家電製品ミニレビュー
ブラック・アンド・デッカー「2in1 スチームモップ&クリーナー」
~床から壁まで掃除! 取り外してハンディでも使えるスチームクリーナー
by 小林 樹(2013/8/19 00:00)
高温の蒸気で床や壁の汚れを落とすスチームクリーナー。本体に内蔵するタンクのお湯を沸かし、噴射することで、高温のスチームが汚れを落とし、除菌効果も期待できるという。
ブラック・アンド・デッカーの「2in1 スチームモップ&クリーナー FSM1210」は、そんなスチームクリーナーの中でもアイデアの効いた製品だ。一見すると普通のスティッククリーナーに見えるが、実は水タンク部だけを取り外して、コンパクトなハンディ式としても使えるというものだ。つまり、“2WAY”で使えるスチームクリーナーなのだ。
メーカー | ブラック・アンド・デッカー |
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製品名 | 2in1 スチームモップ&クリーナー FSM1210 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 15,656円 |
パッケージを開けると、パーツが沢山入っていた。まず本体と水タンク部がセットになっていて、ここにハンドル部とヘッド部を取り付けると、モップとなる。ハンドル部とヘッド部はカチッと差し込んではめるだけで接続できる。
組み立てた状態のサイズは、295×170×122mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3.1kg。電源コードは約6mととても長い。タンク容量は350ml、消費電力は最大1,200Wとなっている。
付属品のアタッチメントは豊富だ。まずモップ用に、ヘッドに取り付けて使うマイクロファイバーパッドが2枚、マイクロファイバーモップが1枚、じゅうたんの上で滑りを良くする「カーペット用スライダー」が1枚入っている。さらに、ハンディ用として延長ノズル、3つの小ブラシ、勢いよく噴射する赤い「ジェットノズル」、グレーの先細ブラシがセットになっている。
フローリング、畳、じゅうたんは、モップで掃除
モップとして使う際、最も基本的なアタッチメントが「マイクロファイバーパッド」だ。フローリングや畳、じゅうたんなどを掃除できる。取り付けは簡単で、スチームヘッドの裏のマジックテープにパッドをくっつけるだけだ。
運転前にはあらかじめ、本体の水タンクに水を入れておく。水タンクの注ぎ口は狭いが、付属のカップを使えば簡単に給水できる。カップの「MAX」と書かれた目盛りまで水を入れて注ぐと、水タンクにピッタリの水量になる。
運転する際は、水タンク上部の運転ボタンを強く押す。このボタンはゴム素材で、押すのに力が必要だ。しっかり押すと、水タンクが赤く光り、水タンク内でお湯を沸かし始める。お湯は15秒前後であっという間に沸き、水タンクの色が青色に切り替わったらスタンバイ完了だ。
スタンバイした状態でハンドルを傾けると、数秒後に自動でスチームが出る。本体を直立に戻すと、スチームは勝手に止まる。本体は自立するので、スチームを止めた状態で立たせておける。つまり、スチームのON/OFFをハンドルの傾きで感覚的に操作できるというわけだ。むやみに手をあてるようなことをしなければ、熱い蒸気をかぶることもなく、安全に使える。
スチーム量は、床面の種類に合わせて「フローリング・畳・カーペット」「大理石・その他石材」「タイル・ビニール」の3タイプから選べる。さらにハンドルの「ターボスイッチ」を押すと、集中的にスチームを放出できる。
フローリングは、あっという間にツルツルピカピカになった。洗剤やワックスを使わずにキレイになるので、手間がかからない。また、ブラック・アンド・デッカーでは、100℃以上の高温スチームを噴射することによる除菌効果も謳っている。いつもの雑巾がけよりもしっかりと掃除できるのは嬉しい。
同じ要領で、畳やじゅうたんも掃除した。畳の掃除にはフローリングと同じマイクロファイバーパッドを使用したが、じゅうたんを掃除する際は、マイクロファイバーパッドの上から「カーペット用スライダー」を取り付ける。これで毛足の長いじゅうたんも上もひっかからず、滑らかに掃除できた。取り回ししやすいのも本製品の魅力で、ヘッドは左右に柔軟に動き、椅子の下にも潜り込む。
気になった点は、電源コードが6mもあり、邪魔だったこと。電源の取りにくい場所もコードを延ばして掃除できる反面、手で本体側面に巻き取りながら使うのは、面倒だった。キャニスター型掃除機のように、内蔵巻き取り式だったらどんなに楽だろうか。
ハンディ式で、キッチンや浴室の壁、高いところにもスチームを噴射!
