家電製品ミニレビュー

ELPA「ソーラー発電式 防雨センサーライト ESL-301SL」

~玄関灯はもう不要! 太陽光で電気代0円のセンサーライト
by 藤山 哲人
ELPA「防雨センサーライト ESL-301SL ソーラー発電式」

 夜中に帰宅し、鍵を開けようとすると、鍵穴が見えないことに困っている。玄関灯を点けたままで外出すればいいが、電気代はバカにならない。そのため帰宅のたびに、ケータイのライトを照らしたり、暗闇を手探りしたりといった、煩わしいことを繰り返している。

 そこで今回のレビューでは、ELPA(朝日電器)の防雨センサーライト「ESL-301SL」を使ってみたい。なんたって太陽電池パネルで内蔵のバッテリーを充電するので、電気代はタダなのだ。

 今回のレビューでは、このライトが誰にでも取り付けられるのか? また電池式で明るさは十分か? などをチェックし、その実用性を見てみよう。


メーカーELPA(朝日電器)
製品名ソーラー発電式 防雨センサーライト ESL-301SL
希望小売価格オープンプライス
購入店舗ヨドバシカメラ
購入価格5,980円


購入後にまずすることは、内蔵電池を充電すること

 まずは、ライトの電源となるニッケル水素電池を充電するところからはじめよう。本来ならまっさきに取り付けたいところだが、実際にどのぐらいの範囲が照らせるのかを確認しなければ、取り付け場所を決められない。しかし、ニッケル水素電池のパックは、充電が空だっただめ、先に充電しなければいけならないのだ。マニュアルにも、「購入後は必ず晴天の日に2日間充電してから使用開始してください」とあった。

 今回は曇天の日を2日ほど挟んだため、充電に4日間かかってしまった。いきなり出鼻をくじかれたが、電池パックではなくエネループなどの充電池を使えるようにし、テストは乾電池で行なえるなどの選択肢があっても良かっただろう。

パッケージ内容購入後は、まずは内蔵電池の充電。屋外用なので、雨や朝露も問題なし。差し込み口もゴムで防水されているので、日当たりのいい場所に数日間この状態で放置しておくといい内蔵のニッケル水素電池は、乾電池型ではなくバッテリーパックになっている

 充電を終え、照射範囲をテストすると、前後左右におよそ60度の範囲を照らす明るさが得られた。2階の玄関から照らすと、1階へつながる外階段がぼんやりと照らすことができた。3WのLEDが1灯ながら、かなり明るく、強力な懐中電灯並みの明るさがあるようだ。なお、あかりの様子は、実際に取り付けたレビュー後半で紹介する。

クランプで挟める場所があれば簡単に取り付けられる。壁の材質に注意

 それでは実際に取り付けよう。取り付け方法はいくつかあるが、最も簡単なのは、付属品のクランプを使って挟んで固定する方法。これなら、工具なしで取り付けられる。

クランプで木をはさんでいるところ。建物の凸部分(クランプを挟むための出っ張っている部分)と思って見ていただきたい。こちらはライト本体を取り付けたところ太陽電池パネルも同様にクランプで取り付け可能

 クランプに取り付けた各パーツを見ると、ライト本体は下方向に45度、左右に60度振れる。太陽電池パネルは360度回転、角度を垂直から水平まで変えられるので、取り付け場所に苦労することはないだろう。

 さらに太陽電池パネルから延びる電線は5mあるので、ライト本体が日中、日陰でも、太陽電池パネルを日当りの良い場所に取り付けられるのもうれしい。

ライトを左下いっぱいに傾けたところ右上いっぱいに固定したところ
太陽電池パネルは、台座を中心に360度回転できる角度も垂直から水平(およそ100度ほど)まで倒せる

 木造の外壁の場合、付属のネジで本体が固定できる。手回しのドライバーでガッチリ止められるので、ほとんど日曜大工の経験がない人でも簡単に取り付けが可能だ。

 さて一戸建ての我が家の場合、玄関の壁に硬い新建材が採用されていたため、設置に手間取った。建材が硬すぎて、手回しではネジが食い込まないのだ。そこで、予め2~3mmの鉄鋼用ドリル刃で下穴を開けて、ネジ止めして取り付けた。だが、ここまで工具を持っている家庭は稀だろう。コンクリートや新建材の壁の場合は、クランプで挟める場所を探した方が良いかもしれない。

我が家の場合、玄関前の壁(鉄板入り新建材)に下穴を開け、本体から分離した台座を固定した固定した台座にライト本体をパチンとはめ込めば、本体の取り付けは終了

 ライト部は玄関に設置したが、太陽電池パネルは少し離れた西側の壁に場所に取り付けた。玄関は日が当たらないからだ。西側の壁はすぐそばに隣家があるため、日照時間は12時から夕暮れまでと短い。しかし実際使ってみると、一度充電してしまえば、曇天が続いても電池切れすることはなかった。

ライト本体から3mほど離れた日当たりのいい場所にパネルを固定した取り付けが終わったらパネルの角度を調整して、できるだけ太陽光がパネルに対して垂直に当たるようにする。ここでは、西側に少し振ってある

 最後はパネルとライトとの結線だ。ライトの差し込み口にはゴムパッキンが入っているので、パネルのジャックを確実に差し込む。

 配線を終えた後は、ブラブラしている電線を、市販の両面テープ式コード押さえ(フック)で固定した。コード押さえは、D.I.Y店やカー用品店で、約10個入りで300円程度で購入できる。

