家電製品ミニレビュー

LEXON「Soundsation」

~コレ、何? 一瞬迷う突飛なデザインが面白いラジオ
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LEXON「Soundsation」
 家電Watch編集部から「チミはラジオ好きだけど、たまにはこういった製品を試してみなはれ」感のあるメールとともに、LEXONの「Soundsation」が送られてきた。

 突飛なカタチのコレ、実はFMラジオなのであった。そう言われてみると、あ、メガホンな形状のトコロがスピーカーなのかニャ!? とか思えてくるが、一見すると何がなにやらわからないユニークな形状の物体ですな。

 

 

どちらが正面か判断しにくいが、片面には操作パネルや表示部がある。パネル部はシリコン製と思われ、ソフトな感触だ

パネルの刻印もソレっぽい。例えば右上がボリューム操作ボタンだが、“vo”と“lu”と“me”の文字がリズミカルに配置されていておもしろい

電源はラジオ部用に単三形電池×4本、時計部用にボタン電池LR44×2個。スピーカー部を取り外して装着する


 デザインは奇抜だが、ラジオとしては比較的に地味。受信はFM専用(76MHz~108MHz)で、音声はモノラル。タイマーアラーム機能装備で、アラームはブザーかラジオ音声を選べる。時計はデュアルタイムで、2つの異なる時刻(例えば日本と米国など)をセットできる。放送局は5局までプリセット可能だ。ほか、ラジオ上部(アンテナ部横面)を押すと表示部のバックライトが点灯する。

 ぶっちゃけた話、FM専用モノラルラジオで、タイマーも少々使えて、と、機能的にはごく単純な製品。また、受信性能は平凡かそれ以下で、どうだろう、ちょっと性能の高いポケットFMラジオに負けちゃう感度かも。ついでにいえば、スピーカーからの音はお世辞にも良いとは言えない───中低音は迫力にも締まりにも欠け、全体的に細くて乾いた地味な音質といった印象だ。

 てコトで、FM放送を快適に受信するため、というよりはFM放送をほかにはない形状の機器で受信してさらに楽しむ、てな雰囲気の製品。それだけに、デザインはオンリーワンの目立ち方ですな。

真横から見たところ。とりあえず人の目を引くことは請け合いのFMラジオだ。ちなみに、アンテナは最長約27cm程度伸ばせるが、真上に伸ばせるだけで角度は変えられない

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こんなふうに横置きにしてもOK。置き方による音質変化が気になるほどのサウンドクオリティはないので、デザイン優先で自由なパターンの置き方をして楽しめる

こんな置き方をしても楽しいかも!? ACアダプタ端子があるが、ACアダプタは同梱されていない


 ちなみに、デザイナーはマタリ・クラセットで、デザイン監修はフィリップ・スタルク。

 この“フィリップ・スタルク”で画像検索してみると、あら、アレとかコレとか見たことある~!! みたいな。そう、知る人ぞ知るあの世界的なプロダクトデザイナーが監修したFMラジオなのだ、Soundsationは。

 で、既にSoundsationを気に入ってお使いだったり、あるいはマタリ・クラセットやフィリップ・スタルクのデザインが大好きだったりする方にはスマン!! みたいな気分だが、拙者におけるSoundsationは、そーとー思考がブレない限り手を出さない製品だニャ~とか思ってしまった。

 それは前述のように、まず機能面や音質面での寂しさ。必要最低限の機能やクオリティは備えていると言えるが、しかし、家電店でFMラジオを見れば、Soundsationよりもずっと高品位/高機能なラジオがもっと低価格で手に入りまくる。

 それから、デザイン面は好き好きだと思うが、ソレナリの価格のプロダクトとしての質感も気になる。外装は軽薄感のあるプラスチックだし、塗装の重厚さも感じられないし、細部の作りもよくない。拙者の場合は、写真でモノを知ってから実機に触れたが、手触りにも存在感にも肩すかしを食らった感じ。

 でも、そういった“ラジオとしての性能”や“身近に置くモノとしての質感”を承知のうえで、「この尖ったデザインに惚れて」というスタンスから手を出すなら満足できる製品ではなかろうか。……そう言えば、フィリップ・スタルク氏はデザイナー引退宣言をしたりしているので、時代の記念としてゲットしておいてもイイかも!?



2009年4月6日 00:00