家電製品ミニレビュー

ティファール「クリック&ミックス ルビーレッド」

~料理のマンネリ化を解消! 1台4役のスティックミキサー
by 石井 和美
ティファール「クリック&ミックス ルビーレッド」

 毎日のメニュー作りは主婦にとって大きな悩みだ。栄養バランスがよく、しかも家族が喜ぶ食事をバラエティ豊かに作りたいのだが、三食完璧な食事を作るのはなかなか難しい。結局、いつも同じようなおかずのローテーションとなり、子供から「またコレ?」と言われてしまう……。

 最近、仕事が忙しくて料理もサボり気味だったので、ちゃんとしないとダメだな……と思っていたところ、ティファールのスティック型ミキサー「クリック&ミックス ルビーレッド」を貸してもらえることになった! クリック&ミックスは、「つぶす」「混ぜる」「泡立てる」「砕く」の調理を1台でできるスティック型ミキサー。毎日のメニューのマンネリ化から脱却するためにも、今回はクリック&ミックスを使って新しいメニューにチャレンジしてみたい。


メーカーティファール
製品名クリック&ミックス ルビーレッド
HB460GJP
希望小売価格15,750円
参考価格(楽天市場)12,191円

 クリック&ミックスは、シャフト部分がポリプロピレンの「クリック&ミックス」、シャフト部分がステンレスの「クリック&ミックス ステンレス」、シャフト部分がステンレスで本体がルビー色の「クリック&ミックス ルビーレッド」の3モデルが用意されている。今回お借りした「クリック&ミックス ルビーレッド」は、キッチンに置いても目立つ個性的なカラーのルビー色を採用した高級モデルだ。クリック&ミックスのサイズは65×52×380mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は740g。

 本体には、4種類のアタッチメントが付属している。野菜や果物、生の肉や魚をつぶす「ミンサー」、混ぜたりする「ブレンダー」、卵や生クリームを泡立てる「ウィスク」、氷や凍らせた果物を砕く「アイスクラッシャー」で、調理法にあわせて先端のアタッチメントを付け替えて使用する。

 これらのアタッチメントは刃に触ることなく、ワンプッシュで簡単に外すことができる。また、なべや容器の中で使用しても、傷が付きにくいように、先端部分はプラスチックが採用されている。

 シャフト部分はステンレスで、臭い移りの心配がなく、油汚れなども落ちやすい。本体とシャフトを外せば長さは約半分になるので、収納時もコンパクトだ。

赤い本体とカラフルなアタッチメントの組み合わせがおしゃれ使用する食材のイメージで、アタッチメントを4色に色分け。緑は野菜、黄色は卵、赤は肉、青は氷を表している

 使い方は簡単だ。電源プラグをコンセントに差し込んだら、スイッチボタンを押す。スイッチボタンはスピードボタン1とスピードボタン2の2種類となっており、押している間のみ作動する。スピードボタン1が低速で約11,000回/分、スピードボタン2が高速で約14,000回/分。連続使用時間は約5分となっている。最初はこの時間の短さが気になったが、まずはレシピブックを参考にしながら調理してみてみることにした。

スピードは2種類。押している間だけ作動するシャフト部分は取り外し可能で、収納するときも場所をとらないアタッチメントを下に置き、上からシャフトをグッと押せばパチンとはまる
コードは後ろ側から出ているので、調理時に邪魔にならない800mlまで入るクッキングカップ、クラッシャーホルダーも付属クラッシャーホルダーはとれるので、洗うのも簡単

 レシピブックには30種類のレシピが紹介されている。最初はこれを見ながら作り、操作に慣れていったほうがよさそうだ。


ポタージュスープ、ジュースにぴったり!「ブレンダー」

ブレンダー用のアタッチメント

 ブレンダーは、やわらかくした野菜や果物をつぶしたり、液体などを混ぜるときに使用する。ポタージュスープや手作りユース、ドレッシングなどを作るのに適している。

・バナナジュース

 最初に作ったのはバナナジュースだ。バナナと牛乳をクッキングカップに入れ、ブレンダーのアタッチメントを使って混ぜていく。

 バナナはやわらかいので、30秒ほどでジュースができあがってしまった。こういったジュースを作る場合、我が家ではミキサーを使うのだが、ミキサーは重く、出すのも大変で、後片付けも手間がかかる。スティック&ミキサーなら、そのままコップやクッキングカップに入れてかき混ぜることができるので、洗い物も少なくとても便利だ。


バナナジュースを作っている様子

 クッキングカップは注ぎ口があるので、コップにそそぐのもこぼれなくて使いやすい。家族4人分のジュースならすぐにできてしまうので、忙しい朝食時でも重宝しそうだ。

付属のクッキングカップを使えば、ジュースづくりも簡単にできるとろりとした甘いバナナジュースの完成!

