神原サリーの家電 HOT TOPICS

涼しくなったのに、なぜ眠れない? 家電と暮らしから考える、いい睡眠とは

カドー(cado)の「BRAIN SLEEP CLOCK」。光と香り、音で入眠や起床のリズムを整える手助けをするという家電です

猛暑の夏が過ぎ、朝晩は少しずつ過ごしやすくなってきました。暑さで寝苦しかった夜からようやく解放されたはずなのに、「よく眠れた」と感じる朝は増えたでしょうか。相変わらず睡眠時間が少ない(足りない)、夜中に何度も目が覚めてしまう、すっきり起きられないという声をよく聞きます。

この9月には、睡眠と覚醒を制御する「オレキシン」の発見などで知られる筑波大学の柳沢正史教授がラスカー賞を受賞し、睡眠研究にも改めて注目が集まっています。今回は睡眠改善インストラクター歴14年になる筆者が、「いい眠りは、夜だけではつくれない」をテーマに、家電を上手に利用したよりよい睡眠について考えてみたいと思います。

寝つきだけが睡眠の悩みではない

眠りの悩みは、「寝つけない」「夜中に目が覚める」「朝早く目が覚める、あるいは眠ったはずなのにすっきりしない」など、表れ方は人それぞれです。

筆者自身、これまでは眠る前の環境を整えて「いかに気持ちよく寝つくか」を中心に考えてきました。ところが最近、自分の睡眠を振り返ってみて気づいたのが、寝つきではなく「中途覚醒」のほうでした。

そこで改めて思ったのが、睡眠は「寝る瞬間」だけを整えればいいわけではない、ということ。夜中に目が覚めにくくすることも、目が覚めても再び眠りに戻れることも、朝すっきり起きることも含めて考えるなら、眠りの準備は夜よりずっと前から始まっています。

つまり、3つの睡眠の悩みを考えるうえで大切なのは、夜だけを見るのではなく、朝起きてから眠りにつくまでの一日の過ごし方を見直してみることなのですね。ここからは時間を追いながら、家電にできることを考えていきましょう。

いい眠りは朝から始まっている

睡眠のことを考える時まず浮かぶのが、寝返りを打ちやすいマットレスや自分に合った枕などの寝具や、温度・湿度を整える空調家電のことかもしれません。もちろん、それも大切ですが、実はいい眠りの準備は『朝』から始まっています。

朝起きてから15分〜30分程度、太陽の光を浴びることで体内時計が整い、一日の生活リズムがつくりやすくなるほか、セロトニンの分泌が活発になります。日中に分泌されたセロトニンは、夜になると睡眠を促すホルモン「メラトニン」に変わり、スムーズな入眠をサポートします。

遮光性の高い厚手のカーテンを使っている場合は、カーテンを自動で開けるアイテムを取り入れるのもおすすめです。日の出を再現したようなライトや音で目覚めを助ける家電もあります。

スイッチボットの「朝目覚めカーテンセット」は、指定した時間に自動でカーテンが開き、太陽の光が室内を照らし、自然な目覚めを促します。帰宅時にスマートボタンを押して、カーテンを自動で閉める機能もあります。

スイッチボット「朝目覚めカーテンセット」26,480円

ブルーエアの「ミニレストフル 空気清浄機」は、日の出を再現したような光と、自然の音でやさしく目覚めを演出する機能「サンライズクロック」を搭載しています。設定時刻の15~30分前からライトが緩やかに点灯し、設定時刻になると選択したアラーム音で知らせます。

ブルーエア「ミニレストフル 空気清浄機」30,800円

日中の過ごし方も睡眠の質に影響する

デスクワークなどで頭は疲れているのに、今日はほとんど歩かなかった――そんな日はありませんか。頭と体の疲れのバランスが取れていることが睡眠のためには、とても大切。日中に意識して「身体を使う時間」を作るようにしましょう。移動中になるべく歩くようにする、エスカレーターでなく階段を使う…そんなちょっとした意識の変化が質のいい睡眠にもつながるのです。

座ったままでも下半身を動かせるアイテムも、そのきっかけになりますし、筆者は座りっぱなしで凝り固まった腰やお尻まわりの筋肉をほぐすのに、マッサージガンなども愛用しています。

その一つとして、アテックスルルドの「脚トレスライダー」は脚を開脚・前後方向へと動かす滑らかなスライド運動により、座ったままでお尻や太もも、ふくらはぎなど、下半身全体をバランスよく刺激します。

アテックスルルド「脚トレスライダー」8,800円。2つのパーツの組み合わせで、左右・前後スライドなど多彩なエクササイズに対応します

コンパクトなドクターエアの「エクサガン ポケットREG-11」は、振動レベルが毎分約1,600回~2,500回の4段階あり、気になる箇所をピンポイントに奥深くまでアプローチします。手のひらにすっぽり収まるサイズで、重さも約210gと軽量です。

ドクターエア「エクサガン ポケットREG-11」6,930円。カラバリは写真のグレイッシュピンクのほかに、グレイッシュブルー、ホワイト、ブラックと全部で4種類。別売で3つのオプションパーツあり