 製品の話から脱線するが、コード押さえを使う場合は、およそ2m配線するのに10個必要と見ておくといい。電線を途中で曲げたり、コーナーに這わせる場合は、1コーナーで最低でも2個必要になるので、少し多めに買っておきたい。電線自体は細いが、雨風をまともに受ける屋外の配線なので、粘着テープができるだけ大きいものを選ぶのが良いだろう。

ライト本体の充電用プラグ差し込み口は、雨に濡れても内部に水が入らないように、下向きに設置されゴムパッキンもついている配線しただけの状態では、電線がブラブラするので、市販のコードフックで最後に電線をまとめた
太陽電池パネルは季節によって角度を変える場合があるので、20cmほど余分な電線を残して固定した途中経路の電線は、気温が下がったときに収縮するので、少し弛ませて固定した。夏場の配線の場合は、さらに余裕を持たせたほうが良いだろう


最後にセンサーの調整をすれば準備完了

取り付けが終わったら、センサーの調整だ。写真の白く丸い部分がセンサー

 配線が終わったら最後の調整だ。ライト本体には、つまみが飛び出た白いカバーがあるが、これは明るさや人を感知するセンサーとなっている。

 このセンサーは向きが変えられるようになっているので、人がどの辺りに来たらライトを点灯するかを調整できる。次に左側のつまみで、ライトOFF(左位置)、ライト点灯(中央)、ライト点滅(右位置)を選ぼう。

 右側のつまみは、どのぐらい暗くなったらライトを点灯するかの調整だ。いちばん左にすると辺りが真っ暗になると点灯し、右にすると昼間でも人が来たらライトが点灯するようになる。これらの調整は、何度か試してベストなポジションに調整するといいだろう。なおライトの点灯時間は、10秒間で固定となっていた。

センサーの幅を変えるカバー。カバーの一部を切り取って、範囲の調整をする

 センサーは、中心から左右45度、10m先の人を検知してライトを点灯するようになっている。この左右の範囲は、同梱されるカバーで狭められる。道を歩く通行人などにも反応してしまう場合は、このカバーを使ってセンサーの範囲を絞るといいだろう。

 ところで、太陽電池パネルの差し込み口と反対側にコネクタがある。通常はゴムのパッキンでふさがれているこのコネクタは、オプションのワイヤレスチャイム(ESL-EWS10)を取り付けるためのもの。このコネクタにワイヤレス送信機を取り付け、チャイム本体を居間などに置いておくと、人が来るとチャイムでそれをお知らせするというものだ。防犯対策には便利だろう。


2階に取り付けても階段下まで来ると点灯! コレ超便利じゃん!

 取り付けに時間がかかったが、実際に使ってみると、今や我が家には欠かせないほど便利だ。玄関灯ほど明るくないが2階の玄関から1階の足元まで十分に照らせるのだ。2階の玄関へ続く階段を下から見ても、十分に階段のエッジが見えるので、足元がおぼつくこともない。

 また、これまでは玄関灯をつけないと鍵穴が見えなかったが、センサーライトのおかげではっきり見える。手探りするかケータイのライトで鍵穴を照らす必要はもうないのだ。
 さらにいえば、電気代はゼロ円だ。太陽から注がれるエネルギーを利用するので、放置しておくだけで勝手に蓄電してくれる。コレ1個あれば、玄関灯はいらないかも?

階段下からでも十分に階段のエッジが見えるので、足元がおぼつくこともない玄関まで行くとかなり明るいセンサーライトのおかげで鍵穴がはっきり見える

 センサー感度は特に調整していないが、階段下まで来るとライトが点灯する。点灯時間は10秒間だが、荷物を持って階段を10秒以上かけてゆっくり上がっても、10秒後に一瞬消えるが再び点灯する。点灯時間の調整ができなくても、特に問題は感じられなかった。

 電池寿命については、マニュアルにも交換時期は明記されていなかった。屋外という過酷な条件のため一概に言えないためかもしれない。一般的なニッケル水素電池は、おおよそ800回の充放電が可能だが、太陽電池パネルで常にフル充電状態になり、かつ暑い夏の直射日光が当たると、最短で2年で交換といったところだろうか。とはいえ、こればかりは使い続けないとわからない。

 なお、ここでは1灯式のセンサーライト「ESL-301SL」を使ったが、2灯式でより広い範囲を照らせる「ESL-302SL」も用意されている。より明るさが欲しい場合は、2灯タイプの方が良いだろう。


 というわけで、我が家では非常に有用に使えたが、最後にこんな人、こんな場合にお勧めというというケースを示して本稿を終えよう。

・一戸建てのメインの玄関灯として使える。節電効果もある
 とても明るいので、ウチでは玄関灯をつけなくなってしまった(笑)。エネルギーは太陽電池パネルだけなので、電気代は一切不要。電気代も節約できる玄関灯として、激しくオススメしたい。

・木造の壁やクランプ止めなら、取り付けは簡単
 木造なら誰でも工事ができるだろう。クランプを挟むための出っ張りがある場合は、クランプ止めでさらに簡単に取り付けられる。ただ、我が家のように新建材やコンクリートを使用している場合は取り付けが面倒になるので、購入前に家の外壁の素材をチェックだ。

・独身世帯の玄関灯として、女性の防犯用として
 集合住宅の大部分は、廊下の共用部分に電灯がついているが、鍵穴が影になって見えない場合の補助灯として便利。防犯用にはワイヤレスチャイムを接続すると、いっそう効果があるだろう。






2012年1月18日 00:00