・ポタージュスープ

 次に作ったのはポタージュスープだ。鍋にバターを入れ、タマネギを炒め、薄切りのジャガイモを入れ、コンソメスープでやわらかく煮込む。ふだんの作り方なら、ここからミキサーに移してスープ状にしてから鍋に戻し、牛乳を足してあたため直す。ミキサーを出さなければならず、後で鍋もミキサーも洗わなければならないので面倒だ。

 しかし、スティック&ミキサーなら、そのままスティックミキサーを直接鍋に入れてつぶすことができるので、出来上がりがとても早い。4人分のスープタマネギ半分、ジャガイモ小3個も1分ほどで固形物がなくなり、スープ状になった。アタッチメントはプラスチック製なので、鍋に傷がつきにくくなっているのも嬉しい。

 完成したスープを飲んでみたところ、とてもなめらかでおいしいスープとなった。少量でもできるので、離乳食作りでお悩みのお母さんも便利に使えそうだ。

鍋に直接スティック&ミキサーを入れてつぶすことができる。アタッチメントはプラスチック製なので、あたっても傷がつきにくいトロトロになったスープ。1分ほどでできてしまうパンと一緒に出せば、栄養満点の朝食に

・スイートポテト

 芋をペースト状にするスイートポテトもブレンダーなら簡単に作れる。蒸してアツアツのサツマイモをボウルに入れて、砂糖と生クリームと卵と一緒にブレンダーでつぶしていく。ふかしたてのサツマイモはとてもやわらかいので、簡単にペースト状にできる。

 レシピではサツマイモのフチを5mmほど残して、中身だけつぶして中に戻すのだが、今回は子供が食べにくいので皮をむいて丸めてしまった。あとはオーブンで焼くだけだ。

ふかしたてのサツマイモは、やわらかくつぶしやすいスイートポテトも手軽にできる

 ホクホクしていてとてもおいしいスイートポテトの出来上がった。サツマイモをふかしたり、オーブンで焼いたりするのに時間はかかるが、作る工程はとても簡単だ。子供のおやつにもピッタリで、安心して食べさせることができる。


ひき肉、すり身作りに活躍する「ミンサー」

ミンサー

 肉や魚などをつぶすには「ミンサー」を使用する。

 ふだんは手軽さから挽き肉を買ってしまうのだが、挽き肉は元の肉がどのような状態のものか確認できない不安がある。自分で選んだ肉から挽き肉を作れば安心であり、好みの粗さに挽くことができるメリットもある。

 今回作ったのは、レシピにあった「和風ハンバーグ」だ。材料は豚肉、牛肉の切り落としと一緒にレンコン、やまといも、豆腐などを入れた豪華なハンバーグだ。

・和風ハンバーグ

 肉、レンコン、やまいもなどすべての材料を入れて、ミンサーを使ってつぶしていく。材料ががまんべんなく混ざるようにしなければならないので、大きめのボウルを用意したほうがよさそうだ。

 ミンサーをつかって肉をつぶすと、モーターに負荷がかかって本体がかなり熱くなる。ミンサーを使う場合、連続使用時間は30秒であり、熱くなってしまったら30分ほど休ませなければならない。我が家のように4人分作るには、小刻みに作らなければならなくなり、モーターが冷めるのを待つ時間も含めると、かなり長時間になってしまう。

 スティック&ミキサーは本体が小型で手軽に使える分、大容量の食材を一気に処理するという目的には向いていない。家族が多くて、一度に作業を進めたいという人はもっとパワーがあるものを選んだほうが良いだろう。

 しかし、できあがった和風ハンバーグは家族が大喜び!! 買った挽き肉よりも、挽き立ての肉で作ったハンバーグは格別だ。食感も肉のゴロッとした感じが残っていて、とてもジューシー。娘は「気絶しそうなほどおいしい」と悶絶しているし、旦那は「今まで食べたハンバーグで一位二位を争ううまさだ」と褒めちぎっていた。

ときどきひっくり返しながらつぶしていく。ボウルが小さすぎた……完成! 家族みんな大絶賛で、今後普通にハンバーグを作るのが怖くなるほどやわらかく、ジューシーでとてもおいしい!!