寝る前の準備をして「眠りのスイッチ」を入れる

疲れ切った日はあっという間に眠れるので、それで十分だと思っていました。でも最近は、夜中に目が覚めたあと、なかなか次の眠りに入れないことがあり、“寝つくこと”だけでなく、“眠る前の時間”を意識するようになりました。

よく動けた日は、身体的な疲労も適度にあって、夜になると自然に休息モードへ向かいやすいのですが、頭ばかり使って体を動かせなかった日は、仕事を終えても頭が活動モードのまま、ということがありますよね。そんな日は、眠くなるまで働いてそのまま寝落ちするのではなく、意識して「切り替えの時間」を作るようにしています。

眠る前の何気ない習慣も、活動モードから休息モードへ切り替える「眠りのスイッチ」になります。ここでいう「眠りのスイッチ」とは、何かひとつの行動で急に眠くなる、という意味ではありません。歯を磨く、パジャマに着替える、照明を落とすなど、毎晩くり返す行動を習慣にすることで、「これから眠る時間ですよ」と体に知らせていくこと。そうした一連の流れが、日中の活動モードから休息モードへ切り替える合図になります。

最近は、帰宅後に着替えた部屋着のままベッドに入る人も少なくありませんが、“就寝用”として考えられたパジャマに着替えることも、眠りのスイッチのひとつ。毎晩「寝るための服」に着替えることが、これから眠るという合図になるのだと言われています。

筆者の場合、ぬるめのお風呂に入るのがポイント。入浴にはリラックスだけでなく、いったん深部体温を上げ、その後の低下を利用して入眠しやすくするという生理的な意味もあります。そしてお風呂から出たら、照明を落とし、静かな音楽を聴きながら、エアマッサージができるヘッドスパアイテムを使うことも。春に購入したバルミューダの「ザ・クロック」にもナイトルーティンモードが加わり、こうした眠る前の流れを整えるのに役立っています。

バルミューダ「ザ・クロック」のアプリを使ったナイトルーティンモードでは、寝る時刻を設定すると、そこから逆算して7つのサウンドと光によって行動の切り替えを知らせてくれます。耳を傾けているだけで、その音が次の行動への合図となり、自分らしい就寝前の習慣づくりをサポートする仕組みになっているわけです。

バルミューダ「ザ・クロック」シルバー 59,400円、シャンパンゴールド 61,600円

アテックスルルドの「ドライヘッドスパ マドロムーンAX-HX345」は、6カ所のエアバッグで心地よく頭を刺激するリフレッシュモードのほか、3秒吸って7秒吐く呼吸のリズムで整えるおやすみ呼吸モードもあります。

アテックスルルド「ドライヘッドスパ マドロムーンAX-HX345」9,900円。約280gと軽量で静音性の高いコードレス仕様

眠りのスイッチを邪魔しない夜の明かり

寝る前の準備を着々と整えて、せっかく眠りのスイッチも入ったのに、それを妨げるものがあるとしたら? そのひとつが、夜の強い光やブルーライトです。スマホを見る時間が増えたり、夜でも煌々と明るいコンビニに立ち寄ったりするなど、就寝前に強いブルーライトを浴びる機会が増えて、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまい、それが入眠困難の原因になっていることも多々あると言います。

また、暗い状態でスマホの強い光を見ると、瞳孔がより開いた状態になっているため、目の負担がより大きくなってしまうのだそう。本当は就寝前のスマホはNGとしたいところですが、そうはいかないという方も多いことでしょう。枕元に置くライトにも気を配りたいですね。

一般的なLEDが青色LEDをベースに疑似的な白さを作っているのに対し、ライプロの「太陽光スリープライト」は、太陽光の波長分布(スペクトル)を自然に近い形で再現しています。

ライプロ「太陽光スリープライト」15,000円。チラつきのないフリッカーレス設計

カドーの「BRAIN SLEEP CLOCK」は、暖色のライトが緩やかに消えていくため、心安らぐやわらかな雰囲気を演出してくれます。雨や焚き火、波の音など自然をテーマにしたサウンドのほか、別売の専用アロマオイルでリラックス効果のある香りも広がります。

カドー「BRAIN SLEEP CLOCK」44,000円

「よく動く→よく眠る→翌日またよく動ける→またよく眠れる」という好循環を作るためにも、「朝は光を浴びる」「昼間は体を動かす」「夜は入浴や光、音などで活動モードからリラックスモードへ」という24時間の流れをつくることがポイントになるのですね。そして家電は、そんな1日の流れのところどころを助けてくれる心強い存在なのだと思います。

神原サリー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。現在は家電+ライフスタイルプロデューサーとして、家電分野のほか、住まいや暮らしなどライフスタイル全般の執筆やコンサルティングの仕事をしている。モノから入り、コトへとつなげる提案が得意。企画・開発担当者や技術担当者への取材も積極的に行い、メーカーの現場の声を聞くことを大切にしている。 テレビ・ラジオ、イベント出演も多数。