家電製品ミニレビュー
焼き鳥にとどまらず、香ばしい「焼き物」も調理できる小型グリル
by 藤原 大蔵(2014/8/6 07:00)
片手でいただける焼き鳥は、おかずとしてはもちろん、ビールやお酒の肴にもぴったりだ。家庭でも簡単に、作りたての焼き鳥が簡単に調理できる、ピーナッツ・クラブの「お一人焼き鳥名人」を今回は紹介しよう。
メーカー名 | ピーナッツ・クラブ |
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製品名 | お一人焼き鳥名人 |
品番 | KA-00266 |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 1,880円 |
焼き鳥名人は、発熱する電熱線で食材を炙り焼きできる、少人数向けの小型グリルだ。本体の大きさは約315×105×105mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、重さは約620g。焼き網の広さは200×100mm(幅×奥行き)。焼き鳥が一度に置ける。電熱線はU型のステンレス製で、取り外しのできる焼き網までの距離は12mm。下段プレートの取り外しはできない。
使い方はとても簡単で、電源プラグをコンセントに差し込んだら、スイッチを入れるだけ。温度調節機能は無く、食材の様子を見ながら焼くシンプルな調理器だ。電源を入れると黒い電熱線が鈍く赤くなって発熱する。
焼き鳥はできたてが美味しい!
使い方がとてもシンプルなので、とにかく焼き鳥を作ってみよう!
一口大の鶏モモ肉、白ネギを交互に串に刺して、塩を振っただけの「ねぎま」を用意。取扱説明書にしたがって網を5分弱しっかり熱してから、生のねぎまを網の上に並べて焼き始めた。なお、下段プレートは取り外しができないので、後で掃除しやすいようにアルミホイルを敷いておいた。
片面を焼いていると、脂が焼けて徐々に焼き鳥らしい良い香りが立ち上り、その時点でワクワクしてくる。焼き目を見ながら6分弱でひっくり返し、さらに4分焼いて出来上がった。焼きたてを頬張ると、鶏肉の中までしっかり火が通っていてジューシー! 皮も適度に脂が落ちて香ばしい! きれいな焼き色が付いたネギは、甘くほっこりと柔らかい!
焼いている途中、結構時間がかかるなぁ、と感じたが、出来上がりは肉もネギもパサつかず、味も食感も見た目も上々。実は、焼き鳥を自分で作るのは今回初めてなのだが、大成功だった。加減を見ながら落ち着いて調理できるので、とにかく簡単。網を熱してから焼いたので、こびりつきもさほど無かった。自分で作る焼き鳥は、買ってきたものよりも数段美味しいのが一番嬉しかった。
もちろん、買ってきた調理済みの焼き鳥の温めなおしにも重宝する。買ってきたものは串の長い、タレのついたもの。電熱線に平行に並べたが、3~4本は一度に焼ける。両面合わせて7分程で、甘いタレもさほど焦げずにアツアツに仕上がった。
使っていて気になったのは、本体の周囲が結構熱くなることだ。触れられない熱さではないのだが、10分も使い続けると本体の長辺が向く台の上が結構熱くなる。
気になる場合は、大きめのまな板の上に設置するか、水で絞った布巾を周囲に敷いておくと安心だろう。下段プレートの真下の面は気になるほど熱くならなかった。
また、食材の脂やタレが電熱線に落ちると煙が上がり、ストーブの目の前にいるような熱も感じられるので、換気扇の近くで調理した方がいいだろう。
焼き鳥以外もバンバン焼ける
自分で作った焼き鳥は、思いの外美味しかった。火の通りにくい鶏肉が、香ばしく美味しく焼けるなら、他の食材だってきっと調理できるに違いない! そこで、思いつくままに、焼いてみたい食材を用意した。
用意したのは生鮭、夏野菜、ロールパン、お餅、そして握った白飯。生の焼き鳥で調理時間が10分かかったように、調理にある程度時間がかかるが、それぞれ美味しく出来上がった。
・焼き鮭
厚みが2㎝程の鮭は、両面13分で焼きあがった。軽く焦げ目が付き、中はふっくらと美味しい。魚グリルとしても十分に代用できると感じた。
・焼き餅
両面合わせて7分ほどできれいな焼き色が付き、しっかり中まで火が通ったお餅が焼けた。火加減は調節できないのに、焦げすぎず、ちょうどいい仕上がりだ。
・焼きおにぎり
握っただけの白飯に、みりんでのばした味噌を塗り焼いた。焦げが香ばしく、美味しい焼きおにぎりができた。おにぎりは小ぶりに握ったほうが、中まで温まりやすかった。
・夏野菜のグリル
夏野菜は12分程で焼き上がった。5mm厚の南瓜にも、プチトマトにもしっかり火が通った。野菜本来の甘みが楽しめる。2日目のカレーに添えて夏野菜カレーにアレンジした。
・ロールパンの温め
上下、1分ずつ焼くだけで、さほど焦げずに中までアツアツに温められた。ロールパンは背が高く、オーブントースターでは失敗しやすいが、こちらはとても美味しく温めることができた。
焼き鳥を焼いているところでも触れたが、調理時間は全体的にかかる。本製品の消費電力は、実測で454Wと、一般的なオーブントースター(1,000W前後)よりも低く、火力は弱めと言えるだろう。
火力が弱めで温度調節はできないが、「周りは焦げたのに、中が冷たい」というのが、今回試した食材では全く起こらなかった。きれいな焦げ目がつき、食材の中心までしっかりと火が通り、どれも美味しく仕上がった。
調理中は食材が覆われていないので、焼いている状況が目と鼻で確認しやすい。急激に焼けないので、他の調理をしながら少しぐらい目を離しても大丈夫だった。
手入れは簡単だ。本体が冷めたら、網を外してガシガシ洗える。網を支えるバーは、濡れたティッシュで拭き取ればOK。脂やタレが落ちる下段プレートにアルミホイルを敷いておけば、それを捨てるだけで完了だ。
調理中、電熱線に脂などが落ちたが、さほど汚れはつかなかった。電熱線はステンレス製なのでサビの心配が少ないので、汚れが気になるなら、濡れた布巾で拭き取ればよい。
改めて思うのは、焼き鳥は自分で焼いてできたてを食べるほうが断然美味しい。焼き鳥だけにとどまらず、切り身の魚はもちろん、ガスコンロやオーブントースターでは少々気を使う食材も調理でき、価格もお手頃。食卓にもう一品、美味しい「焼き物」がプラスできる道具として、とても魅力的な小型グリルだ。