、今回試した食材では全く起こらなかった。きれいな焦げ目がつき、食材の中心までしっかりと火が通り、どれも美味しく仕上がった。

 調理中は食材が覆われていないので、焼いている状況が目と鼻で確認しやすい。急激に焼けないので、他の調理をしながら少しぐらい目を離しても大丈夫だった。

 手入れは簡単だ。本体が冷めたら、網を外してガシガシ洗える。網を支えるバーは、濡れたティッシュで拭き取ればOK。脂やタレが落ちる下段プレートにアルミホイルを敷いておけば、それを捨てるだけで完了だ。

 調理中、電熱線に脂などが落ちたが、さほど汚れはつかなかった。電熱線はステンレス製なのでサビの心配が少ないので、汚れが気になるなら、濡れた布巾で拭き取ればよい。

消費電力は実測で454W。一般的なオーブントースターの半分で、火力は弱めと言えるだろう
焼き網は外してガシガシ洗える(上)。焼き網が載るバーは濡れたティッシュなどで簡単に拭き取れた
下段プレートは取り外しができないが、アルミホイルを敷いておけば手入れは簡単(上)。ステンレス製の電熱線は思いの外汚れなかった

 改めて思うのは、焼き鳥は自分で焼いてできたてを食べるほうが断然美味しい。焼き鳥だけにとどまらず、切り身の魚はもちろん、ガスコンロやオーブントースターでは少々気を使う食材も調理でき、価格もお手頃。食卓にもう一品、美味しい「焼き物」がプラスできる道具として、とても魅力的な小型グリルだ。

藤原 大蔵