次に、本体からタンク部を取り出して、ハンディ式スチームクリーナーとして使ってみよう。ハンディ時のサイズは120×140×280mm(同)で、重量は水を入れた状態で約2.8kgになる。若干重いが、女性でも片手で何とか持てる。ハンドルは太めで、握りやすい。
運転ボタンは、モップ時と同じで、水タンク上部についている。スチームは、ハンドル内側のトリガーを引いている間だけ噴き出す。スチームを出しているうちに、タンク周りやハンドルが熱を帯びるが、持てなくなるほど高温にはならない。
ハンディクリーナー用のアタッチメントは、目的に合わせて、アタッチメントの種類がかなり細分化されている。大きく分けて延長ノズル、ジェットノズル、デルタヘッドの3つが用意されており、さらに延長ノズルの先には、丸ブラシと先細ブラシをそれぞれセットできる。
まず延長ノズルは、キッチンの水回りやコンロの細かい部分の掃除に便利だ。高温のスチームで、落ちにくい水アカや油汚れを浮かし、あとは布巾などで拭き取れば掃除が終わる。水だけで汚れが落とせるのは簡単だし、食品を扱う場所で必要以上に洗剤を使わずに済むのは安心できる。
延長ノズルに先細ブラシを取り付ければ、浴室の壁タイルの目地の掃除にピッタリ。ちょっと気を抜くと、薄汚れてしまう白い目地も、先細ブラシでこすって、シャワーで流せばすっきりキレイになる。ニオイのキツい浴室用洗剤や防カビ用燻煙材と違い、掃除した直後に入浴が可能な点も、忙しい毎日の中ではありがたい。
このほか三角形の「デルタパッド」はキッチンの壁面など狭い平面の掃除にちょうど良く、勢いよくスチームを噴射する「ジェットノズル」は水アカや油汚れの気になる換気扇やコンロ、流し周りにピッタリだった。
ちなみに運転音はたいして気にならない。夜間でも使用できる。
ハンディ式で使う際に気になったのは、約3kgあるので、持っているうちに手が疲れてきたこと。本体はコンパクトで取り回ししやすいが、壁の上部や天井付近にスチームをあてようとすると、持っている手がすぐに疲れてくる。
また、トリガーは固めで、スチーム中ずっとトリガーを引いているのも指が疲れた。1回引くとロックして、もう1回引くと解除されるような仕組みが欲しい。
キッチンや浴室の床から壁まで、ありとあらゆる場所を掃除できる
最後に、2in1 スチームモップ&クリーナーの長所短所をまとめておこう。最大のメリットは、モップ型とハンディ型の2WAYで使えるため、床の掃除から浴室の壁、天井付近まで幅広く掃除できる点だ。アタッチメントも豊富で、目的によって細分化されているので使い分けられる。また、操作ボタンが少なく使いやすい点、洗剤を使わずに水アカや油汚れも手軽に落とせる点もメリットだ。
スチームは高温だが安全だ。モップ時はハンドルを斜めに持って動かしている間しかスチームが出ないし、ハンディ時はトリガーを引いている間しか出ない。極力スチームに触れないよう、配慮されていると感じた。
欲を言えば、キャニスタータイプの掃除機のように、電源コードが内蔵の巻き取り式だったら、もっと取り回しやすかっただろう。そして、今のような蒸し暑い季節には、掃除中はかなり暑くなるので注意が必要だ。
毎日の掃除の効果をより高めたい方、床や壁などあらゆる場所を掃除したい方、安全に使えるスチームクリーナーをお探しの方に、試していただきたい。