● さっと出してさっと調理 シンプルでスマートなパーソナルクッカー
|
モンベル「ジェットボイル(ポットサポートセット)」
|
写真家である筆者は、不定期ではあるが一年のうちに数度の撮影旅行に出かける。そのうちのいくつかは車中泊を前提とした長期の旅となる。この夏もおよそ1カ月に渡り北海道の全域を撮影しながら巡って来た。愛車のステーションワゴンを機材車&寝台仕様車に仕立て上げ、実に4,000km以上を走破してきたのである。このような長期の車中泊の際に気をつけなければならないことはしっかり寝ることと、しっかり食べることである。
寝台仕様のクルマは今までの試行錯誤の結果、なかなか快適な睡眠を得ることができるようになっている。肝心なのはクルマを停めて寝る場所であるが、実は北海道には数多くの道の駅が設置されており、そこは車中泊者の集まる場所となっているのだ。
一方、食事はというとほとんどの食事がコンビニ弁当などをその日の寝床と停めたクルマのなかで頂くことになる。その晩の寝床を確保する方を優先するおかげで食事は後回しとなり、結果、夜の早い町では食堂などに立ち寄ることは難しくなるからだ。北海道でコンビニ弁当というのも少々寂しいところだが、これも写真の為と割り切るしかない。ときにはコンビニさえも近所にない場所もあり保存食で繋ぐことさえある。
そのような食生活のなかに、一品でも温かいメニューがあると非常にうれしいものだ。だがキャンプを目的としない車中泊旅においてはセッティングに手間のかかるガソリンやガス使用のストーブコンロは使いたくない。そんなワガママな要望に応えてくれるアウトドア調理器具が、今回紹介する「ジェットボイル」である。
メーカー | モンベル |
製品名 | ジェットボイル(ポットサポートセット) |
希望小売価格 | 16,800円 |
購入場所 | 直販サイト |
購入価格 | 16,800円 |
今回使用した「ジェットボイル」はアウトドアグッズで有名な「モンベル」が代理店として輸入販売している製品だ。この「ジェットボイル」の特徴はシンプルかつコンパクトなセットと高効率な熱伝導にこだわったクッカーだという点である。本体の熱伝導を最大限に引き上げる工夫を施したたおかげで、驚くほどの短時間で水を沸騰させることができる。また大きく深めのマグカップ状のクッカーは、そのままラーメンなどを入れて調理&飲食できてしまう。生来ずぼらな筆者にとってこの手軽さも非常に気に入っているところだ。
使用後はガスカートリッジやストーブ、スタビライザー等の一切合切をクッカー内に収納できてしまうスマートさも魅力的だ。コンパクトにまとめてしまえば、クルマの荷室の片隅にポンと載せておいてもかさ張らず、峠や悪路の揺れで散乱してしまうこともない。なによりも見た目が大げさにならないのがいい。キャンプ場ではない道の駅の駐車場など、一般の人々がいるなかでの使用は出来るだけ目立たない方がありがたいのだ。
|
|
|
クッカー内に全てのパーツが収納される
|
一番下にガスカートリッジ。その上にゴトクをひっくり返して収納
|
ガスカートリッジの口金にストーブをねじ込み固定。スタビライザーをガスカートリッジの底に取り付けて安定させる
|
|
|
クッカーの底蓋をはずしストーブと合体。ストーブ金具の凸部とクッカーの底金具の切り込みを合わせ回して固定。一見、不安定そうにも見えるが、これがなかなか、しっかりと安定しているのだ
|
クッカーの底部。「フラックスリング」と呼ばれる多くのフィンがストーブの熱を効率良くクッカーに伝える。そのおかげでストーブの使用時間も短かくなりCO2の排出も抑えられるという
|
● ジェットボイルでラーメンをつくろう
|
袋ラーメンの王道。チキンラーメンを作る
|
ジェットボイルのクッカーの形状から、おそらく誰もが思い浮かべる食材としてラーメンを実際に作ってみた。結果として非常に満足のいくラーメンを作る事ができた。その手軽さと食べやすさからジェットボイルとラーメンの相性は抜群だ。おかげで旅の食生活が大きく向上したのである。
|
|
|
クッカー内に刻まれた2cupsのライン。このライン以上に水を入れると吹きこぼれるという。ちょうど500ccのペットボトル1本分。今回は直前に自動販売機で購入した、よく冷えたミネラルウオーターを使用する
|
ストーブの黒いバルブ栓を緩めガスを出し、赤いボタンを押して着火させる
|
ストーブに着火。その瞬間からクッカーの金属は熱くなる。火傷に注意
|
|
|
|
着火よりおよそ50秒。わずかながら対流がみられる
|
着火よりおよそ2分30秒。細かい泡がたくさん上がって来た
|
着火よりおよそ2分50秒で沸騰。今回はよく冷えた水を使用したが、20℃程度の水500cならば2分30秒程度で沸騰すると思われる
|
|
|
|
沸騰したお湯にラーメンをいくつかに割って投入。いっきに吹き上がる。今にも吹きこぼれそうな勢い
|
1分後に火を止め完了。沸騰の勢いでテーブルに多数の吹きこぼれ。ラーメンの量分、水の量を調整する必要があるようだ
|
クッカーをストーブより分離し、ストラップに手を通してそのままいただきます。金属部分は火傷するほどに高温だが、耐熱&保温性のネオプレン製カバーのおかげで素手で持っても熱くない。ただしクッカーが冷めるまで口をつけてスープをすすってはいけません
|
● 右手にカメラ 左手にジェットボイル
今回使用した「ジェットボイル」は調理容量が500ccと量なので、ほぼ一人前に限定される製品だ。別売りの片手鍋「ジェットボイルGCS」を使用すれば約1.5Lの容量となる。ただこの製品の特徴であるコンパクトさやスマートさは、やはり標準のクッカーとの組み合わせで活かされる。それに大人数となれば料理も変わってくるし、その支度さえも楽しめるようになる。
やはりこの「ジェットボイル」は筆者のような放浪人に最適なアイテムなのかもしれない。実はいままでアウトドア調理器具は大げさで面倒なものという先入観から、長期の旅でも使用していなかったのだ。しかしこの「ジェットボイル」でその先入観も打ち砕かれた。それよりも「火」を携行することの安心感の大きさに気がつくことになったのだ。今後の旅にはこの「ジェットボイル」は欠かせないアイテムとなるに違いない。
■URL
株式会社モンベル
http://www.montbell.jp/
製品情報
http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1824308
■ 関連記事
・ やじうまミニレビュー コールマン「ポータブルシャワーwithウォーターキャリア」(2007/08/30)
・ やじうまミニレビュー 岩谷産業「CB-8」(2007/01/26)
2008/10/07 00:01
- ページの先頭へ-
|