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ダウンは洗濯機でもOK? ダメージが気になる冬服の洗い方をパナソニックに聞いた
2022年11月7日 09:05
冬物衣類はとくに洗濯絵表示に注意!
洗濯のコツを紹介してくれたのは、花王 ファブリックケア事業部 エマール担当の福本梨紗さん、パナソニック ランドリー・クリーナー事業部 国内マーケティング部 ランドリー・アイロン課の佐藤弘和さん(洗濯機担当)、山下恵さん(アイロン担当)。
冬の衣類はセーターやダウンジャケットなど、洗濯の仕方を間違えると衣類の傷みにつながりかねません。洗濯機で洗う前に、「冬物衣類はとくに洗濯絵表示を確認してほしい」と花王の福本さんは話します。
洗濯絵表示は、衣類のタグに描かれている最大7種類のマークです。家庭で洗濯する場合の5種類、クリーニング店で処理する場合の2種類が順に表示されています。洗濯桶のようなマークや、2016年以前の旧絵表示の洗濯機のようなマークがあれば洗濯機で洗濯できます。ちなみに、洗濯桶のマークの下の線が多いほど、おしゃれ着コースなどの弱い水流での洗濯が必要です。
洗濯機の種類によっては、洗濯桶のマークに「手洗い」表示のある衣類も洗えます。例えば、パナソニックのドラム式洗濯機「NA-LX129BL/R」は「おうちクリーニング」コースを搭載しています。ぜひ、お使いの洗濯機の機能を確認してみてください。ただ、洗濯桶のマークに×が描かれた表示は、「おうちクリーニング」コースなどの手洗いコースでも、家庭では洗濯できません。
【追記】上記画像左側の旧表示は推奨表示のため、パナソニックの洗濯機の「おうちクリーニング」コースなど、家庭で洗濯できる場合もあります(11月11日)
おしゃれ着用洗剤は弱い水流での洗濯が得意
セーターなど冬の衣類には、弱い水流で衣類ダメージを抑えて洗う「おしゃれ着コース」がよく使われます。おしゃれ着コースでおすすめの洗剤が「おしゃれ着用洗剤」です。通常の洗剤は汚れ落ちが良いですが、繊維に負担がかかってしまいます。一方で、おしゃれ着用洗剤は、おしゃれ着コースやドライコースの弱い水流でも汚れを落とせて、繊維への負荷を抑える特徴があります。
実は、筆者は「おしゃれ着用洗剤は普通の洗剤よりも洗浄力が弱そう」と思っていましたが、それは間違いでした。ファンデーションを付けた布を一般洗剤とおしゃれ着用洗剤を入れた水でそれぞれ攪拌する(弱い水流で洗う)実験を花王が行なったところ、おしゃれ着用洗剤でも一般の洗剤と同等の洗浄力があったそうです。
おしゃれ着コースで洗濯する際、柔軟剤については「衣類に香りづけしたい、ふんわりさせたいといった用途にあわせて使用してください」(福本さん)とのことです。柔軟剤を使った衣類は静電気がたまりにくくなり、静電気を発生させる衣類の摩擦やホコリの付着を抑えるため、静電気対策に使用するのもいいそうです。
衣類にあわせた洗濯コースを! 干すときのポイントも紹介
セーターやダウンジャケットなど、衣類の種類にあった洗濯方法があるので、以下で紹介していきます。いずれも、はじめに洗濯絵表示を確認したうえで、適した洗剤や洗濯機のコースを選んでください。
セーターやニットはつり干しまたは平干し
セーターやニットは、洗濯機で洗えるものはおしゃれ着コースで洗えます。洗濯機によっては温水おしゃれ着コースやつけおきおしゃれ着コースなどを搭載しているものもあります。衣類の黄ばみが気になる場合は温水おしゃれ着コースのつけおきを活用するなど、汚れの程度や洗濯の目的に合わせて洗濯コースを選んでください。手洗いコース搭載の洗濯機の場合、手洗い表示のあるセーターも洗えます。
洗濯機に入れる際には、洗濯ネットに入れましょう。ボタンのある製品はすべて留めて、飾りのビーズなどが付いている場合は絡まないよう裏返しにするか、飾りの部分のみ内側にするのがいいようです。ネットには、汚れの気になる部分を外側にして、ネットの大きさにたたんで入れてください。
洗濯が終わったら、できるだけすぐに干すのがおすすめです。軽くたたみなおして、たたいてシワを伸ばし形や毛並みを整えて陰干ししましょう。編み目の細かいニットの場合は、平干しではなくつり干しでOK。太めの毛糸でざっくりと編まれたローゲージニットや水を含んで重く感じるものは、型崩れしやすいので平ぼしが適しています。もし平干し用のネットを持っていない場合や足りない場合は、ピンチハンガーの上部を利用することで平干しできるそうです。
ダウンジャケットは防水でなければ洗濯機で洗える
家庭での洗濯が難しいように見えるダウンジャケットですが、手洗いまたは洗濯機洗いの絵表示があり、防水加工のないものであれば洗濯機で洗えます。防水加工ではなく撥水加工の場合は衣類が水を通すため、洗濯機を使えます。また、ロングのダウンジャケットなど重量が400gを超えるものは洗いムラができやすいため、パナソニックでは洗濯を推奨していません。
洗濯コースは、ドラム式洗濯機の手洗いコースが適しています。縦型洗濯機の場合、ダウンジャケットが浮き上がり、生地が傷んだり洗濯機が壊れたりするおそれがあるため、手洗いコースを搭載していても洗濯機の使用は望ましくありません。また、洗濯機での乾燥はできません。
洗濯機投入前には、ボタンやファスナー、ホックは留めて、汚れの気になる部分を外側にして洗濯ネットにたたんで入れてください。脱水後はシワ防止のために、すぐに厚みのあるハンガーで陰干しをします。
フリンジつきマフラーはフリンジを内側にして洗う
マフラーやニット帽などの小物は、洗濯機で洗濯可能な表示があればおしゃれ着コースで、手洗い表示があれば手洗いコースで洗濯できます。おしゃれ着用洗剤のほか、洗濯機で洗える製品であれば普通の洗剤でも洗えます。
洗うときは洗濯ネットに入れてください。フリンジのあるマフラーは、フリンジを内側にしてたたんでおくのがよいそうです。干す際は、マフラーは日陰でM字干し、ニット小物は内側にタオルを詰めて形を整えて平干ししましょう。
洗濯のコツをおさえて冬物衣類をきれいに!
洗濯機での衣類のダメージが気になるセーターやストールもポイントをおさえることで、洗濯できそうです。ぜひ、手持ちの衣類の洗濯絵表示や洗濯機のコースを確認してみてください!
今回洗濯のコツを紹介してくれた花王は、製品改良したおしゃれ着用洗剤「エマール」を4月から販売しています。従来からダメージを防ぎながら洗濯する技術を備えていますが、新たに伸びやヨレを修復する機能が追加されました。「気に入っていたけど襟元や袖が伸びてしまった」という衣類におすすめだそうです。
また、セーターやダウンジャケットなどの洗濯方法を紹介しましたが、パナソニックのドラム式洗濯機の最上位機種「NA-LX129BL/R」では、本体タッチパネルや専用アプリで衣類や洗濯の目的を入力することで、適した洗濯コースを選んでくれる機能を備えています。
【訂正】初出時、登壇者の氏名に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします(11月11日)