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家電製品ミニレビュー
ティファール「スチームクッカー ウルトラコンパクト」

~一度にたくさん調理できる電気蒸し器
Reported by 本誌:阿部 夏子

スチームクッカー ウルトラコンパクト
 ヘルシー、簡単、栄養価を失いにくいなどの理由から最近、蒸し料理が注目されている。テレビ番組で何度も特集を組まれていたり、最近では蒸し料理専門のレストランなんていうのもあるようだ。

 そのブームに相まって、電子レンジで蒸し料理が作れちゃうものや、普通の鍋を蒸し器として使えるものまで、さまざまな蒸し料理グッズも発売されている。今回はそんな数ある蒸し料理グッズの中から電気を使って蒸し料理を作るティファール(T-fal)の「スチームクッカー ウルトラコンパクト」をご紹介したい。

 スチームクッカーはガスを使わずに蒸し料理ができる蒸し料理専門の調理器具。本体底部に水を入れて、電気でお湯を沸騰させてその上にセットした食材に熱を通すという至ってシンプルな構造だ。食材を入れるバスケットは2段付属するので一度にたくさんの蒸し料理が出来るというのも特徴。

メーカーティファール
製品名スチームクッカー ウルトラコンパクト
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格8,330円


製品本体
パッケージ側面。製品の特徴が書いてある

食材を入れるバスケット2つとバスケットに載せるフタ。透明なので中の様子がわかる パスケットの底に敷いて使うプレート。表面にフッ素加工がされているので手入れが楽 バスケットにプレートをセットしたところ

バスケットの側面のフチにあるツメとプレートのツメを引っ掛けるようにしてセットする プレートのツメ。どちらも固い素材なので、セットするときはグッと押し込むようにする

 ウルトラコンパクトという気になる製品名称は、収納時に本体がかなりコンパクトに収納できるところからついた名前。2段あるバスケットを重ねて、1段分のスペースに付属品を含めて全て収納できる。

 ティファールからは、スチームクッカーとして今回のウルトラコンパクトのほかに「シンプリースマート」「イージースチーム」がラインナップされているが、基本的な機能はそれほど変わらない。各機種の差は保温機能の有無、プレートのフッ素加工の有無、付属のレシピの数などで、ウルトラコンパクト中位機種にあたる。保温機能はないが、プレートはフッ素加工されていて、レシピは50種ではなく100種ついている。


収納時の状態。全ての付属品を本体にしまえるので場所を取らない 2つあるバスケットは1段目と2段目の区別がある バスケットのフチ部分に数字が書いてあるのですぐに判別出来るようになっている

 使いかたはとっても簡単で、タンクに水を入れて、バスケットに食材をセットしたらあとは電源を入れるだけだ。電源は正面についているタイマーと連動していて、タイマーをセットしたらそのまま電源が入る。


水を入れる本体底部。水タンクは本体から取り外しできない 熱を伝えるヒーター部分の回りにリングを設置する その上にカバーを載せる。食材から出た水分や蒸気はこのカバーの中に溜まる

それぞれの部品は全て水洗いできる 水はタンク側面の縦線の上部まで入れる。2L弱の水が入る 電源は本体正面のタイマー。タイマーを回すとLEDが点灯して運転が始まる

 魅力的なのは100種類の蒸し料理が掲載されたレシピブックが付属するということ。実は自宅で初めて蒸し料理にチャレンジしたのだが、レシピブックがあったおかげで戸惑うことなく調理が進められた。今回はその中からいくつかの料理を作ったので、実際に調理の様子を見ながら詳しく見ていこう。


左から説明書と、レシピブック レシピブックには料理の写真と共にカロリー、蒸し時間、バスケットの使用段数などが記載されている 100種類のレシピは基本、野菜を使ったもの、おもてなし、など目的に合わせて分けられていてとても見やすい

まずは基本の茶碗蒸しから

レシピの1ページ目に載っている茶碗蒸しのレシピ
 レシピブックの第1ページ目に載っている料理がこの茶碗蒸し。料理名に「蒸し」という言葉が入っているとおり、蒸し料理の代表格ともいえる料理だ。実は、寿司屋にいったら必ず頼むほど大好きなメニューなのでスチームクッカーデビューは茶碗蒸しからにした。

