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【お花のある暮らし3】夏に強いおすすめの「ラン」と飾り方・管理のコツ

「夏でも長持ちする花はないのかしら」と悩まれている方は多いのではないでしょうか。今回は、夏に長く楽しめて、比較的入手がしやすい「ラン類」と、飾り方や管理のコツをご紹介します。ランはもともと南国生まれの花で、自生するものも含めると何万という種類があります。そのなかから、おすすめのランと、気温が上昇する夏に知っておきたい、切り花の管理のコツをご紹介します。

 

ビビッドな色が楽しい「モカラ」

モカラは、赤、オレンジ、黄色、紫、ピンクなどの明るくビビッドな色が楽しい花です。部屋を明るく彩りたいときに、おすすめですよ。またモカラは、ランの中でも比較的安価なことが多いので、何本かまとめて飾ったり、1本ずつ入れた一輪挿しを複数個並べて飾ってもステキです。

 

涼感あふれる色が特徴の「デンファレ」

デンファレは、白、グリーン、ピンクなどが多く、まれに紫も出回る、涼しい雰囲気のお花です。輸入物でも十分長く楽しめますが、日本産だと流通に掛かる時間が短くなるため、より長く楽しめますよ。国内産は輸入物より割高ですが、傷も少なく状態が良いものが多いので、それだけの価値があると思います。

 

ボリュームたっぷりの存在感「バンダ」

ピンクや紫があるバンダも、ランの1種。モカラやデンファレより花が大きく存在感があり、一輪挿しでもボリューム満点です。モダンでかっこいい印象の花なので、男性にも飾ってほしい花の1つです。クリスタル素材などの高級花瓶が似合うかと思えば、カジュアルにも対応できる花姿(かし)なので、お気に入りの空き瓶などに飾ってみるのも楽しいでしょう。

 

ラン類を美しく見せる、おすすめの飾り方

今回ご紹介した3種類のランは、どれも1本の茎に縦長に複数の花を咲かせるタイプで、長さも大差はありません。1輪挿しの場合は、瓶のように間口が狭いものの方が思った向きに飾りやすいでしょう。5~10本くらいまとめて飾る場合も間口にあまり遊びがない方が広がり過ぎず美しく飾れます。花の丈にもよりますが、多くの場合15cm前後の高さの花瓶がしっくりきます。また花が肉厚なため、重量がそこそこあります。プラスチックなどの軽い素材の花瓶ですと、ひっくり返る可能性がありますので、水と一緒に石やビー玉を入れるなどして、安定を良くする工夫が必要です。

 

ラン類ならではの「管理」方法

ランはたくさんの水を吸いません。また夏は花瓶の水が温まりやすく、水に浸かっている茎が傷む可能性があるので、水は浅めでも大丈夫です。だいたい深さ3~4cmくらいでしょうか。また花瓶のフチよりも下に花があるときは、茎から取り除きましょう。取った花はお水を入れた器に浮かべて楽しむのもステキですね。茎に付いたつぼみは、運が良ければ咲きますが、茶色く変色してしまうことが多いので、なるべく先端まで咲いているものを選んだ方が無難です。ランの花は、下から順番に終わっていくので花がらを摘みながら上の花まで楽しみましょう。また、丈夫だからと言って直射日光が当たる所へ置いたり、水替えを怠ると丈夫なランでも茎が腐ってしまいます。涼しい場所へ飾って毎日の水替えは欠かないようにしましょう。

 

 

五十嵐道子(フラワーデザイナー)

オーダーメイド花屋「包kurumi」フラワーデザイナー。フラワー装飾技能士1級。店舗やオフィス、イベント会場に出張して現場で花を生ける「生け込み」を中心に、フラワーアレンジメントやブーケなどの製作を手掛けています。小粋で色香漂う花を好む大人向けの作品が得意です。