日立アプライアンス株式会社は、吸込仕事率が業界No.1のサイクロン式掃除機「ごみダッシュサイクロン CV-SM10」と紙パック式の「パワースター CV-PM10」を、7月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は両機種とも5万円前後。
同社のサイクロン/紙パック式では、最上位のプレミアム製品に次ぐ高級機種。同社がユーザーに対する調査で「次回掃除機を購入する際に重視すること」を尋ねたところ、回答の1位が10年前と変わらず「吸引力」だったことから、吸込仕事率を高めることをメインテーマとしている。
そこで、独自の高性能ファンモーターを新たに開発。ファン部の固定翼に、空気の流れを改善するためのスリットを設け、モーター内部の風の損失を減らし、またモーターの巻線を変更して、モーター内部のブラシを安定化することで、モーターの高速・高出力化を図った。このほか、モーター内部の磁界解析を行なうなど、損失を軽減。これらの改善により、吸込仕事率は、CV-SM10で590W、CV-PM10が600Wとなった。同社ではいずれも「業界No.1」としている。
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ごみダッシュサイクロン CV-SM10 アクアマリン
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パワースター CV-PM10 シャンパン
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同社の調査によると、ユーザーが次回掃除機を購入する際に重視するのは「吸引力」。10年前から最重視されていたようだ
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新搭載の高性能ファンモーター
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モーターの巻線を改良し、モーターをより高速・高出力化した
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回転翼にスリットを設けて、風損を軽減
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吸込仕事率は、CV-SM10で590W、CV-PM10が600W。いずれも業界No.1を謳う
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ヘッドには「ごみハンターヘッドα」を採用する。従来機種の「CV-SL10」「CV-PL10」では、ヘッド内部の回転ブラシ用のモーターにかかる負荷を感知し、強/中/弱の3段階の運転モードを自動で設定する「ごみハンターヘッド」を採用しているが、「ごみハンターヘッドα」はこれらを継承するとともに、新たにヘッド上面2カ所に吸気口を搭載した。
これにより、ヘッド内部の圧力と気流を安定化し、ごみの搬送性が向上。手元の「これっきりエコボタン」を押すだけで、フローリングでは「弱」に、絨毯では「中」に自動的に設定されるが、いずれも同社の2002年モデルの「CV-PF8」の「強」運転モードと同等の集塵性能を持つという。また消費電力量も、CV-PF8と比べてフローリングでは約75%、絨毯では約30%を削減する。同社ではこの吸気口を「ツインエコフラップ」と称しており、床上に漂うアレル物質を吸引する効果もある。
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ごみハンターヘッドα
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「ツインエコフラップ」を採用することで、ヘッド内部の圧力と気流が安定し、ゴミの搬送性が向上する
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床面にあった運転を自動で選択肢、消費電力を抑える「これっきりエコボタン」を搭載
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「これっきりエコボタン」はハンドル部に搭載されている。押すだけで自動的にスタートする
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このほか、アレル物質を吸い取る効果もある
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煙を使った実験映像。ツインエコフラップから煙が吸い込まれているのがわかる
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CV-SM10(左)と従来機種(右)を、フローリングと絨毯で運転する比較。従来機種では強運転のままだが、CV-SM10は「ごみハンターヘッドα」により、自動的に最適な弱運転へと切り替わるため、無駄な電力が抑えられる
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また、アタッチメントとして「曲がーるロング吸口」を新採用。これは先端のブラシ部とホースに接続する部分の2カ所が3段階に可変し、さらに52~69cmまで伸縮できる吸口で、延長管の先に装着することで、棚や冷蔵庫の上面、天井面など、手が届きにくいところまで掃除できる。延長管を取り外して接続すれば、棚の上のような目線の高さの掃除にも使える。
ゴミ捨てを容易にする機構も搭載する。サイクロン式のCV-SM10では、ホコリの舞い上がりを抑えるためのティッシュペーパーの装着性を高めたダストケースを採用。汚れた場合はフィルターを取り出して水洗いもできる。紙パック式のCV-PM10では、満杯になった紙パックも取り出しやすい「紙パックするりん構造」を採用する。
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「曲がーるロング吸口」は、先端と根本が内側に3段階に曲がる
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冷蔵庫の上部を掃除しているところ
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家庭のいろいろなシーンで使用できるため「家中クリーニング」を謳う
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ダストケースに入れることでゴミが舞い上がりにくいティッシュペーパーが簡単にセットできるという
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紙パックがいっぱいになっても取り出しやすい「パックするりん構造」を採用
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CV-SM10の本体サイズは255×330×219(幅×奥行き×高さ)で、重量は4kg。消費電力は1,000W。本体カラーはシャンパンとアクアマリン。
なお、機能を省いた下位機種も同時に発売する。詳細は以下の一覧にて紹介する。
名称 | 製品名 | 集塵方式 | 吸込仕事率 | 吸込口 | 排気フィルター | 曲がーる ロング吸口 | 価格 | 店頭予想価格 |
ごみダッシュサイクロン | CV-SM10 | サイクロン | 590W | ごみハンターヘッドα | 大型HEPA ブロックフィルター | ○ | オープン | 5万円前後 |
CV-SM9 | ごみハンターヘッド | - | 4万円前後 |
CV-SM8 | 580W | パワフルタービンヘッド | - | 3万円前後 |
パワースター | CV-PM10 | 紙パック | 600W | ごみハンターヘッドα | 大型HEPA ブロックフィルター | ○ | 5万円前後 |
CV-PM9 | ごみハンターヘッド | - | 4万円前後 |
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日立アプライアンス株式会社 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏
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日立アプライアンス株式会社 常務取締役 家電事業部長の石井吉太郎氏は「日立では最上級のプレミアムタイプの掃除機もあるが、本製品のようなそれに次ぐ高級タイプの製品もきっちり売っていきたい」と語り、5万円以上の掃除機の構成比を24%から28%へ増やす目標を語った。また「景気の動向を考えると高い製品は敬遠されるかもしれない」としながらも、「基本的な使い勝手、省エネ、便利さを訴求すれば、5万円以上のゾーンの製品でもお客様の支持を得られるはず」と自信を見せた。
■URL
日立アプライアンス株式会社
http://www.hitachi-ap.co.jp/
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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/06/18 18:26
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