 付属のレシピでは4人分の茶碗蒸しを、バスケット2段を使って一気に蒸し上げるとあった。4人分の茶碗蒸しが一気に作れるというとかなり大きめの蒸し器が必要だが、スチームクッカーなら2段のスペースを悠々と使えるので、大人数の料理を作るときでもラクラクだ。

 茶碗蒸しに限らず、蒸し料理は下ごしらえがかなり重要になってくる。慣れないうちは特に、レシピに忠実に作った方がいいだろう。

 もう1つ気をつけたいのが、バスケットと使う器の大きさ。茶碗蒸しは器に入れたまま蒸しあげるのだが、実は最初に卵ダシ液を入れた器は大きすぎてバスケットに2つ並べて入れることができなかった。使う際は材料を器に移す前に器がバスケットに入るかどうか確認しよう。


溶いた卵にダシ汁を加えて、椎茸や海老などの具材を加えた。この状態から蒸し始める と、思ったら器が大きすぎてバスケットに2つ並べることができなかった。器を小さめのものに変えて、仕切り直しだ。蒸すときにはアルミホイルでフタをする

 下準備ができたらあとは蒸すだけ。底部のタンクには2L弱もの水が入るので、調理中に水が無くなるなんてこともなさそうだ。万が一無くなってしまった場合でも、タンク側面には給水口が設けてあるので、調理中にお水を足すことも可能だ。


調理中にお湯が無くなってしまったときに使う給水口 外側に引き出して水を足す

 蒸し時間は12~13分程度。タイマーをセットして電源を入れてしばらくするとポコポコとお湯の沸く音がして、5分も経たないうちに蒸気がたってきた。ティファールといえば電気ケトルが有名なだけにお湯を素早く沸かすのはお手のものだ。バスケットは透明なので調理中の様子は外から確認できる。とはいえ、湯気がもうもうとしているので、調理の進行具合についてはやはりフタを開けて直接確認するのが良いだろう。


茶碗蒸しを2つづつ、2段にセットしたところ 電源を入れて5分ほどたつと透明なバスケットが蒸気で真っ白になる

調理中の様子。多少音はするが、それほど気にならない

手前が1段目にセットした茶碗蒸し、奥が2段目のもの。2段目にセットしたものは卵液がまだ固まっていない
 15分経って中を見てみると、1段目はキレイに蒸し上がっていたが、2段目は卵液が固まりきっていなかった。バスケットの1段目と2段目では、温度に若干の差がありそうだ。

 2段目のバスケットをそのまま1段目に移して、さらにもう5分タイマーをセットした。5分たって、中を見てみると器によってはもう少し加熱した方が良さそうなものがあったので、さらにもう5分加熱した。

 何回か使ってみると、使う器の熱伝導率などによってレシピに掲載された時間では蒸し上がっていないことがあった。逆に、続けて使った場合はお湯がすでに温まっているため、指定の時間より短めでもOKな時もある。ただし、タイマー式電源になっているおかげで、時間の調整は簡単にできる。

 さて、ようやく出来上がった茶碗蒸し。取り出すときには蒸気がムワっと立ち上るので、注意したい。説明書にはミトンや鍋つかみを使用するようにとある。気になったのはフタを開けるとフタの内側に結露した水分がかなり周囲に落ちること。あらかじめフキンやタオルなどを準備しておくと安心だ。


フタを開けるときや、バスケットを外すときは鍋つかみを使う フタに溜まっていた蒸気やバスケットの中に結露していた水分が落ちて周りがビショビショになってしまった フタの内側にも水分が溜まっていた

完成した茶碗蒸し
 完成した茶碗蒸しは表面に「す」もなくて、表面はとってもなめらか。口に入れてみると、市販のものよりも柔らかい食感でスルッと入ってしまう感じだ。昔、実家で茶碗蒸しを作ったときは表面の「す」にかなり苦戦させられたが今回は、全く問題なく、おいしく頂けた。


