家電製品ミニレビュー

タイガー魔法瓶「スチーム式加湿器 ATC-A300」

~シンプルで使いやすい電気ケトル風の加湿器
by すずまり
タイガー魔法瓶「スチーム式加湿器 ATC-A300」

 いよいよ冬本番。寒さ対策、節電対策、考えなければならないことはいろいろあるが、暖房のスイッチを入れたら、まず考えたいのが部屋の湿度だ。

 空気が乾燥すると、肌、唇、髪が乾燥して、カサカサ、ばさばさしてよろしくない。さらに、喉や鼻などの粘膜も乾燥しがち。これは放置すると、風邪に繋がってしまう。風邪を予防したいなら、湿度を一定に保ち、空気を乾燥させない努力が大事なのだ。

 そこで、我が家で11月から稼働しはじめているのが、タイガーの「スチーム式加湿器 ATC-A300」である。これが本当にシンプルで使いやすい。


メーカータイガー魔法瓶
製品名スチーム式加湿器 ATC-A300
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,282円

 タイガーのスチーム式加湿器ATC-A300は、1時間あたりの加湿能力が最大300mlのコンパクトな加湿器だ。カラーは、ネーブルオレンジを選んだが、ほかにクリームホワイトとカカオブラウンも用意されている。

 ATC-A300のデザインは電気ケトル風で、本体サイズは185×185×218mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は1.5kg。

 本体は水を入れる容器とふた、そして容器を載せる電源プレートという構成で、本体がそのまま水タンクになっている。タンクの容量は満タンで1.05Lで、木造和室なら5畳、プレハブ洋室なら8畳に対応している。

本体容器、電源プレート、電源ケーブルの3つの部品からできている

本体容器は持ち上げるだけで電源プレートからはずせる容器の裏側
ふたを取った状態。容器内部はフッ素加工されている満水のライン「蒸気孔ふた」をはずすと、蒸気孔が見える

 使い方は簡単で、水を入れたらふたをしっかりして、電源プレートに載せ、スイッチを入れるだけ。その使用感はまるで電気ケトルでお湯を沸かす手軽さなのである。

容器に水を入れたところ満水の状態で倒しても、水があふれることはない

 スイッチは、フロント部分に「ON/OFFスイッチ」が1つ付属している。1回押すと「強」で電源が入り、2回押すと「弱」、3回押すと電源が切れる。加湿したいな、というときに自分でスイッチを入れる。筆者の場合、自分で乾燥しているかなと感じたときや、湿度計をみて40%を切るとスイッチを入れている。

「強」で加湿しているところ。かなり勢いよく蒸気が立ち上るので、スピーディに加湿できる

 ON/OFFスイッチを入れると「強」で加熱が始まり、約17分で沸騰し、水蒸気が出始める。水蒸気は延々出続けるわけではなく、約4分30秒ほど出続けてから一旦停止し、約4分50秒ほどたったところで再び出るとういうサイクルをくり返す。タイマーはついていないので、不要なときは自分でオフにする。また、タンクが空になると、ピピピッというアラームとともにランプが点灯して知らせてくれる。

 1時間当たりの加湿能力は、「強」で300ml、「弱」で100ml。「強」ならスピーディな加湿、「弱」なら10時間もの連続加湿が可能だ。たとえば、寝る前にスイッチを入れ、水蒸気が出たら「弱」にしておけば、おおむね朝まで加湿が可能だ。

 拙宅(木造和室6畳)に置いた場合は、タンクの水が空になる頃には、10%ほど湿度が高くなっていることが多い。40%を切るくらいで加湿を始めれば、50%という、ちょうどよい湿度で過ごせるというわけである。


操作方法や、加湿の様子

 

着脱可能な「アロマトレイ」。アロマオイルを入れて使用する。アロマオイルは、本体内に入れてはいけない

 このほか、アロマオイルを入れられる「アロマトレイ」が付属しており、加熱ついでにアロマの香りも楽しめる。

 アロマトレイには、好きなアロマオイルを少々入れておくと、加熱されたときに自然と蒸発して、水蒸気とともに、ほんのり香りが立ちのぼる。アロマグッズがなくても、手軽に香りが楽しめるというわけだ。就寝前にラベンダーなどのアロマオイルを使えば、乾燥知らずで心地よい眠りにつけそうだ。


いろんな場所でさりげなく使える

 ATC-A300は置いておくと、うっかり蹴飛ばしそうになることがあるのだが、転倒流水防止構造を採用しているため、転がっても大量の水が流れ出る心配はない。安全面ではほかに、空だき防止機能や、チャイルドロックも備えている。ただし、使用中の蒸気孔は熱湯状態なので、小さなお子様のいるご家庭で使用する際には、設置場所に十分配慮する必要があるだろう。

 とはいえ、このスチーム式加湿器は、本当に単純だ。水がなくなったら、とっ手を持って本体ごと流しへ運び、ふたをはずして水を入れる。広口なので水を入れやすく、中の掃除もしやすい。満タンにしたら、また電源プレートに載せて、スイッチを入れる。この単純かつシンプルな構造のおかげで、何に気を遣うこともなく、ごく自然に使い続けられている。

 小ぶりで持ち運びもしやすいため、仕事場やリビングなど、好きな場所に移動させて使えるところもいい。シンプルで使いやすい加湿器をお探しの方にオススメだ。






2011年12月7日 00:00