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家電製品ミニレビュー

日立「ロボットパック CV-RP3000」

〜たしかに静か! 紙パック派待望の静音掃除機
by 平澤 寿康


日立の紙パック掃除機「ロボットパック CV-RP3000」
 マンション住まいでかつ共働きという家庭では、平日に掃除をするタイミングが夜しかなく、びくびくしながら掃除機を使っているという人もいるかもしれない。そういった状況に対応するように、ここ数年で“静音”をウリにする掃除機がかなり増えてきた。

 個人的に残念なのが、そのほとんどがサイクロン式掃除機だったこと。筆者は、掃除機はゴミ捨て時の手間がかからない紙パック式が好みなので、早く紙パック式掃除機でも静音性をウリにする製品が出て欲しいと、かねてから思っていた。

 しかし昨年、ようやく紙パック式で静音タイプの掃除機が登場しはじめた。その1つが、今回取り上げる、日立の「ロボットパック CV-RP3000」(以下、CV-RP3000)だ。


メーカー 日立アプライアンス
製品名 ロボットパック CV-RP3000
希望小売価格 オープンプライス
購入場所 ヨドバシ.com
購入価格 63,300円


最上位モデルならではの豊富な付属品。本体はやや大きく重い

 CV-RP3000を使う前に、まずは本体や付属品からチェックしていこう。

 本体は、同じく日立のサイクロン掃除機「ロボットサイクロン」シリーズにかなり近い印象だ。本体サイズは、285×375×246mm(幅×奥行き×高さ)と、最近の製品の中ではやや大きい部類に入る。重量は、本体のみで5.2kg、付属品を取り付けた状態で6.9kgと、紙パック式掃除機としてはやや重い。個人的には、大きさ・重さともに我慢できる範囲内ではあるが、女性にはちょっと大きくて重く感じられるかもしれない。

本体側面。奥にせり上がるようなデザインは、サイクロン式の「ロボットサイクロン」にそっくり
正面
背面。排気口や電源ケーブルが見える

上部。左下の丸いボタンは、電源ケーブルの収納ボタンだ 底面。一般的な掃除機同様、左右の大型の車輪と、前方のキャスターの3輪構造だ 本体上部には取っ手が用意されている

 付属品は、紙パック式掃除機の最上位モデルに位置付けられていることもあり、かなり豊富だ。

 まずヘッドには、自走式パワーヘッドの「ごみハンターヘッドα」と、「電動ふとん吸口」の2つが標準添付されている。このうち、ごみハンターヘッドαは、ハンドルを持つ手をひねるだけでヘッドの向きを簡単に変えられるもの。水平に近い状態までパイプを倒してもヘッドが浮かず利用でき、狭いところや低い場所の掃除も楽にできる。とても扱いやすい。

 すき間掃除用の「曲が〜るロング吸口」も付属する。こちらは、長さを調節できるとともに、根本部分の角度を調節できるようになっている。さらに、先端に取り付けるブラシも角度を調節できるようになっているので、タンスの上など高い場所も楽に掃除ができるように配慮されている。加えて、ヘッドを外すとブラシが飛び出す「クルッとブラシ」も付属する。

ヘッドには自走式パワーヘッド「ごみハンターヘッドα」 【動画】ハンドルを持つ手をひねるだけで、簡単にヘッドの向きが変えられる(動画は別ウインドウで開きます。以下同じ) パイプをほぼ水平まで倒しても、ヘッドが浮き上がらない

すき間や高所の掃除に使用する「曲が〜るロング吸口」。先端部分に取り付けるブラシも付属する 長さの調節も可能 付け根と先端ブラシそれぞれに角度を調節できる
ブラシの角度を変えれば高い場所の掃除も簡単にできる 曲が〜るロングノズルは、パイプ横に引っかけて収納できる
ホース先端に取り付ける、クルッとブラシ。ヘッドを外すとブラシが飛び出す ブラシは回転させて角度を変えられる
 このように豊富な付属品が標準で添付されているため、別途特殊なヘッドなどを購入せずとも、部屋の隅々までしっかり掃除できると言っていいだろう。なお、本文で触れていない付属品や機能にについては、文末にまとめて写真で紹介する。

運転音はたしかに静か。その分パワーヘッドがうるさく感じる

 付属品の紹介はこのあたりにして、さっそく使ってみることにしよう。

ハンドル部のボタン。パワーブラシの切/入ボタン、パワー調節ボタン、これっきりエコボタン、切ボタンの4つがある
 電源スイッチはハンドル部分にあり、パワーブラシの切/入ボタンと、パワー調節ボタン、切ボタンと、「これっきりエコボタン」の4つのボタンが用意されている。これっきりエコボタンとは、前述のごみハンターヘッドα内にあるセンサーによって、ヘッドの動きや床質に応じて自動的にパワーを切り替えるというもの。つまり、通常使う場合はこのボタンを押すだけで良いので、強や弱などの運転モードをいちいち切り替える手間が不要になる。日立の高級クラスの掃除機ではお馴染みの機能だ。 

