家電製品ミニレビュー
東芝「加湿器 KA-N70X」
東芝「加湿器 KA-N70X」 |
冬になると必ず使う家電製品の1つに加湿器がある。湿度を快適に保つことで、体感温度は上がるし、風邪予防や肌の乾燥を防ぐなどの効果もある。我が家では夫婦そろって扁桃腺が弱いので、乾燥が気になりはじめる9月くらいから、加湿器を使い始める。
最近では空気清浄機と加湿器が一体になった「加湿空気清浄機」も人気があるが、今回は我が家の寝室用に選んだ東芝の「加湿器 KA-N70X」を紹介しよう。
メーカー | 東芝 |
製品名 | 加湿器 KA-N70X |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ビックカメラ |
購入価格 | 17,300円 |
KA-N70Xは、丸みを帯びたデザインが特徴的で、寝室はもちろん、リビングにも違和感なく置ける。適用床面積は最大19畳までで、本体サイズは410×220×370mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約5.5kgだ。使い始める前の準備は簡単で、まず本体背面にフィルターをセット。後は給水タンクに水を入れてスイッチを入れるだけだ。
本体には就寝中に便利な「おやすみ」コース、通常より湿度を高めに設定する「うるおい」コース、室温に合わせて快適な湿度を保つ「おまかせ」コース、連続運転を行なう「連続」コースのほか、ヒーターを入れずに消費電力を抑えた運転を行なう「送風加湿運転」も選べるようになっている。
製品本体 | 本体背面 | 背面のフィルターを外したところ |
本体上部には持ち手が付いている | 本体操作部 | 本体側面から給水タンクの量を確認できる |
今回、寝室用の製品として、KA-N70Xを選んだ理由は3つある。
まず朝までしっかり加湿できるだけの加湿能力があること。KA-N70Xのタンク容量は3.8Lで、各メーカーの加湿空気清浄機のハイエンドモデルと比べても引けを取らないだけのタンク容量を備える。これならば就寝前にスイッチを入れて、朝までしっかり加湿運転を続けることができる。本体には「おやすみ」コースが設けられているので、就寝前にこのスイッチを押せば、後は朝までしっかり加湿してくれる。
2つ目は、安全性と省エネ性を兼ね備えた「ハイブリッド式」であること。KA-N70Xの加湿方式は、水を含んだフィルターに温風を通して加湿する温風気化式と、温風を使用しない気化式を組み合わせた「ハイブリッド式」を採用。2つの加湿方式を状況に応じて使い分けることで、消費電力を抑えた運転ができるほか、気化式だけでは実現できない1時間当たり最大約700mlのパワフル加湿を実現している。
本体から給水タンクを外したところ。タンクの容量は3.8L | 本体内蔵の気化フィルター |
一般的な加湿方法としては、このほかにスチーム式や超音波式が挙げられるが、スチーム式は加湿能力はあるが、本体が熱くなるほか、消費電力が高く、手入れにも手間がかかるという弱点がある。超音波式は、消費電力は抑えられるものの、加湿能力が低い。10畳程度の室内を確実に加湿したいなら、ハイブリッド式が断然おすすめだ。
東芝独自の「ピコイオン」放出機能も備える |
3点目は、手入れがしっかりできること。実は加湿器を使い続ける上で、手入れの問題はかなり重要だ。どの加湿方式も水を使うのは共通しているため、水アカや、水道水に含まれるカルキなどが本体にこびりついてしまう。そのため、少なくとも2週間に1回は定期的な手入れが必要になる。せっかく風邪予防対策で加湿していても、汚れた水やフィルターを使っていては意味がなくなってしまう。
KA-N70Xでは回転式の気化フィルターに、抗菌・防カビ加工を施したポリエステル素材を採用。水洗いで手入れでき、約10年使えるという。また、タンクやタンクキャップにも、抗菌素材を採用しているという。同社独自の「ピコイオン」の放出機能も搭載。脱臭効果や、花粉・ダニの死骸などの働きを抑制する効果があるという。
■3日間は給水の必要なし!