蒸し料理を主食で味わう「牛肉のスチームしゃぶしゃぶ」

牛肉のスチームしゃぶしゃぶレシピ。1人前のカロリー215kalというのも嬉しい
 蒸し料理というとどうしても副菜とか、前菜のイメージが強いが、せっかく蒸し料理専用の調理器具があるのだから主食としても楽しみたい。というわけで食卓の主役を張れる蒸し料理「牛肉のスチームしゃぶしゃぶ」を作った。

 作り方はとてもシンプル。白菜やもやし、水菜などお好みの野菜をバスケットに引いて、あとはスイッチを入れるだけ。4分ほど経ったら、今度はその野菜の上に薄切りのお肉を載せてもう一度フタをする。更に3分ほどたったら完成だ。お肉に蒸し野菜を挟んで、ごまだれやポン酢を付けていただく。


もやし、白菜、水菜などお好みの野菜をバスケットに広げる 4分ほど蒸してフタを開けると野菜がしんなりしている 野菜の上に薄切りの牛肉を広げて、更に3分蒸す

 これがジューシーでとっても美味!! 考えてみると牛肉を蒸していただいたのは初めてに近い体験だったが、焼くのとも煮るのとも違う独特の味わいだ。噛むと肉汁がジュワーと広がって野菜のシンプルな旨みと共にこれまで味わったことのないようなおいしさが広がる。


2分後、牛肉にもしっかり火が通っている お肉で野菜を挟むようにして一緒に食べる。蒸したお肉はジューシーでとってもおいしい。ポン酢やごまだれと合う スチームクッカーを食卓に出して、その場で熱々を頂くのがオススメだ

 嫌がる人もいるだろうなと思ったのは、お肉のアクが野菜に付いてしまうことだ。味にはそれほど影響はないが、普段のしゃぶしゃぶならすくっているアクがそのままになってしまう。私の場合は気にならなかったが、一応記しておく。

 バスケットに1度に広げられるお肉は2枚程度なので、スチームクッカーを食卓に出してお鍋のようにして食事をした。蒸し器を食卓に出して食事をするというのはちょっと考えられないが、電気式のスチームクッカーなら違和感もない。新しい蒸し料理のスタイルとしてかなりオススメの料理だ。


野菜をシンプルに丸蒸し! 素材の味が引き立つバーニャカウダ

 今度はシンプルに蒸し野菜を味わう。野菜の場合は下準備はほとんど必要ない。適当な大きさに切ったらそのままスチームクッカーにセットして終わりだ。蒸し時間は野菜によってそれぞれ違うが、レシピの最後には野菜の蒸し時間がこまかく記載されているのでそれを参照すれば良い。


色々野菜のバーニャカウダ。レシピではパプリカやニンジンなどが載っていたが、色々な野菜で応用できそう レシピブックに載っている野菜の蒸し時間の目安表

 とはいえ、私の場合はそれほど神経質にならずに火の通りにくいジャガイモは1段目に、火が通りやすいブロッコリーは2段目にそれぞれセットして、竹竿をさすなど、様子を見ながら加熱を調整した。蒸した野菜はジャガイモ、ブロッコリー、赤カブの3種類だ。今回はたまたまスーパーで安かったのでこの3種類にしたが、ほかにもキャベツや、ピーマンなど色々な野菜に対応する。

 バスケットの底に引くプレートはフッ素加工されているので、野菜をそのまま置いてもくっつくことがない。野菜を茹でると、色素がお湯に溶け出してしまうことがあるが、蒸す場合はそれがほとんどない。蒸した野菜は色鮮やかで、見た目にも美しい。

 今回はニンニクとアンチョビ、オリーブオイルを使った「バーニャカウダソース」を作って野菜と一緒に味わった。温野菜は冷たいままの野菜よりも容量がたくさん摂れて、体を冷やさないので女性にはピッタリの食べ物だ。特に今が旬のカブは蒸すだけで甘みが増して、とてもおいしくなった。茹で野菜だとどうしても野菜が水っぽくなりがちだが、蒸し野菜は水っぽくならないので、ソースの味もしっかり味わえる。

