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アプリで硬さ調整する快眠マットレス登場。シャープやソニーなど注目展示、エモいロボットも【CEATEC 2020 ONLINE】

初の完全オンライン開催となる「CEATEC 2020 ONLINE」が10月20日に開幕

10月20日(火)~23日(金)に、オンラインイベントの「CEATEC 2020 ONLINE」が開催。2019年までの20年間に渡って千葉県・幕張メッセで行なわれてきたイベントのCEATECが、2020年は初めて完全オンライン化される。20日午前10時のオープンを前に、編集部が注目するブースとして、パラマウントベッド、シャープ、ソニー、ユカイ工学の出展内容や見どころなどを、ひと足先にお伝えする。

新型コロナウイルスの影響で完全オンライン開催(Full Virtual Platform)となったCEATEC 2020のスローガンは「ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC(Toward Society 5.0 with the New Normal)」。出展社数はリアル開催時と同等の356社/団体(昨年355社)、そのうち新規は46%を占めるという。

オンラインならではの取り組みとして、期間中に開催される会見が人数制限無しになり、オンデマンドで視聴可能になるなどの仕組みを用意。さらに、出展者とチャットでトークできるといった機能も提供予定だという。さらに、会期以降もオンデマンド視聴で展開予定となっている。入場は無料(登録入場制)。

登録した来場者が各エリアへ自由にアクセス

こうした取り組みも行なうことで、来場者数の目標は史上最多となる20万人超としている(これまでの最多は2007年の20万5,859人)。

現在、公式Webサイトで事前登録を受け付けている。

なお、僚誌Car Watchでは自動車関連の見どころブース紹介記事を掲載している。さらに、ケータイ Watchでも記事を掲載している

パラマウントベッドは、快眠のためのマットレスや「パワーナップ」提案

パラマウントベッドの「Active Sleep MATTRESS」

パラマウントベッドが“睡眠の常識を超える”ことを目指す取り組み「Active Sleep」。対応する製品として、入眠や起床に合わせて自動でベッドの角度が調整される「Active Sleep BED」を現在販売している。

今回CEATEC 2020 ONLINEで新たに提案するのが、そのマットレス版ともいえる「Active Sleep MATTRESS」。

現在のActive Sleep BEDが、「ベッド」と「マットレス」、シート型の「アナライザー」の3つが専用アプリと連携して快適な睡眠をトータルで提供する製品であるのに対し、Active Sleep MATTRESSは、マットレスとセンサーを一体化させたものをアプリと連携。よりシンプルなシステムで、睡眠状態をチェックして、自分に合った環境を得られるのが大きな特徴となる。

マットレスは、頭、肩、腰、臀部、上腿、下腿という6つの部位ごとの硬さを自由に調整可能。細かく仕切られたエアセルによって、姿勢を崩さず均等に身体が沈み込む形となる。

体の部位に相当する各部分の硬さを自由に調整

マットレス全体の硬さはスマートフォンアプリを使って5段階で調整できる。また、6つの部位は10段階で硬さを設定可能。

スマホアプリでの操作画面イメージ

アナライザー部分により、寝ている本人が意識せず毎日の睡眠状況を測定/確認可能。脈拍に加えて心拍や呼吸も測定できる。アプリ画面で「睡眠スコア」や改善のヒントを表示。睡眠中の心拍数データも確認できる。

Active Sleep ANALYZER
スマホで睡眠スコアを確認。呼吸や心拍数などもチェックできる

今後の予定として、マットレスの硬さ調整のおすすめパターンをリコメンドする機能なども計画。さらに、睡眠データをもとに“眠りポイント”を貯めていくと、それが実際の森林保護に役立つといったプログラムも検討されているという。

今後のアプリ機能の機能強化も予定(開発中のイメージ画像)

こうした製品以外にも、新たな提案を実施。日中に短時間の仮眠をとることで生産性の向上などを図る「パワーナップ(Power NAP)」が注目されているが、ニューノーマルで働き方が見直されている中、パラマウントベッドもActive Sleepの新たなサービスとして、パワーナップへ取り組むという。新しいサービスイメージや、このサービスにより実現する体験などが紹介される予定。

シャープは家電+クラウドの「COCORO+」最新動向。災害時は蓄電池で「在宅避難」も

「8K+5GとAIoTで世界を変える」を事業ビジョンとするシャープのCEATEC展示は、「New Normal社会に向けた、シャープのソリューション」がテーマ。「ニューノーマルソリューションズ」、「ニューノーマル社会を支える要素技術・デバイス」、「ニューノーマル時代のデジタルまちづくり」の3つのカテゴリーで展示/紹介する。

家電やIT機器などが連携するクラウドサービス「COCORO+」関連では、COCOCRO AIR、KITCHEN、WASH、VISIONなどの各サービスと、これらで実現する生活などについて紹介する。AIoTクラウドサービスの一つとして、冷蔵庫でスーパーなどの特売情報を活用したソリューションも展示予定。

「COCORO+」サービスと連携した一例として、同社はスーパーの特売情報を冷蔵庫で取得して、献立への活用をユーザーに提案するといった機能を実現している(写真は8月に発売した「プラズマクラスター冷蔵庫」)

AIを活用したクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」では、住宅用太陽光発電システムや蓄電池を自動で制御し、発電した電気を効率よく自家消費する新しい生活を提案。同サービスのアップデートにより、業界で初めて「雷注意報」とも連携する点なども紹介する。

