趣味の節電道入門

第39回:ほぼ24時間の待機電力カットをタイマーで実現

 購入して3カ月以上放置していた節電アイテムがある。設定した時間になると自動的に電源が入ったり切れたりする、いわゆる電源タイマーだ。節電では昔からの定番アイテムだが、今やたいていの家電にはオフタイマー機能が備わっていて、近年は出番が少なくなっているのではないだろうか。

 片や、ビジネス・オフィス向け電気製品では、オフタイマー機能を備えていることは少ない。基本的な節電性能は向上させつつも、利便性の方を優先させる傾向があるからだろう。わが家のモノクロレーザープリンターにも当然そんな機能は備わっていない。

 そこで、電源タイマーをレーザープリンターの待機電力カットに活用することにした。今日は今までで一番(プリンターの電源オフが)長い一日になる。

肖像権の関係でわざと似せてないんですよ(嘘)

 自宅で仕事に使っているレーザープリンターはキヤノンの「LBP3000」というモデル。購入した年は忘れたが、2005年発売の製品なので10年近く経っている。本体もかなり安かった記憶があるが故障は皆無。トナーも低価格のリサイクルトナーを入れているが問題なく働いてくれている。あまりのコスパの良さに、当分は買い替える気にならないほどだ。

 とはいえ、節電家として気になるのは待機電力。一般的にインクジェットプリンターよりも、レーザープリンターの方が待機電力を含めて消費電力が大きい。「LBP3000」は、ビジネス向けの複合機などに比べれば消費電力は小さいものの、待機電力を計測してみたところ、平均して約2.5W。24時間電源を入れっぱなしにすると、待機電力だけで年間500円ほどになる。

キヤノン「LBP3000」。2005年発売の製品で、おそらくわが家でもっとも長期間現役のパソコン周辺機器だ
待機電力を計測してみたところ、およそ2W台だった。買い換えや、手動でこまめにオンオフするモチベーションが起きにくい微妙な数値
パナソニック「ダイヤルタイマー WH3111」(購入価格は2,000円弱)。設定は最大11時間、アバウトに15分刻み。24時間は戦えない

 以前、デスクトップパソコンを使っていたときは、PCのオンオフを検知して周辺機器の電源を自動オフにするタップを使用していたが、メインのパソコンをノートにしてからは使えなくなった。単純に、プリンターの電源をそのつど手動で落とせば良いのだが、「LBP3000」は電源ボタンが背面にあり、机上の設置位置との関係で手が届きにくい。そこで、電源タイマーにつなぐことにした。タイマーを手の届く場所に設置すれば、電源を入れる手間も楽になる。

 具体的な設置作業は、電源に接続した「ダイヤルタイマー WH3111」にプリンターの電源コードをつなぐだけ。プリントする時に、ダイヤルを回して電源を入れ、一定時間が経てば自動でオフになる。うちの環境では、パソコン(MacBook Pro)からプリント操作をしてからプリンターの電源を入れても問題なく印刷が開始された。昔に比べて印刷する機会自体が減っているので、1時間もオンにしておけば、作業の効率が悪くなるようなことはなかった。

 利便性をそれほど損なうことなく、節電を実現できるソリューションではなかろうか(笑)。もっと待機電力が高ければいいのにと本末転倒な考えがよぎるほどだ。

手の届く壁に設置した。電源の状態が一目でわかるし、電源を入れるのも簡単
プリンターの待機電力ごときに2,000円もする電源タイマーは使いたくないと考えるなら、100均で売っている1個口の節電タップはどうだろう。離れた場所のプリンターも手元で電源オンオフできる

小口 覺