使い始めて2カ月が経つが、製品にはおおむね満足している。特に嬉しかったのが、タンク容量が大きくて、給水頻度が少ないこと。我が家では、基本的にKA-N70Xを使っているのは、寝る前の数時間から就寝中にかけてなので、1日だいたい8時間は連続起動させているが、それでも給水回数は3日に1回程度。朝までしっかり加湿してくれるだけでなく、給水の手間も少なくて済むのは便利だ。
本体は寝室に設置している | 給水の手間は3日に1回程度 | 電源を入れたところ。ピコイオンの放出を示す青色のLEDがやや眩しい |
また、運転音が静かで、就寝中もあまり気にならない点も良い。加湿空気清浄機の場合、加湿運転だけでなく、空気清浄運転も行なうため、本体上部には風向きを調整するルーバーが付いている。KA-N70Xのような加湿機能単体の製品では、運転中に何かが動くというこもなく、寝室で使うのにはぴったりだ。
気になったのは、給水タンクのフタが大きめで開閉しずらいということ。割と手が大きめの私でさえ、開閉には苦労したので、手が小さい女性の場合、さらに操作しずらいだろう。日常的に行なうことなので、ぜひ改善してほしいところだ。
給水タンクの蓋 | 手が大きめの私でも開閉に苦労した |
■フィルターも加湿トレイも楽々掃除できる
さて、気になるお手入れ面はどうだろう。使ってみた感覚からいうと、お手入れ頻度は、2週間に1回。使い続けていると、加湿トレイの水の色が変わって来るので、こうなったら必ずすぐに手入れした方がいいだろう。まずは本体裏側のエアフィルターのホコリを手ではらうようにして、取り除く。次に、本体側面のピコイオンユニットを取り出して、水洗いした後に、水に付け置きしておく。
給水タンクと加湿トレイも取り外して、中を水洗いする。基本的には洗剤などは使用しないが、水アカなどが気になる場合は、洗剤を付けていないスポンジなどを使うと、汚れがすっきりと落ちる。中のフィルターは取り外して、水で押しつけるようにして洗う。
使い続けていると加湿トレイの水が変わってくる | ピコイオンユニットを本体から取り出して、水洗いする | 加湿トレイも本体から取り出して丸ごと水洗いできる |
気化フィルターはケースから取り出して、水洗いする | 手で押すようにして洗う | 本体背面のエアフィルターのホコリを取り除く |
こう書くと、いかにも手間がかかるように感じるかもしれないが、スチーム式の加湿器と比べれば、手入れはずっと楽だし、慣れてしまえば作業時間は5分とかからない。
ただし、ピコイオンユニットの掃除に関しては、別だ。というのも説明書には「ピコイオンユニットを8時間以上、水につけるように」とあるのだ。加湿器本来の機能に関係あるならまだしも、付加価値的な機能の手入れにここまで時間がかかるのは、疑問に感じる。定期的な手入れが必要なのは理解できるが、もう少し、汚れが付着しにくい構造にして欲しいところだ。
ピコイオンユニットの手入れについての説明、2週間に1回、約8時間の付け置きが必要とある | 加湿器本体の機能とは関係ないところで、手間をかけた手入れをするのは面倒に感じる |
加湿空気清浄機の登場で、最近は加湿器単体へ注目度は下がり気味になっているが、センサーによる制御やイオン放出機能など、確実に進化を遂げている。国内メーカーの上位機種の製品であれば、ほとんどが除菌・脱臭効果のあるイオン放出機能を搭載しているので、集じん効果はないにしても、ある程度の脱臭効果は期待できる。
リビングにはすでに空気清浄機はあるが、寝室用に2台目が欲しいという人は、加湿器も一度チェックしてみてはどうだろう。
2011年12月20日 00:00