また、災害などで避難所ではなく自宅で過ごす「在宅避難」に関連する技術も紹介。「住宅用クラウド蓄電池システム」は、6.5kWhの蓄電池を2台組み合わせて13.0kWhに大容量化が可能。他にも4.2kWh、8.4kWhモデルがあり、生活に合った蓄電池が選べる。

住宅用クラウド蓄電池システムに対応したリチウムイオン蓄電池「JH-WB1921」

エンターテイメント関連では、世界最大級の120型8Kディスプレイや、4台を組み合わせた120型8K相当のマルチディスプレイなど、8K超高画質の楽しみ方も提案する。

そのほか、スマートオフィスサービス「COCORO OFFICE」や、高い透光性を持つ液晶パネルを使った「情報表示ができるパーテーション」など、Withコロナ時代の新たな生活スタイルなどを紹介する。

映像とAI技術でエンタメやスポーツの新たな表現を提案するソニー

昨年、医療関連の技術を紹介していたソニーの2020年の出展テーマは「3R Challenges」。リアリティ(Reality)、リアルタイム(Real time)、リモート(Remote)の“3Rテクノロジー”により「人々にエンタテインメントの感動とそれを支える安心を届ける」としている。

ソニー「ホークアイ」の画像解析

ブースでは、取り組みの事例を12本のビデオで紹介。

テーマの一つ「ホークアイ」は、スポーツでボールの動きなどをカメラで正確にとらえ、プレーの解析などに活用できるもの。米メジャーリーグベースボール(MLB)が導入しているほか、東京ヤクルトスワローズも実証実験に協力している。同技術の画像解析技術とトラッキングシステムを、今回のCEATECで紹介する。

ホークアイを使ってスポーツの映像を解析

「バーチャルプロダクションラボ」は、映像制作のソニーPCLに新設されたもの。動画撮影の際に、高品位な3DCGをインタラクティブに動く背景として使うことで、新しい映像表現を可能にする。ソニーPCLの本社1Fに備えた、大型のCrystal LEDディスプレイシステムとリアルタイムエンジンを活用している。

バーチャルプロダクションラボ

「ボリュメトリックキャプチャ技術」は、実在の人物や場所を3次元デジタルデータに変換し、それを高画質に再現。実世界空間を丸ごととりこみ、後から自由に視点を動かして視聴することを可能にするもの。スポーツやエンターテインメントの映像制作などでの新たな表現としての応用を目指す。

ボリュメトリックキャプチャ技術

「インテリジェントビジョンセンサー」は、カメラなどに搭載されるイメージセンサーにAI処理機能を搭載したもの。高速なエッジAI処理が行なえ、必要なデータだけを抽出することでクラウドサービス利用時のデータ転送遅延時間の低減、プライバシーへの配慮、消費電力や通信コストの削減などを可能にする。

インテリジェントビジョンセンサー「IMX500」(左)と「IMX501」(右)

CEATEC 2020 ONLINEでソニーが公開予定のビデオは、スポーツ関連のテーマが2本、エンターテインメント関連が6本、社会課題解決に関する内容が4本の計12本。10月20日~23日はCEATECへの登録来場者が視聴でき、10月24日以降はソニー公式YouTubeチャンネルで一般公開される。

ユカイ工学は、コミュニケーションロボット「BOCCO emo」披露

家族のコミュニケーションなどに活用できる様々な機能を備えたロボット「BOCCO emo(ボッコ エモ)」が、CEATECで一般に披露される。

BOCCO emo

BOCCO emoは、同社が2015年に発表したコミュニケーションロボット「BOCCO」をベースに、新たに人感センサーや、高性能なマイクなどを搭載。頭の「ボンボリ」が動き、LEDでほっぺが光るなど、より豊かな感情表現を可能にした。取得した情報をもとにユーザーに合わせたコミュニケーションができる。

2015年発売のBOCCO(左)と、新しいBOCCO emo(右)

名前の「emo」はエモーショナル(感情的)を指したもので、スマートスピーカーとは異なる、ロボットならではの表現で家族のような関わりができる存在として提案。

スマホが使えない家族とメッセージのやり取りに使えるほか、ゴミの日などカレンダーの予定通知、天気予報/防災予報の配信、他のIoT機器との連携などが可能。呼びかける際の名前(ウェイクワード)は自由に設定できる。

BOCCO emoはボンボリやLED、独自の対話で感情を表現
会話や予定の通知など様々な活用ができる

照度/振動/人感センサーを備え、家族が帰宅したときに音声で迎えるなど、周りの状態に合わせた反応をする。さらに、オプションの「つみきセンサ」を使って、家族が帰宅した時の通知や、部屋の温度管理にも活用できる。

また、シーマン人工知能研究所と共同開発した会話エンジンを搭載。会話育成ゲーム「シーマン」シリーズの知見が組み込まれている。

BOCCO emoは、CAMPFIREで10月19日より開始するクラウドファンディングで支援して購入可能。Wi-Fiモデルは28,000円からで、LTEモデルへの変更も、5,000円(通信料は別)の追加で行なえる。

外部のパートナー企業によるサービスとも連携。第1弾として、LTEモデルにネコリコが提供する見守りなどのホームIoT「ネコリコホームプラス」が提供される。同サービス以外にも、BOCCO emoと連携するパートナーを募集する「BOCCO emo for Biz」を展開。

BOCCO emo for Biz

CEATECでは、BOCCO emoの他にも、同社の音声対話開発キット「codama」を使った非接触型サービスへの提案や、スマートセキュリティ会社と協力したスマートホーム化への取り組みなどを紹介予定。