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現役保育士のアイデア、「食べることが好きになる」と好き嫌いは克服可能

保育園で子どもの食事を見ていると「好き嫌い」というより、「その食べ物の味や食感にまだ慣れていないだけ」とよく感じます。そこで今回は、子どもの「食べたくない」を「食べてみたい」へ変えるコツを4つご紹介します。食べることを好きになってくれると、ママもごはんを作るのがもっと楽しくなりますよ。そんなコツを、小中学生の子どもをもつ現役保育士がお伝えします。

 

子どもに食べ物の好き嫌いが多いのはなぜ?

子どもはなぜ食べ物の好き嫌いが多いのでしょうか?食べ物の見た目、舌触り、かみにくさ、パサつきなど、味や食感に慣れず、食べるのを嫌がることがあるためです。また大人が体にいいからと食べさせようと頑張ってしまうと、その食べ物だけでなく、食べること自体も嫌になってしまいます。子どもが毎日の生活のなかで経験しながら慣れていくのは、食べ物の味や食感も同じです。「食べない=苦手」と決めつけずに、食べなくてもどんどん食卓に出してみてください。繰り返し食卓に出していると、あるとき「食べられる」「美味しい」に変わる瞬間が訪れます。「食べてみたい」と、興味がもてるようにするコツをお伝えしていきましょう。

 

コツ1:食べることへの興味につながる「お手伝い」

苦手なものを口に運ぶのはなかなか難しいものです。それよりもまず、食べること自体に興味をもたせることが大切。そこで、お子さんに食事の準備のお手伝いをお願いしてみましょう。出来上がった食事を運ぶ、箸やスプーンを並べる、冷蔵庫から食材を出してもらう、小さなお子さんでもできることはたくさんあります。最初は難しいこともあるので、お母さんが付き添いながらお子さんと一緒にやってみてください。子どもはみんなお手伝いが大好きです。食事のお手伝いを習慣にしていくと、食事が出来上がるまでに手間があることを知ったり、いろいろな食材に触れることが食べることへの興味につながりますよ。お手伝いができたら、ほめてあげてくださいね。

 

コツ2:食べ物への愛着が湧く「料理作り」

次にお子さんと一緒に料理を作ってみましょう。包丁を使ったり、調理までしなくても大丈夫。あれもこれもやろうとすると、ママの負担も大きくなって疲れてしまうので長続きしません。そこで、最初は野菜を洗う、レタスをちぎる、生地を混ぜるなど、簡単なことから始めてみてください。包丁を使う場合はキュウリなど、子どもの手でも持ちやすくすべりにくい野菜から始めてみるといいです。お好み焼きの生地を流すところや、最後にカレールウを入れるところなど、最後の仕上げだけお願いすると、子どもにも達成感が感じられやすいです。どんなものでも自分で作ると、食べ物へ愛着が湧くので、喜んで食べてくれますよ。少しでも一緒に料理ができたら、ほめてあげてくださいね。

 

コツ3:いつもより美味しく感じる「お外ご飯」

いつもお家で食事をしていると、慣れてしまうので新鮮味がなくなってしまいます。そこで、たまには外でご飯を食べてみましょう。いつものご飯も外で食べるだけ美味しくなるから不思議ですね。お出掛けはとても楽しいですし、お家でレジャーシートを広げて食べるだけでも、目線や気分が変わっていいですよ。いつものご飯をお弁当箱に詰め替えてもいいですね。このときはぜひ、お子さんと一緒に準備してみてください。準備しているうちに楽しくなってくるので、いつもは食べられないものでも食べてくれますよ。「おいしいね」などと言いながら、食べる喜びを共有して食べたいですね。

 

コツ4:野菜が好きになる「野菜作り」

お子さんと野菜を育ててみませんか。苗、土、肥料を買ってくれば気軽に始められます。最初はプチトマト、キュウリなどが育てやすく失敗しにくいと思います。毎日野菜に水をやったり、草取りをしたり、育てるのには手間がかかりますが、だからこそ野菜の収穫の喜びは大きいものですね。野菜の水やりができたらほめていくと、お子さんも続ける励みになります。特に収穫は楽しい作業なので、ぜひお子さんにやってもらいましょう。手間をかけて育てた野菜だと、苦手な野菜でも食べてみようと思うようですよ。

 

まとめ

子どもは食べることよりも遊ぶことの方が好きなので、最初は食べることへ興味がないことも多いもの。好き嫌いをなくそうと大人が必死に頑張ってしまうと、子どもは食べること自体が嫌になってしまいます。それよりも「食べることって楽しい」と感じさせることで、少しずつ食べることに興味をもたせていくと、好き嫌いも次第になくなっていきます。食べる楽しみを教えることは、子育てを通してできるママからお子さんへの最高のプレゼントになりますよ。大きくなると食べられるようになる食材も多いので、いつか食べられるようになると気楽に構えることも大切です。子どもは本能的に必要な栄養素は摂っていますので、まずは栄養バランスよりも食べられた喜びを感じられるよう、サポートしてあげたいですね。

 

 

Izumi(保育士)

小中学生の2人の子どもを持つ保育士です。
たくさんのお子さんやご家族に出会った経験を生かし、子育てや生活が楽しくなるような記事を執筆できたらと思っています。
手芸やDIY、インテリアや雑貨も大好きです。