 一度にたくさんの野菜をガスを使わずに蒸し上げるので、大人数が集まるときにオススメの料理だ。


ジャガイモは皮付きのまま適当な大きさに切って1段目にセット たまたまスーパーで見つけた赤カブは2段目にセットした ブロッコリーも蒸して、アンチョビとニンニクの「バーニャカウダソース」で頂く。簡単な割にボリュームがあるので大人数が集まるときにオススメだ

ソースと一緒に蒸し上げる「アサリのワイン蒸し」

あさりのワイン蒸しのレシピ
 蒸し料理というと単品の食材をそのまま蒸し上げるというイメージが強かったが、レシピ集にはそのまま食卓に載せられる一品も数多く掲載されている。フライパンで作るイメージが強い「アサリのワイン蒸し」もそんな一品だ。

 ニンニク、鷹の爪、ワイン、塩コショウなどの調味料をあさりと一緒に蒸し上げるだけの超簡単なレシピだが、できあがりはお店で食べるものと遜色ないほど。

 注意したいのはこの器ごと蒸し上げるという点。実はピッタリの器が見つからずに料理のジャンルとは正反対のラーメンどんぶりで蒸し上げることに。スチームクッカーを日常的に使うなら、バスケットに入る器、使える器をいくつか用意したほうが良いだろう。


ワイン、鷹の爪、ニンニク、塩コショウ、パセリをアサリと一緒に蒸し上げるだけの簡単レシピ。サイズの合う器が無くて、ラーメンどんぶりで蒸し上げることに…… 7分ほど蒸すと、アサリがぱっくりと開いて、周りにはおいしそうなニオイが漂う あっという間にできる簡単レシピだが、味は本格的

蒸しパンだけじゃない蒸し器を使ったデザート

メレンゲとコーンスターチを加えて作るスチームチーズケーキ
 蒸し器を使ったデザートというと真っ先に思い浮かぶのが蒸しパンだが、今回はあえて蒸しパンではなく、私が最も意外に感じたチーズケーキ作りにチャレンジした。

 下準備はこれまでの料理に比べるとかなり手間がかかる。普通のチーズケーキを作るときと違うのはメレンゲを使うことと、コーンスターチを入れること。そのほかの材料はクリームチーズ、無塩バター、生クリームなど一般的なものだ。

 蒸し上げるまでの時間も40分とかなり長め。蒸し上がった直後のケーキはかなりふくらんで、見た目は蒸しパンのようだ。それがそのまましばらく冷めると大きさは1/3、さらに冷蔵庫で冷やした翌日には1/2までに落ち着いた。

 包丁で切ってみると、焼いて作るのは違い、水分が飛ばないので、とてもシットリしている。ベイクドチーズケーキともレアチーズケーキとも違う食感は独特でなめらかでコクのある味わい。チーズケーキ好きならぜひ一度試してもらいたい味だ。


器にクッキングシートをセットしてから生地を流すこむようにとあった 40分後には大きさが倍にふくらんでいた 冷蔵庫で冷やしてから頂いた。シットリとして、甘さ控えめな大人向きの味だ

毎日の料理に蒸し料理を

炊飯器の横にスチームクッカーを設置して、毎日の料理に蒸し料理を取り入れていきたい
 蒸し器専用の調理器具と聞くとなんとなく構えてしまうところがあるが、実際に使ってみるとシンプルなだけに凡用性が高く、使いやすい。我が家では炊飯器の横にスチームクッカーを設置して出しっぱなしにして使っている。

 とかく何分もガスコンロを占領しがちな蒸し料理を、コンロを使わずに作れるというのは思ったよりも便利だ。仕事をしていると、短時間で作れるという理由からついついフライパンでの料理に偏りがちだが、蒸し料理という新しい味方が増えたような感覚だ。

 私自身も含めて専用の調理器具を買ってもいつもしまい込んでしまって結局使いこなせないという人は多いが、ぜひ出しっぱなしにして使いこなして欲しい優れた調理器具だ。





URL
  ティファール(株式会社グループセブ ジャパン)
  http://www.t-fal.co.jp/tefal/
  製品情報
  http://www.t-fal.co.jp/tefal/steamcooker/index.html

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2008/11/25 00:02

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