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引っ越し時に電話がつながらないイライラを解消!! 東京電力が導入したAI受付のメリットとは?

東京電力エナジーパートナーが導入したAI技術がもたらしてくれるメリットとは……

コールセンターの電話はつながらないのが当たり前……。そのような印象を持っている人も少なくないのではないだろうか。特に引っ越し時は、電気やガス、インターネットなど様々な手続きをしなければならないが、電話が一発でつながることはほとんどない。たいていは「ただいま電話が混みあっております。しばらくお待ちください……」というアナウンスが繰り返され、場合によっては「お時間をおいて、おかけ直しください」とブチっと切れてしまうこともある。

そんな「コールセンターとつながらない問題」を解消すべく、東京電力エナジーパートナーは新たなサービスを導入し、2月26日から運用を開始した。ニューノーマル時代にふさわしい、AI(人工知能)技術を活用した受付サービスだ。その結果、電話が混みあう春の引っ越しシーズンにも、効果を発揮したという。具体的にどのようなサービスなのか、導入に携わったDX推進室の今野 拓也氏と、オペレーション本部の桑原 沖広氏に話を聞いた。

電話の待ち時間を活用し、AIが音声で聞き取り

同社カスタマーセンターが諸手続きの電話を受ける際、まず自動音声ガイダンスで用件を選択した後、オペレーターが対応していたが、先述のように繁忙期には電話がつながりにくいという問題があった。

「カスタマーセンターでもオペレーターの配置人数など考慮はしているものの、やはり電話が一定の時期や曜日、時間に集中してしまうため、ご不便をかけてしまうことも多くありました」(桑原氏)。そこで同社が導入したのが、「引越しに伴う電気・ガスの使用開始・停止等」の一部受付をボイスボットによる音声で自動対話するAIだ。

「なかなか埋まらないギャップをテクノロジーによって解消したい」と話すオペレーション本部 サービスソリューション事業部 オペレーション企画グループマネジャー・桑原 沖広氏

流れとして、顧客がカスタマーセンターに電話し、自動音声ガイダンスで用件を選択するまでは同じだが、用件が「引越しに伴う電気・ガスの使用開始・停止等」の場合、オペレーターにつなぐ前に、AIが音声で、手続きに必要な顧客の情報を確認する。オペレーターが電話で確認する作業をあらかじめAIが済ませてくれるのだ。

AIイメージ

実際にどのようなやり取りが行なわれるのか、実演していただいたので、その一部を紹介しよう。

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AI/AIアシスタントが質問したあとに、オペレーターにおつなぎいたします。電気をお止めするお問い合わせでよろしいでしょうか。……
顧客/そうです。
AI/契約者さまご本人ですか。……
顧客/そうです。

AI/契約者名義を教えてください。
顧客/ヒロタアヤカ(仮名)
AI/ヒロタアヤカさまですね。……
顧客/そうです。
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一部、お客さま番号や郵便番号などは電話のプッシュボタンを利用するが、それ以外はこのように、会話のような音声でのやりとりで応答できる。ここでAIが収集するのは、契約名義や電気を使用する場所のお客さま番号などの契約情報だ。しかもAIが聞き取った情報は、データ上の記録とマッチングし、顧客を特定した上でオペレーターとつながるため、その後のやり取りがスムーズに進められる。

AIが聞き取った情報はテキスト化され、顧客データとマッチングする

利用者の利便性向上とオペレーターの負担軽減を両立

このAIによる受付は、顧客とカスタマーセンター双方にメリットがありそうだ。まず、顧客側から見れば、オペレーターとつながるまでの時間を有効活用できる。また、AIが聞き取った情報はオペレーターへ渡るため、オペレーターが直接電話で聞き取りを行なうよりも工程が省略できる。

