家電製品ミニレビュー

ベンチャーが作った寿命6万時間のLED電球の実力

国内ベンチャーによる、変わったLED電球

KKテクノロジーズ E17口金用LED電球

 今回は、KKテクノロジーズという会社のE17口金用LED電球を紹介する。

 この会社は、今年の1月に設立されたばかりのベンチャーで、このLED電球が初めての製品だ。4月下旬に、このLED電球のニュースリリースが出ているのを見て、初めて会社の存在を知った。代表者は、元松下電器出身だ。

 その時点では、LED電球2機種がAmazonのマーケットプレイスで販売されており、1つ購入することができた。残念ながら、連休中に在庫が切れてしまい、この記事が掲載されている5月9日時点では、この製品を購入することはできない。

 記事掲載時に購入できない商品を紹介するべきかどうか、かなり迷ったのだが、ベンチャーらしい新規性のある商品であり、製品の品質も十分に高い水準だったので、紹介することにした。

メーカー KKテクノロジーズ
製品名 KKE17-Q6LLJW/515N 電球色再現タイプ
希望小売価格 2,380円
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 1,000円(数量限定特価) ※現在売り切れ

電解コンデンサーレスで長寿命化

自社のWebサイトでは、製品について熱く語っている

 まず、発表されたリリースと、同社のWebサイトから、製品の特徴をまとめてみよう。

 KKテクノロジーズのE17口金用LED電球の最大の特徴は、電源の基板に電解コンデンサーを使用していないことだ。これにより、電解コンデンサーの動作条件によって生じていた制約がなくなり、LED電球の長寿命化と明るさの向上が実現されている。

 寿命は「設計寿命6万時間」で、一般的なLED電球の1.5倍に設定されている。また、温度の制約がゆるくなるので、今回購入した「電球色再現タイプ」で515lmと、小型電球45W相当の明るさを実現している。輝度優先タイプなら600lm(50W相当)もある。

 ここでは簡単にまとめたが、Webサイトに詳しい解説があるので、興味のある方はぜひお読みいただきたい。

 希望小売価格は2,380円に設定されている。この価格は、大手メーカーの製品並だが、ロットが小さいベンチャーの割には、頑張って抑えているとも言える。そう思いながらAmazonへ行くと、数量限定特価として1,000円で売っていた。思い切った値引きだ。

 どれぐらい在庫があったのは分からないが、この仕様で、1,000円なら、売り切れても仕方がない。5月6日ぐらいから「現在在庫切れです。この商品の再入荷予定は立っておりません。」という表示になっている。

パッケージはB to B製品の雰囲気

 到着した製品のパッケージは、茶箱にシールを2枚貼っただけのもので、白物家電というよりは工事用部品に近い雰囲気だ。B to C(一般小売市場)ではなく、B to B(企業向け市場)の雰囲気だ。たとえば、このままヨドバシカメラの店頭に並ぶのは想像しにくい。

シンプルなパッケージ
背面に貼られたシール
ワープロ+縮小コピーの取扱説明書

 取扱説明書は、ワープロ打ちした紙1枚を縮小コピーしたものだ。取扱説明書に保証に関する記載はないし、保証書も付いていない。

 とりあえず、現状ではロットの大きい企業向けという方向性のパッケージだ。マニアには良いが、一般の個人ユーザー向けとは言えない。

製品はすごく良い

 LED電球の製品本体はとても良い。たぶん、ブランドがわからない状態で、LED電球本体だけ渡されたら、立ち上げたばかりのベンチャー企業の製品だと思わないだろう。それぐらい質が高い。

発光部は光が広がるタイプ
パナソニックに似たフィンレスデザイン
口金方向から見てもすっきりしている

 LED電球の外観は、パナソニック風のフィンレスデザインだ。会社の代表者が元松下電器出身なので、その影響があるのかもしれない。

 電球の大きさは、38×70mm(直径×長さ)で、ミニクリプトン球(35×67mm)よりも、ちょっとだけ大きい。しかし、一般的なE17用器具なら、ほとんど問題ないだろう。なお、密閉型器具に対応しているが、調光器具や断熱材施工器具には対応していない。

左の一番小さいクラスの製品には及ばないが、そこそこコンパクトだ
むき出しの状態
口金方向にはあまり光が回らない

 まず、むき出しの状態で電源を入れてみた。思っていたよりも、明るい。また、同じ電球色のLED電球にくらべても光色が違う感じだ。調べてみると、色温度が一般的な電球色に多い2,700Kではなく、2,500Kになっている。単なる電球色ではく、「電球色再現タイプ」と名乗っているゆえんだ。

 電球の配光角は290度と広いが、側面はカバーで覆われているので、横から見ると発光部分が薄い。正面以外にも光が回るが、電極側や側面は、ちょっと暗い感じになる。シェード全体が光るようなスタンドや、カバーの根本が明るいほうがきれいな密閉型器具だと気になるかもしれない。

 この状態でラジオを近づけて、雑音が入らないかチェックしてみたところ問題なかった。また、古いスマートフォンのカメラ機能でフリッカー(またたき)がないかチェックしてみたが、フリッカーがあると見える液晶画面の縞模様はまったく見えない。とくに、フリッカーについては、電解コンデンサーレスということで不安がないでもなかったのだが、この製品についてはまったく問題ない。

 最後に、ダウンライトと、デスクスタンドに取り付けて試してみた。両方とも、十分に実用になるレベルだった。ダウンライトでは、光量が大きいので、床やテーブルが明るいのが良い。

本体が小さいのでダウンライト器具にセットしても前後方向に余裕がある
電球の周囲に余裕があるので、発熱の不安が少ない

 デスクスタンドでも、光のムラが感じられず、本が読みやすかった。比較的深いシェードの器具を使ったのだが、大判の本でも余裕をもって照らすことができた。

デスクスタンドにセット
電球本体が小さく、シェードに余裕がある
白い紙を照らしても、カバーやレンズが原因の光のムラが見えない
高さが30cm弱ある大判の書籍でも余裕を持って照らせる
白い余白の部分でもムラが見えない
カラーページでは用紙の反射率が高く、一部光って写ってしまうが、まぶしさはあまり感じない

次はいつ、いくらで売られるのか楽しみ

 今回の製品は、まだ数日しか使っていないが、これが1,000円で買えるとすれば、コストパフォーマンスは、すごく高い。こんなに、まともな製品だと知っていれば、3個セットで買えば良かった。少なくとも高輝度タイプも1つ買っておくべきだった。

 まだ、1種類しか製品に触れていないので、KKテクノロジーズの製品すべてに太鼓判が押せるわけではないが、ほかの製品も試したみたいと思う。

 販路や価格設定など、これからいろいろな問題が出てくると思うが、製品を出し続けてほしいと思わせるだけの力量を感じた。これからは、B to B市場がメインターゲットになるだろうが、Amazonでの直販も、ぜひ続けて欲しい。

 とりあえず、このLED電球の販売が、いつ再開されるか、そして価格がいくらに設定されるのか、今後が楽しみだ。

(伊達 浩二)