 これっきりエコボタンを押して運転をスタート。電源が入って最初に感じたのは、“たしかに静か”。強運転になった場合でも、これまで使っていた紙パック掃除機の「中」運転ぐらいの運転音という印象だ。当然、弱運転時の音はそれ以上に静か。これまでの掃除機にはもう戻れないと、いきなり感じたほどだ。

 この静かな運転音の秘密は本体内の構造にある。CV-RP3000のモーターは、ケースで覆われており、さらに「防振スプリング」というバネを取り付けることで、モーター動作音の漏れと振動の低減を図っているのだ。運転時に本体を触ってみたが、確かに手に伝わる震動がかなり少なく感じた。このモーターの音と振動をシャットアウトする機構が、優れた静音性を実現するキモと言ってよさそうだ。なお、モーター以外にも、ヘッドからホースへの空気の流れがスムーズになるように経路の構造がなめらかになっているなど、様々な部分で静音性の工夫が盛り込まれている。

 運転音が静かに感じたのは事実だが、本音を言えば、当初期待していたほどではなかった。というのも、ごみハンターヘッドαのパワーブラシの音が、結構大きく感じられるからだ。おそらく、本体の音が小さくなった分、パワーブラシの音が耳に付くようになったのだろう。そこで、試しにパワーブラシを切ってみて、パワーを「弱」にすると、“これできちんと掃除ができているのか!?”と思うほどの静かさとなった。これなら、夜中でも気兼ねなく使える。

【動画】これっきりエコボタンで運転し、パワーが自動で切り替わるところを撮影 パワーに応じて、ヘッドのランプが赤・橙・緑に変化する
【動画】パワーブラシを動作させつつ、運転モードを強から弱へ切り変えている 【動画】今度はパワーブラシを止めて、強から弱へと切り変えた

 実をいうと、もう1つうるさく感じることがあったのだが、その点については後ほど取り上げる。

排気のニオイは全く気にならない
 

本体のメッシュ部分の奥にプラズマULPA構造が取り付けられ、排気を強力に脱臭しているため、排気のニオイが全く気にならない
 ところで、紙パック式掃除機の弱点のひとつに“排気が臭いやすい”という点がある。しかしCV-RP3000に関しては、その点も全く問題なかった。今回、1カ月弱ほど紙パックを交換せずに使い続けてみたが、その間に排気が臭いと感じることは全くなかった。

 これも本体内に理由が隠されている。CV-RP3000には、プラズマ放電ユニットとULPAフィルターを利用した「プラズマULPA構造」と呼ばれるフィルターが取り付けられており、0.3μm以上のホコリの集じん率を99.999%キャッチする効果が謳われている。また、ULPAフィルターには、ナノチタンに金属イオンを加えた「ナノチタンプラス触媒」が塗布されており、これによる消臭効果も備えている。

 これだけニオイがないと、「紙パック式掃除機=臭う」という図式は、もはや過去のもの。ニオイに関しては紙パック式掃除機もサイクロン式掃除機もほとんど変わらないと言える。

排気口は本体後部に上向きに取り付けられており、床のホコリを舞い上げないように工夫されている 紙パックの収納部奥には、ナノテク・アレルオフ抗菌消臭フィルターというフィルターも取り付けられている ナノテク・アレルオフ抗菌消臭フィルターは、取り外して水洗いが可能だ

吸引力の低下も問題なし

紙パック上部には、紙パックを振動させ、紙詰まりを防ぐ「電動除じん機構」が見える
 紙パック式掃除機のニオイに並ぶもう1つの弱点が、吸引力が低下しやすいという点だ。吸い込んだゴミを紙パックで漉し取るという構造上、確かに吸引力の低下が起きやすいのは間違いない。

 しかし、実際にCV-RP3000を、1カ月弱ほど紙パックを交換せずに使い続けても、吸引力が大きく低下したと感じることはなかった。

 というのもCV-RP3000には、電源ケーブルをコンセントに挿した時、運転後に切ボタンを押した時などに、紙パックを振動させる「電動除じん機構」が搭載されている。振動により紙パックに詰まった微細なチリやホコリをたたき落とす役割があるのだ。また、本体内のには、吸引パワーを維持するための空気の通り道「パワー長持ち流路」が用意されている。これらによって、紙パック式ながらも短時間での吸引力の低下を防げるのだ。