・サーモンチーズディップ

 次に、カフェ風メニュー「サーモンチーズディップ」に挑戦してみることにした。スモークサーモン、常温にしたクリームチーズ、生クリームなどを入れてブレンダーで混ぜるだけ。塊肉に比べると、サーモンは柔らかく、30秒ほどでできてしまった。モーターも熱くなることはなく、安心して作ることができる。

 家がまるでカフェになったようなおしゃれぶり! 短時間でできてしまうので、これなら材料さえあれば、朝食に出すこともできそう。こういうメニューとは縁がなかった我が家の食卓が、様変わりしそうだ。

常温に戻したクリームチーズ、サーモン、生クリームなどを入れるあっという間にペースト状に!こんなおしゃれなメニューが我が家の食卓に並ぶとは……


簡単に泡立てができる「ウィスク」

ウィスク

 卵白や生クリームを泡立てることができる「ウィスク」を使って、チョコレートムースを作ってみることにした。

・チョコレートムース

 チョコレートムーズを作るには、まず生クリーム100ccを7分立てに泡立てるのだが、電動ハンドミキサーに比べるとアタッチメントが小さいので、時間がかかってしまう。また、アタッチメントの部分だけ局所的に泡立ってしまうので、全体的にふんわり…とはいかないようだ。本格的なスポンジケーキを作るために卵白を泡立てたりするのは難しいだろう。

 ただ、今回のようにムース作りのために少量泡立てたいときには十分だ。電動の力を借りるので、ホイッパーでガチャガチャ泡立てる必要がなく、手が疲れない。簡単なお菓子であればクリック&ミックスだけでも作ることができる。

部分的に泡立っていくチョコレートムースなど、簡単なお菓子なら問題なくできる


「アイスクラッシャー」で絶品! くるみじゃこふりかけ

アイスクラッシャー

 「アイスクラッシャー」は、その名の通り、氷を砕くアタッチメントである。今回は、このアタッチメントを使って、手作りのふりかけがを作った。

・くるみじゃこふりかけ

 レシピブックに掲載されていた「くるみじゃこ」ふりかけは、常備菜としても使える便利なふりかけである。

 クッキングカップにクラッシュフィルターをセットし、くるみを入れてアイスクラッシャーで砕く。くるみを砕くとき、少々飛び散ってしまったが、作業時間はたったの30秒程度。砕かれた細かくなった粉状のくるみも、カップに落ちて無駄なく使うことができる。

 砕いたくるみをフライパンで軽く煎り、取り出しておく。次に、フライパンにしょうゆ、みりん、砂糖を入れて煮立ったところに、じゃことくるみを入れる。焦げないように気を付けながらて、水分を飛ばして最後にゴマを入れる。たったこれだけのだが、とてもおいしい。あたたかいごはんに乗せても、お弁当に入れても絶品だった。1週間日持ちするのも嬉しい。

 アイスクラッシャーは氷を砕くだけではなく、硬い食品を砕くこともできる。アイデア次第で、いろいろ活用できそうだ。

クッキングカップにクラッシュフィルターをセットその上から砕いていく。少量のくるみが外に飛び散った5mmほどの大きさに砕かれたくるみ
調理後の「くるみじゃこ」は大人も子供も大喜びお弁当にもおいしゅうございました


料理のマンネリ化にお悩みの方、ぜひお試しを!

 子供のお菓子から、毎日のお弁当のメニューまで幅広く使えるクリック&ミックス。使用感はおおむね満足だが、気になったところもある。

 まず、調理途中でいったん切って置きたい場合、どこに置くか迷ってしまう。モーターは上部分が重くなっているため、バランスが悪い。クッキングカップや小さめのボウルなどに入れて立てかけようとするとバタンと倒れてしまうので、お皿を別に出して、アタッチメント部分を置いてから寝かせておいている。立てかけられる汁受けのようなものが付属してあれば、なお便利だろう。

 お手入れで気になったのは、ミンサーで肉調理をした後だ。刃に肉がからみついて取り出すのが大変だった。箸などで肉の筋や繊維をとってから、細かい肉片を細い歯ブラシのようものでこそげ落とす。そういった専用のブラシなども付属していただければありがたい。

 今回、色々作ってみたが、個人的に大変便利だったのは、つぶしたり、ペースト状にできる「ブレンダー」の機能だ。特に、栄養満点のポタージュスープ作りは、鍋に直接入れて攪拌できるので、洗い物が少なく、簡単にできるのでありがたい。他にも気軽に色々作れるので、キッチンの出しやすい場所に置いておけば、出番も多くなりそうだ。

 今回はメーカーからお借りしているため、本体を返却しなければいけないが、手作り和風ハンバーグに味を占めた家族が「クリック&ミックスを買ってまた作って欲しい」とすすめてくるので、購入を検討している。マンネリメニューを脱したい方、ラクにレパートリーを増やしたい方に、ぜひおすすめしたい。




2010年11月9日 00:00