「例えば病院で、お医者さんが患者さんの症状を一から聞いていたら、1人あたりの診療時間が長くなってしまいます。でも、あらかじめ問診表を書いたり、待ち時間に看護師さんが聞き取りするなど分業することで、私たちはお医者さんの診察をスムーズに受けられますし、結果的に待ち時間も短くなる。AI受付もそのようなイメージです」(今野氏)。

「役割分担をすることでそれぞれが自分の職務に注力でき、より多くの対応も可能になります」と話すDX推進室の今野 拓也氏

もちろんオペレーター側のメリットも大きい。顧客情報の聞き取りはシンプルなようで実はスキルが求められるという。「お客さまに対応しながらデータを入力し、情報を呼び出す作業を同時進行するため、慣れが必要です。しかも、地の利のない地域の手続きを行なうことが多く、聞いたことがない地名はうまく聞き取れないこともあるので、できる限り地名も覚えなくてはいけません」(今野氏)。

しかし、AIがあらかじめ聞き取りを済ませていれば、オペレーターが電話に出る時はすでに、データが呼び出されているため、オペレーターはその後の対応に注力できる。これにより、オペレーターの電話1件あたりの対応時間は約3割削減。そのぶん次の顧客に対応するまでの時間も短縮され……と好循環が生み出されるというわけだ。

とはいえ、AIとのやり取りの最中に不明なことが出てきたら、どうしたらいいのだろうか。桑原氏によると、「2回問いかけをしても応答がない場合、お困りになっている可能性があると判断し、やはりオペレーターにつながるようになっている」(桑原氏)そうで、万一のときも心配はなさそうだ。

コロナ禍の引っ越し手続きに様々なチャネルで対応

このAI受付プロジェクトは、電話の待ち時間を解消し、オペレーターの負担も軽減するため、2019年から始まったという。「今後、労働人口が減っていくといわれる中、オペレーターを確保するのが難しくなる可能性もあり、電話以外の受付チャネルを増やしていくべきと考えました」(桑原氏)。

電話、FAQ、チャットが用意されている

そんな同社にとって、コロナ禍は当然のことながら想定外。「オペレーターのみなさんにもカスタマーセンターの密を避けるために在宅勤務していただいたり、電話対応が従来より難しい状況になりました。ですがAI受付の運用が今年2月26日にスタートできたことで、引っ越しシーズンも大きな混乱なく乗り切ることができそうです」(今野氏)。

現在、AI技術を活用した問い合わせ・手続きサービスとして、先述のボイスボットが応対する電話受付のほか、インターネット、アプリによるチャット自動応対を用意。これらも必要に応じてオペレーターによるチャットサポートに引き継がれる。

諸手続きは、AI技術を搭載したインターネットやアプリでも行なえる

「今後はさらにAIの精度を上げ、お客さまの利便性が図れるようにしていきたい」と話す今野氏。現在も、「そうです」「ちがいます」と回答が求められているところ、「はい」「いいえ」で回答しても理解したり、名前を回答する際に「~です」と付け加えた場合も、名前と推定される部分だけを抽出するなど理解力を高めているが、「さらに学習させて精度を高め、聞き直しを減らしていきたい」という。

また、現在AIが対応できるのは、「引っ越しに伴う電気・ガスの使用開始・停止等」だが、「今後はその他のサービスにも拡大するとともに、用件によってはAIで手続きのすべてを完結することを目指したい」と話す桑原氏。これによって24時間受付が可能になり、例えば引っ越しの前日夜中に電話受付を済ませておけば、翌日に順次開通できるなど、さらに利便性を高めることができる。

春の引っ越しシーズンは一段落したものの、今後も様々な理由で引っ越しをする人は多いはず。特にニューノーマル時代の今、働き方が変わったことで、利便性ではなく環境を優先して引っ越しを検討している人もいるだろう。引っ越しには必ず電気(およびガス)の手続きが必要になるが、そんなときにスムーズに手続きできる同社の取り組みは、利用者にも利便性をもたらしてくれるに違いない。