家電Watch logo
記事検索
バックナンバー
【 2009/03/30 】
やじうまミニレビュー
DO-SEE「LEDライト付きスタンドルーペ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
ツインバード「コンパクトフライヤー EP-4694」
[00:01]
【 2009/03/27 】
家電製品ミニレビュー
三菱「蒸気レスIH NJ-XS10J」
[00:02]
やじうまミニレビュー
L.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」
[00:01]
【 2009/03/26 】
やじうまミニレビュー
アイリスオーヤマ「サイバークリーン」
[00:01]
家電製品長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」(4/4)
[00:00]
【 2009/03/25 】
やじうまミニレビュー
オーエフティー「自動給餌機 Newビストロ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
日立「クリエア7 EP-CV1000」
[00:00]
【 2009/03/24 】
やじうまミニレビュー
「家庭菜園 かいわれくん」
[00:02]
長期レビュー
シャープ「プラズマクラスターイオン発生器&加湿空気清浄機」 (4/4)
[00:01]
【 2009/03/23 】
やじうまミニレビュー
撥水ペーパーのメモ帳と“現場仕様”のボールペンを試す
[00:01]
長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」 (3/4)
[00:00]

家電製品ミニレビュー
東芝「メガホイール VC-CX100D」

~大型タイヤでスムーズな移動を実現したサイクロン式掃除機
Reported by 平澤 寿康

東芝 サイクロン掃除機「VC-CX100D」
 このところの掃除機の進化はめざましいものがある。掃除機のみならず家電製品のアップグレードは販売価格の高い高付加価値モデルを中心としてのものだが、開発された新機能は徐々に普及価格帯の製品にも降りてくることになるため、以前に比べるとかなり高機能になっているはずだ。そこで、久々に最新のサイクロン掃除機を試してみることにした。

 今回選択したのは、東芝の「メガホイール VC-CX100D」。希望小売価格はオープンプライスだが、実売3万円前後で販売されているミドルクラスの製品だ。

 VC-CX100Dの最大の特徴となるのが、本体左右に取り付けられた、直径18cmの大型タイヤだ。本体側面を見ると、大部分がタイヤで占められているかのようなデザインとなっている。また、タイヤに合わせるかのように、本体も球形に近いデザインとなっている点も特徴的。一般的な掃除機のデザインとはかなり異なっており、ちょっとかわいい感じも受ける。この大型タイヤを中心とした新しいデザインの本体は「メガホイールデザイン」と呼ばれている。

メーカー東芝
製品名メガホイール VC-CX100D
希望小売価格オープン
購入場所Amazon.co.jp
購入価格31,147円


本体側面。直径18cmの大型タイヤが側面ほぼいっぱいに見える。本体も円形に近いデザインで、ちょっとかわいい感じだ
本体底面。下にサスペンションの役割を果たす小さなタイヤが見えるが、基本的には側面の2輪のタイヤだけで本体が支えられる
正面から見ても、左右のタイヤだけで本体が安定していることがわかる

 大型タイヤの採用は、デザイン面からというわけではない。一般的な掃除機では、本体側面後方に2輪のタイヤが取り付けられ、底面前方にキャスターが1個取り付けられた3輪構造のものが中心だが、その構造では横方向への移動が難しかったり、小回りがきかなかったりするために、掃除の時に本体がスムーズに動いてくれずにイライラすることがよくある。

 それに対しVC-CX100Dでは、底面にサスペンションの役割を果たす小型のタイヤが2個取り付けられてはいるものの、基本的に側面の大型タイヤ2輪のみで本体が安定するような構造となっていて、実質2輪での走行を実現している。これによって、旋回幅が約59cmと、一般的な掃除機よりも40%ほど狭い範囲で回転でき、かなり小回りがきくようになっている。実際に使ってみても、確かに思ったように本体を移動でき、壁の角や家具に引っかかる割合もかなり減ったように感じる。

 また、大型タイヤ2個での走行となるため、ちょっとした段差も軽々乗り越えてくれる点も嬉しい。筆者宅では、フローリングの床に、厚さ1.5cmほどのフローリング用畳を敷いているが、これまで使っていた掃除機では、その段差に底面のキャスターが引っかかって、本体をいちいち手で持ち上げなければならないことが多かった。しかし、VC-CX100Dでは、特に力を入れることなく、普通にハンドルを持って移動しながら掃除をしているような状態でも軽々段差を乗り越えてくれるのだ。これだけでも、掃除をする時のイライラが大幅に減った気がする。


本体を回転させて段差を乗り越えさせている様子

本体上部を開くと、ダストカップが見える
 ただし、ゴミ集塵の心臓部であるサイクロン機構に関しては、思ったほど進化していないように思う。

 VC-CX100Dでは、ダストカップ内で空気とゴミを遠心分離するような構造とはなっておらず、基本的にはダストカップ内のネットフィルターと、ダストカップ後方のプリーツフィルターによってゴミをこし取る構造となっている。一応、ダストカップでは吸い込んだ空気を上から下に向かって勢いよく流すことで、ネットフィルターに付着したゴミを気流でたたき落とす「ダンク吸引サイクロン」という方式を採用して、ネットフィルターが目詰まりしにくく、吸引力が落ちにくいとされている。しかし実際に使ってみると、時間とともにネットフィルターにはゴミが付着して確実に目詰まりしていく。一応、短時間で大幅に吸引力が落ちることはなかったものの、上位モデルに比べると、吸引力の落ちる割合は高いように感じた。