 ちなみに紙パックは、高い集塵能力と脱臭効果のある「ナノテクスーパープレミアム衛生フィルター」が同梱されるが、これがゴミ捨ての際にとても便利だ。フィルターにはシールのフタが取り付けられていて、本体から紙パックを取り出すと同時に、紙パックの吸入口がシールで塞がるようになっている。そのため、紙パック内部からゴミが飛び出すことなく、簡単かつ衛生的にゴミが捨てられるのだ。掃除の度にゴミを捨て、しかもチリやホコリが舞い上がりやすい傾向のサイクロン式掃除機と比べると、その一歩も二歩も先を行くような便利さがある。

 このナノテクスーパープレミアム衛生フィルターは、3枚入りで実売1,800円前後と、価格もスーパープレミアム。だが、長期間吸引力を保ったまま利用できるため、価格は十分元が取れるはずだ。

標準指定の紙パック「ナノテクスーパープレミアム衛生フィルター」。優れた集じん能力や抗菌・脱臭能力を備える。価格もプレミアムだ ナノテクスーパープレミアム衛生フィルターには、写真中央のような紙が付けられている この紙はシールになっていて、ゴミ捨て時に紙パックの吸気口を塞ぐ役割を果たす

紙パックをセットしたところ。前方の突起に紙を引っかけて取り付ける 【動画】ゴミ捨て時は紙パックを取り出すだけで、簡単にパック穴をシールで塞げる

電動除じん機構の音はかなりうるさい

【動画】電源ケーブルをコンセントに挿すと、電動除じん機構が動作する
 しかし、紙パックの目詰まりを防いでくれるこの電動除じん機構だが、ちょっとヤバイ。なにがヤバイのかというと、その動作音だ。せっかく動作時の音がかなり静かになっているのに、電動除じん機構が動作すると、強で運転している状態よりも大きい音が発生するのだ。しかも、電源ケーブルをコンセントに挿した時と、切ボタンを押したときと、通常の掃除を行なう場合でも2回も動作する。もちろん紙パックの目詰まりを防ぐ狙いがあるのはわかっているが、この音では、夜に使うのを正直ためらってしまう。

 もちろん対策は取られている。それは、電動除じん機構が動作する前に、グリップの切ボタンを押すというものだ。電源ケーブルをコンセントに挿すと、チャイムが鳴り、その後電動除じん機構がはたらくが、チャイムが鳴っている時に切ボタンを押すと、電動除じん機構は動作しない。また、掃除が終わって切ボタンを押すときも同様で、切ボタンを押した後にチャイムが鳴り、そのあとに電動除じんに移る。つまり、掃除が終わったら、2回連続で切ボタンを押すことで電動除じん機構をストップできるのだ。

 しかし、常にOFFにするようには設定できないため、電動除じん機構を動作させないようにするには毎回切ボタンを押す必要がある。夜に使う場合などは、毎回この点に気を遣うことになるため、少々面倒だ。かといって、この機能を完全に止めてしまっては目詰まりを起こしてしまう。それでは本末転倒で、だからこそ完全に止められないようになっているのだろう。少々面倒ではあるが、対処法がしっかりと用意されている点は評価したい。

【動画】切ボタンで運転を停止した後も、電動除じん機構がスタートする 【動画】切ボタンを2回押すと、電動除じん機構がOFFになる

静音、排気のキレイ、吸引力の維持など、全体的にはかなりおすすめ

 CV-RP3000を実際に使ってみて、紙パック掃除機の中でもトップクラスの静かさを実現している製品であることは十分に実感できた。特に、電動ブラシを止めて、弱パワーで利用したときの静かさは、もはや掃除機を使っているとは思えないほどだ。また、排気のニオイが全くといっていいほど気にならない点や、付属品が多く、どれも気の利いた使い方ができる点、紙パック式ながら長期間吸引力が低下せずに利用できる点など、ハイエンドモデルとして納得の機能が実現されている点も見逃せないポイントだ。

 上でも書いているように、パワーブラシを動作させているときに少々音が大きく感じる点と、電動除じん機構の音がかなりうるさい点など、気になる部分もいくつかあるものの、どちらも動作させずに使えるので、対処はできる。とにかく、マンション住まいで、夜に掃除する機会が多いという人なら、かなり満足できる製品であることは間違いない。掃除機は紙パックじゃないとダメ、という人はもちろん、サイクロン式掃除機を使っている人にもぜひとも試してもらいたい製品だ。


 

そのほかの機能、付属品


「ごみハンターヘッドα」内には、大型のパワーブラシを搭載。軽々と掃除できる パワーブラシは分解して水洗いが可能だ
ヘッドには、床上のハウスダストを吸引する吸気口「ツインエコフラップ」が用意されている 【動画】運転時にツインエコフラップが開くようす
電動ふとん吸口も標準で付属する 青い部分が振動して、ふとんのゴミをたたき出し吸い込める
ホースに、パイプやクルッとブラシ、ごみハンターヘッドα、曲が〜るロングノズルなどを取り付けた状態 ホースを最大まで伸ばした状態 ホースの長さは、ハンドル部のレバーを引くことで調節できる



200942000:00

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