家電製品レビュー
1か月試して分かった1.5万円で買えるロボット掃除機の実力
by 河原塚 英信(2015/6/2 07:00)
ロボット掃除機はキチンと掃除してくれるのか?
今までルンバなどのロボット掃除機を、自宅で使ったことはない。自分では掃除をしないのと、そうした掃除機がキチンと掃除してくれるのか、懐疑的だったからだ。
そんな我が家にロボット掃除機がやってきた。
導入したのは、CCPの「LAQULITO(ラクリート) CZ-C04」。1万5,000円前後と比較的にリーズナブルな価格が魅力のモデルだ。拭き掃除に対応しているロボット掃除機で、本体サイズは、270×76mm(直径×高さ)。真っ直ぐや角度の違う曲線を描きながら床を走り、本体前方についたブラシでゴミをかき込みながら、バキュームで吸い込む。約4時間の充電時間で、連続駆動時間は約50分。
メーカー名 | CCP |
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製品名 | LAQULITO CZ-C04 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 15,984円 |
モップシートを使うと効果大!
たっぷりと充電してあげてから、さっそく掃除してもらった。ぶぅ〜〜〜〜と言いながらフローリングを快走する。意外とスイスイと進んでいくものだ。これでキレイにしてくれるなら、こんなにラクなことはない。
走った跡をうるさい姑のようにチェックすると、けっこうゴミが残っている。
まぁ1回通ったくらいじゃ吸い込めないよね。と温かく見守ることにした。数分後に、また同じところを通る。
またスルー……。
まぁ2回通ったくらいじゃ吸い込めないよねと、まだまだ余裕の筆者。しばらくすると、また同じ場所を走る。
3回目もスルー……。
さすがに、それはないよぉ、とかなりガッカリ。米粒もソーメンも残ってるよ。
まぁでも、とりあえず台所だけは、じっくりと掃除してもらおうと思い、約30分、走らせておいた。その後、スイッチを切り、本体上面のカバーを外し、ダストケースを開けてみる。
ホコリが中心だが、思いのほか、ゴミや髪の毛も吸い取っていた。米粒も、いくらかは取り込んでくれている。意外とやってくれるじゃないか。
ここまで使って、このモデルが拭き掃除に対応していることを思い出した。付属のモップシートを、本体裏面に装着することで、拭き掃除対応と謳っているのだ。
モップシートを付けて心機一転、また同じフローリングを走らせた。走りは相変わらず軽快。
走った跡を見てみると、今度は、米粒もソーメンも残らず取っていってくれた。髪の毛などもモップシートに引っかかっているのか、ズルズルと引きずりながら走っている。
モップシートの効果は絶大だ。掃除後に、フローリングを素足で歩いても、ゴミが足裏に付くことがない。一般的な掃除機で掃除をした後のように、キレイになっている。
かなり感動。
ただし、畳の部屋やカーペットが敷いてある場所では、使用できない。試しに畳の部屋を走らせたが、少し盛り上がっている畳の縁の部分でシートが引っかかり、動きが極度に鈍くなった。カーペットでは、完全に動けなくなっていた。同様に、絨毯の走行も難しいだろう。
帰還機能はなく、ベッドの下で力尽きていた
モップシートを装着したことで、思いがけず威力を増したので、寝室や畳の部屋も掃除してもらうことにした。まずは寝室をお掃除。自分はリビングで子どもと遊んでいるのに、寝室の掃除が同時に進んでいると考えると、なんだかうれしい。例えるなら、みんなが働いている平日に、自分だけ遊んでいるようなうれしさだ。
他の部屋にいると気にならない程度にしか動作音は聞こえてこない。時々、「アイツは、ちゃんと掃除してくれているかな?」と、耳をすませると、かすかに聞こえる音で確認できるほどだ。
そして、何度目かに耳をすませると、動作音が聞こえない……。あれ? 止まっちゃった? と思いながら寝室に行ってみる。見渡してみると、どこにもいない。ぴ〜っ!……ぴ〜っ! ……っと、15秒に一度くらい、電子音が鳴っている。ベビーベッドの下を覗きこむと、いた!
そう、このラクリートは、バッテリーがなくなるまで従順に走り続ける。高級ロボット掃除機のように、バッテリーがなくなりそうになったから戻ってくる、というような勝手なことはしない。
禁断のクイックルワイパーを使ってみた
ここからはメーカーの保証外だと思うが(説明書には記載がなかった)、付属モップシートの代わりに、クイックルワイパーを装着してみた。使ったのは「クイックルワイパー 立体吸着ウェットシート」。付属のモップシートよりもかなりサイズが広く、厚みも増す。
そのまま着けて走らせてみたが、動きが悪い。改めて、半分に切って装着。フローリングでは、問題なく走り始めた。乾拭きよりも、ウェットなシートの方が、掃除の仕上がりも良い。
使うほどに評価が高まっていった
最初は「うちにはいらないなぁ」なんて思っていたロボット掃除機だが、モップシートを使い始めてからは、評価がうなぎのぼり。
確かに高級モデルのように、自動帰還機能もなければ、高度なセンサーもなく、「ロボット」と言っていいのか怪しいくらいに同じところを何度も走り、計算し尽くした動きには見えない。リビングとダイニングを分ける高さ約2cmの段差で、身動き取れなくなることも、たびたび起こった。だが、確実に家事の負担を軽減してくれている。嫁も気に入り、毎日のように「ラクリート」を稼働させている。
嫁曰く「まぁまぁゴミもとってくれるし、毎日掃除をしなきゃいけないっていうプレッシャーがなくなった」そうだ。今まで掃除機をかけてから、クイックルワイパーで拭き掃除もしていた嫁は、大助かりの様子。
また、狭い我が家では、縦置きして充電できるのも高ポイント。自動で帰還する機能がないため、平置きする必要がないからだろう。壁の隅に置いておけるので、まったく邪魔にならない。
思わぬところで止まってしまうというのが、気にならなければ、外出時に稼働させておくのも良い。また、使う前に障害物を整理しておこうというユーザー心理が働くのも、ロボット掃除機のメリット。特に段差の少ないワンルームの家、しかもフローリングであれば、かなり大きな掃除効果が期待できるのでお薦めだ。