 ところで、ダストカップ後方のプリーツフィルターにはセルフクリーニング機構が用意されているが、これは本体のハンドルと連動した手動機構となっている。本体のハンドルを上下させることによって、プリーツフィルターの振動機構が動作して、プリーツフィルターに付着したゴミをふるい落とすようになっている。


ダストカップは、空気とゴミを遠心分離する構造ではなく、フィルターでゴミをこし取る構造となっている
吸引した空気をダストカップ上部から下に向かって吸い込ませ、ダストカップ内のメッシュフィルターに付着したゴミをたたき落とすとされている
中央のグレーの部分がメッシュフィルター。ここでゴミがこし取られることになる

このようにメッシュフィルターにこし取ったゴミが貼り付き、吸引力の低下は避けられない
ダストカップ後部に取り付けられているプリーツフィルター。ここで、メッシュフィルターでこし取れなかった細かなゴミがこし取られる

 フィルターを振動させる仕組み自体は、上位モデルに搭載される自動のものと基本的に変わらず、違いは、モーターによる自動動作か、ハンドルを上下させることによる手動動作かという点のみだ。

 上位モデルと比べると、気分的に少々見劣りするのは事実だが、収納場所から掃除機を出して移動させるときや、掃除機をしまうときなどには、確実にハンドルを上下させるため、無意識のうちにフィルターのクリーニングが行なわれることになり、機能的には自動のものとなんら変わらないと考えていい。


ダストカップ収納部の後部に、本体上部のハンドルを上下させると動くツメがある
ハンドルを動かすたびにツメが動き、メッシュフィルターを震わせてゴミをふるい落とす

ハンドルを動かしてツメが動いている様子

排気口は、本体背面後部に取り付けられており、上方に向かって排気される。また、ゼオライト消臭フィルターとフラボノイドフィルターも取り付けられているが、排気は少々臭う
 排気口は本体後方上部に取り付けられていて、やや上方に向かって排気を吹き出すようになっている。また、排気口にはゼオライト消臭フィルターとフラボノイドフィルターによる強力な脱臭や抗菌効果があるとされている。ただ、使ってみた限りでは、こちらも上位モデルに比べてやや臭いがするように感じた。強力な脱臭機構を取り付けるにはコストがかかるはずで、ミドルクラスへの搭載はまだ難しいのかもしれないが、できればもう少し脱臭能力を高めてもらいたい。

 ヘッドにはパワーブラシは付いているが、自走式ではない。そのため、ラグなどを掃除する場合に少々力がいるというように、ヘッド操作の楽さ加減は自走式ヘッドを搭載する上位モデルに大きく劣る。ただ、このヘッドにはある仕掛けが施されている。それは、ヘッドが床から浮いた状態になると、パワーブラシの回転を止めるとともに吸引力を最低レベルにまで落とすことで、無駄な電力消費をカットするというものだ。確かに、掃除をしているときには、ヘッドが床から浮いた状態になることがよくあるが、VC-CX100Dなら、そういった状態での無駄な電力消費をカットできることになり、省エネ性を高められる。


ヘッドはオーソドックスなパワーブラシ付ヘッドだ
パワーブラシは付いているが、自走式でない点は残念
パワーブラシは簡単に分解でき、水洗いすることも可能だ

ヘッドを持ち上げると吸引力が自動的に低下する様子

 また、VC-CX100Dには、ダストカップ内のゴミの溜まり具合に応じて吸引力を自動的に調節することで、常に最適な吸引力を得られるような仕組みも盛り込まれている。これら2つの機能によって、消費電力は従来機種と比べて20%ほど削減されているそうだ。ミドルクラスの製品とはいえ、このように省エネ性がしっかり考慮されている点は嬉しい配慮だ。


「エコ自動」モードでは、ダストカップのゴミの溜まり具合を判断し、吸引力を自動調節し、無駄な電力消費を抑える 縦置きでコンパクトに収納可能だ

 VC-CX100Dは、上位モデルと比較すると、ダストカップの仕様やセルフクリーニング機構の違い、搭載されるフィルターの種類、自走式ヘッドが付属しないなど、見劣りする部分があるのも事実。とはいえ、ミドルクラスの製品としては、特に劣っている部分があるわけではなく、価格なりの性能は十分備えている。

 大型タイヤ採用による操作性の良さや、省エネ性に優れた仕組みを取り入れている点などは、十分評価できる。最高を求めるのであれば、上位モデルの購入をおすすめしたいが、VC-CX100Dでも、価格なりの満足感が得られるだろう。要望を挙げるとしたら、やはり自走式ヘッドの採用だろう。この価格帯でも自走式ヘッドの採用が徐々に増えているため、さらに満足度を高めるという意味でも、後継機種での採用を期待したい。





URL
  東芝ホームアプライアンス株式会社
  http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm
  製品情報
  http://www.toshiba.co.jp/living/cleaners/vc_cx100d/
  掃除機関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/cleaner.htm

関連記事
東芝、大径タイヤで小回りがきくサイクロン式掃除機「メガホイール」(2008/07/18)



PR  




2008/09/26 00:00

- ページの先頭へ-

家電Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.